8/21(土) 【作品至上主義】
 発表されたときから、どこかどきどきしていた今回のプレゾン。
 おかげさまで、念願かなって、大阪千秋楽(私にとっては初日でしたが・・・。)に馳せ参じることができました。

 今年のプレゾンは、作品そのものをとにかく大事にしているなぁと感じるホンモノ志向の舞台だなと思いました。舞台はどれもが本当はそうなんでしょうが、舞台に関わっているすべての人が人生を賭けているといった気迫を感じました。
 
 まず、とにかくかっちゃんの変貌にまず驚きました。体が半分くらいになっちゃってるんですよ。ダンスのためにかなり体重を落としたんですね。ダンスも華奢な雰囲気で、今までのかっちゃんはどこ?って感じでした。
 「この役を演じることによって、あなたの人生はきっと変わる。」と演出家に言われ、自分を励まし励ましがんばったそうです。かっちゃんの体は半分になっちゃたけど、その自信満々のダンスと演技は、ひと回りもふた回りも大きさを感じました。

 次に驚いたのは、ヒガシのおボッちゃまぶり。ボッちゃまを演じさせたら、パクちゃんの右にでる者はいない・・・と私は確信しているのですが、ヒガシもピカイチ!と唸らせるくらいすごかった。とにかく、仕草も何もかも、ヒガシが本当に可愛いんですよ。恋してるって本当に素敵なことなんだなって、見ている観客まで体中の血がドクドクと音を立てて流れ出しそうな感じ。
 ヒガシの演技も今までのプレゾンの中でもダントツ一位だと思いました。お歌も伸びがあってとてもお上手だなと思いました。ヒガシ自身もきっと何かが変わったんだろうなと思いました。

 ニシキは・・・。ニシキはいつもと全く変わらず・・っていう言葉が一番ぴったりだったような気がします。その存在感と言い、圧倒的なまでのダンスのうまさと言い、渋くて柔らかく響く歌声と言い。
 いつだったか、少年タイムで三谷幸喜さんがニシキは「最後の芸能人っていう風格がある。」と評価してくれたことがありましたっけ。
 なんだかね。舞台にいるのはリフなんだけど、やっぱりそこにいるのはリフである前にニシキなんですよ。これはとってもいい意味で。
 なぜ、ニシキに、トニーでもなく、ベルナルドでもなく、リフが来たか。ニシキの「ボーイ♪、ボーイ♪クレィジイボーゥイ♪♪」の表情たっぷりの低音の柔らかい歌声を聞いて、リフはやっぱり、ニシキ以外の誰にも演じることができなかったんだなと思いました。
 とにかく、存在感たるや普通じゃないのです。ニシキ扮するリフは、ゲームのストリートファイターで言うとベガみたいなやつなんですよね。もう少しわかりやすく言うと、宇宙戦艦ヤマトのデスラー総統みたいな常軌を逸した威厳があるのです。

 ニシキ演じるリフは、どんなに時代が変化しようとも、人が憧憬せざるを得ないナニかをもっているんですよね。
 圧倒的な統率力。仲間へのいたわり。それでいて隠すことのできない自分の能力と人生への照れ。焦り。
 リフは他のだれでもなく、ニシキでしか演じられなかったと心の底から思います。

 プレゾンは評価がとてつもなく分かれているんだそうです。振り付けや芝居にに対する規制もとても大きいらしい。1部の終わりでカッチャン扮するベルナルドとニシキ演ずるリフが死んでしまい、2部にはニシキは全く登場しないんですね。
 まずウエストサイドストーリーありきなんだなと思いました。

 2部では、アニータに扮する香寿たつきさんとチノに扮するアツヒロ氏が群を抜いて光っていたように思いました。
 アツヒロ氏も芝居が大好きなんでしょうね。いつか、大野クンと彼の二人舞台が実現すると本当に素敵だなあと思いました。

 かっちゃんもヒガシも、役に心底のめり込んでいたように思いました。その中にあって、ニシキがニシキらしさとリフらしさを同時に放っているのを見て、「ああ。この人も普通じゃないんだなぁ。」と思いました。