8/30(土) 【思いがけない贈りもの】
 先週、2泊3日のとても短い旅でしたが、両親と3人で、天橋立、城崎、出石を旅してまいりました。
 福知山でレンタカーを借りたのですが、まず驚いたのは、福知山城が思った以上に素敵だったこと。明智光秀の築城だそうですが、明智光秀のセンスが一目でわかるようなこじんまりして、それでいて、気品と風格のあるお城でした。

 最初に、向かったのは、天橋立でした。
 知恩寺をお参りした後、母と2人でモーターボートに乗りました。深い緑に包まれた水路をしばし走った後、外湾にでると、そこは、底抜けに明るい水色の空と海。実に開放的でした。廻旋橋を渡り、松並木を散策して、その海岸の美しさを再確認しました。砂が真っ白で、海の色は、限りなく澄んだコバルトブルー。松並木の緑がとても深いので、その海の色は、とても意外でした。

 2日目は、笠松公園の股のぞき、伊根の舟屋を満喫しました。
 その後、城崎に抜けたのですが、その間の道路が、何年も何年もかけて、道路を整備したというか、家並みも田園風景もどの景色も人のぬくもりが感じられて、なんともいえぬ心地よさを感じました。
 そして、城崎があんなに風情のある街だとは思いませんでした。まさに柳と橋のコラボレーション。そこに、下駄と川を流れの音が絶妙に響くのです。道を賑わす浴衣姿の人々の顔には、みな満足感にあふれているようでした。

 3日目は、旅館の仲居さんに勧められて、城崎をもう一度散策した後、出石に寄ることになりました。
 城崎の駅前の駐車場に車をおくと、出入り口の小さな柱のお地蔵さんに、若い女の人が丁寧にお化粧をしていました。聞けば、ちょうど地蔵盆の日で、城崎の街のいたるところで、その準備が静かに進められていたのでした。

 出石は、実に情緒あふれる街で、まさに思いがけない贈り物でした。街のシンボルである辰鼓楼は、街のすべての人々の笑いや涙を丸ごと見つめてきたという重みを感じました。そして、出石の周りを囲む山々は、青空にとても映えて。出石の街の歴史を、昔も今も、そしてこれからも、ずっとずっと見守っている・・・という温かさを感じました。
 おすすめの出石そばのお店を仲居さんから紹介してもらっていたので、美味しいおそばも堪能することができました。私は、そのお店のメニューの看板メニューを食べないと気が済まないタチなので、創作そばメニューの、しかも、一番写真の大きいおそばを注文しました。注文した後に、ちょっと後悔。そばつゆをかけて食べるので、果たしてそば湯がいただけるかとても不安になったのでした。
 そうです。私は、うどんかおそばかと問われれば、うどんを選んじゃううどん派なのですが、そば湯は、ビールよりも好きなのです。大野クンが、なまあらしのマナー講座で、思わずそば湯を飲んでしまったのにも大納得であります。
 でも、その気持もアッという間に吹っ飛びました。おそば派に転向しちゃおうかなと思うほど、おそばは本当に美味しかったし、それに、そば湯を、そばつゆと一緒に改めて出してくれたのでした。
 このそば湯がこれまたとびきり美味しい。ゆずの香りがとてもオシャレでした。

 今、日本は、不況の風にさらされているけれど、でも、実は、とても豊かになりつつあるんではないかという安心感を確かに感じることができた心温まる旅となりました。