9/30(月) 【天使のくれた時間】

 ひさびさに心がホッとする映画を見ました。ニコラスケイジ主演の「天使のくれた時間」がつい先日入会したケーブルTVの映画チャンネルで放映していたのです。
 
 ある日、目が覚めると、別の人生を歩んでいる自分の全く知らない生活に放り込まれるという設定が、なんとも童話チックで、その上、格闘シーンもエッチなシーンも全然ないというところが、いつものニコラスケイジの映画とは、とんでもなくかけ離れていて、妙に気に入ってしまったのです。
 その別の生活では、実生活では分かれてしまった学生時代の恋人と、実は結婚していて子どもが二人もいるという設定なんですが、この子どもがメチャメチャ可愛いのです。おませな長女は「パパじゃないでしょ。」って、すぐにニコラスケイジが別人だってことを見抜いてしまうんだけれど、一瞬でカレの心根の優しさも見抜き、異次元からの訪問者を快く受け入れ、ベビーシートの使い方だのおしめの取り替え方だのいろいろと指南し始めるのです。そのおませぶりがまたまた絶妙。子役の演技のうまさに唸ってしまうとともに、フッと自分の中学生時代を思い出しました。
 
 中学生の頃、気の合う仲間とお話作りに凝っていたことがありました。
 私は、創作の才能はほとんどなかったらしく、すぐ途中で話がワケ分からなくなってしまい、別の新しいお話作りに挑戦しては放り投げ、また新しいお話に挑戦しては途中で放り投げ・・・の連続だったんですが、友達の一人がとってもキュートなファンタジーを創作したことがありました。
 主人公の女の子が湖にスケートをしに遊びに行って、氷の割れ目に落ちて、どんどん引き込まれてしまう・・というお話で、湖の底には、やっぱり別の自分の家があって、全然違う生活をしているのです。そして、そこに暮らしているおじいさんとおばあさんの会話がとてもキュートだったのをなぜか、そのおませな女の子の演技が思い出させてくれたのでした。
 
 そのお話の題名が何だったかも、主人公の女の子の名前が何だったかも、いえいえ、友達とお話作りをしていたことすらもほとんど忘れてしまっていましたが、小さな夢をどこまでも追いかけていた、それこそ、天使がくれたような時間が自分にもあったことをフッと思い出させてくれました。
 
 その友達に急に会ってみたくなりました。映画って、忘れてしまっていた過去を遠くから呼び覚ましてくれるんですね。まさに天使がくれた時間でした。