9/29(月) 【王家に捧ぐ歌】
宝塚星組公演「王家に捧ぐ歌」を見に行ってきました。
母が、この作品をもってめでたくトップに就任あそばされた湖月わたるさんの大ファンなのであります。オペラ「アイーダ」の宝塚版!と言った感じで、まさしくトップお披露目公演にふさわしい演目でした。舞台セットも衣装も、何もかもがこの上なく豪華で、しかも、主役の湖月さんと相手役の檀れいさんにしか目がいかない・・・という素晴らしい舞台でありました。
私にとって、湖月さんの存在にひれふしたのは、姿月あさとさん主演の「エリザベート」で、キーパーソンであるルキーニを演じた時だったのですが、今回の湖月さんのトップ就任は、何よりも、宝塚ファンとしてとてもとても嬉しいニュースでありました。
「チカラある者必ず報いられる。」という原則が宝塚にはしっかり存在するということが実証されたわけですから。
この湖月さんと言う方、絶世の美形というわけではないのだけれど、とにかく舞台映えのする容姿を持っているお方なのです。実に不思議です。とにかく芝居が上手い。歌もダンスもお上手だけど、「舞台人のベースは、やっぱり芝居力よね。」と言いたくなってしまうのです。
歌とダンスと言う誰にも負けない技を持っていながら、どうして大野クンにミュージカルのお仕事がこなくて、お芝居の舞台の仕事ばかり来るのか。その理由を改めて思い知らされた気がしました。
9/20(土) 【男の色気】
このところ、武蔵の影響もあって、堤真一さんにぞっこんはまってしまっている。今日も、「なまあらし」のあと、またまた再放送を見てしまった。すでに録画して、何回も見ていると言うのに。
堤さんと大野クン。全然違うようで、実は、とてもとても共通点があるのです。
共通点その1 声がいい。
そう。とにかく声がいいのです。渋いと言うか。ハートがグッとしびれると言うか。それは犯罪よ!と訴えたくなる。
共通点その2 シチュエーションによって豹変する。
「やまとなでしこ」の欧介さんと、「ピュア」の徹さんが、同じ役者さんが演じているとは、絶対思えないのですよ。
「やまとなでしこ」の最終回の、欧介さんの送別会で、欧介さんが「クロダイを持ってきましたぁぁ。」って、足をちょっと横に出して言うせりふがあるんだけど、それはそれはまろやかで、このせりふを絶対大野クンにも言ってほしいと思う。
「ピュア」で、主人公がワケの分からぬどうしようもない男達に乱暴されそうになったとき、堤さん演じる徹さんが、ものすごい形相で男達を睨んで威嚇するシーンがあるんですけれど、あの厳しくて険しいお顔の表情は、大野クンがダンスを真剣に踊っているときのお顔そのもの。超クール。しびれまくります。
で。それでもって、笑うと全然顔が変わるんだな。こぼれるような歯が顔を変えちゃうのだ。実にチャーミングな一瞬だ。
共通点その3 涼しい瞳に魔力が秘められている。
とにかく、悩殺視線を一度でいいからダイレクトに浴びたいと思うのです。にっこり微笑んでもらうよりも、睨まれたい。ああ、でもやっぱり微笑んでほしいかな。ああ、悩む。
ゆっくりと視線を移すその瞬間が最高に好きです。
共通点その4 アクションスターである。
堤さんは、ジャパン・アクション・クラブの出身で、真田広之さんの付き人をしてらっしゃったんだそうです。道理で、殺陣もものすごく豪快。
それでいて、フッと気がつくと、とんでもないオヤジ歩き。たまりません。
共通点その5 舞台の人である。
私が堤さんの存在を知ったのは、確か「問題の教師」と言うちょっと変わったドラマだったんですが、その後、ずっと舞台中心で活躍されていたのだそうです。
もちろん、いろんなドラマにも出演されていたようですが、私は、「やまとなでしこ」で改めてその演技力に胸キュンとなりました。目の前のお客さんの反応を直に感じることのできる生の舞台で活躍している人は、とにかく、その演技力の磨かれ方が普通じゃないとつくづく思ったものでした。
いつか、大野クンも、「大野クンしか考えられない。」というはまり役でドラマ出演する日が絶対くると思うけれど、「ああ、さすが。舞台で磨かれた人だなぁぁ。」って、ため息ついちゃうような、そんなインパクトのあるお芝居をしてほしいです。
共通点その6 男の色気がある。
いいルックスを持っているんだけど、それ以上に男の色気がある。座ったときの手の仕草とか、うつむいたときの顔の表情とか。
ラブシーンなんて、もうとろけちゃうんだろうな・・・と思うんだけど、なぜか、なかなか出会わない。「GOODLUCK!」の最終回では、香田と富樫の濃厚な抱擁シーンを期待していたんだけど、そっと肩を抱くだけに終わっていた。「そう易々と披露してたまるもんですか。」「もう、それは、ドラマの切り札よ。最後のお楽しみにとっておきましょうね。」なんて言うスタッフさんのお声が聞こえてくるよう。
堤さんの経歴を知れば知るほど、大器への階段を、周りの景色やそのときの空気を自分でしっかり確認しながら、一段一段上がってこられたという感じがします。
ぜひぜひ、大野クンも、ゆっくりゆっくり王道を邁進していただきたいと思うのです。
9/13(土) 【同席対面五百生】
昨日、珍しく邦画のビデオを借りてきました。SABU監督の「ドライブ」。クラシックのCDを借りにいったつもりが、堤さん主演の映画をみつけたので、ついつい借りてしまったのです。
部屋で一人で楽しむのには、最高の映画だと思いました。静かで、熱くて、重くって。
堤さん演じる薬品会社の営業マン「朝倉」が、花屋の前で停車しているとき、突然3人の男に乗り込まれ、「車を追え!」と命令される。彼らは銀行強盗犯で、仲間の一人に金を持ち逃げされてしまい、その車を必死に追おうとしていたのだ。
この3人の男達が、実に魅力的だった。特に「縁なんだよ。」と教する寺島進氏のお寺の息子役は圧巻。
事件に巻き込まれたことに不快感丸出しの朝倉(堤さん)に、「『同席対面五百生(ドウセキタイメンゴヒャクショウ)』って言葉知ってるか?。今一緒にいる人や、周りにいる(見える)人たちとは500代も前から会うことが予約されていたんだ。そう考えると周りのものが愛おしく感じるだろ。今俺たちが生かされているのも、こうして出会っているのもすべて縁なんだ。その縁をいかに大切にして生きていくのかが、俺たちの使命なんだ。」って、静かに熱く訴えるシーンがあるんだけど、この言葉が、なんとも重くて、ズシッときたのでありました。
朝倉(堤)は、信じられないほどの頭痛に悩まされているんだけど、それは、実は先祖の霊が彼に憑いているかららしい。
「日本刀が見える。」「闘えって。」この2つが、その後の朝倉の行動のキーワードになっていく。
次々に、新しい出会いが生まれ、3人の男達は、その出会いを自然に受け入れ、何かを触発され、自分の道に戻って行く。
結局、一人になった朝倉(堤さん)は、持ち逃げしたもう一人の男(筧さん)に携帯で呼び出され、なぜかこれも縁のなせる業で、霊がひしめく野原で、自分の先祖と出会い、日本刀で戦い、見事成仏させる。そして、悩みの偏頭痛もいつのまにか解消される・・という話だった。一つ一つのエピソードは不思議な笑いと重みがあって、そして、それらが見事に繋がっていて、小説やドラマでは味わえないおもしろさを感じました。
「ピカンチ」でも感じたんだけど、言葉の一つ一つをかみしめながら、ジグゾーパズルを完成させるように味わっていく邦画って、本当にいいなぁぁって改めて思いました。
そして、この世は、本当に縁なんだぁと思いました。
そう言えば、玉アリの嵐コンでは、MCで「愛だよねぇ。」の話題で盛り上がっていましたっけ。考えてみれば、「縁」というのは、もっともっと大きな目で、というより、かなりポジティブに考えれば、「愛」なのかもしれません。
たとえば。今回、コンサートをご一緒させていただいた大切な大野クン友達の方々。生まれたところも、育ったところも、住んでいるところも、働いているところも、すべて違って、普通なら出会わないのが当たり前なのに、「大野クン」という存在のおかげで、大切な大切なお友達になっているわけです。
これを愛と呼ばずになんといいましょうぞ。
同席対面五百生。いい言葉です。
