友達から電話がかかってきたので、思わず要件もよく聞かないうちに「四角い太陽って見たことある?」と聞いてしまった。「一種の蜃気楼みたいなものでね。北海道の野付半島とか、宗谷岬で見られるらしいのよ。寒い冬のよく晴れた日、四角い朝日が昇ってくるのをまれに見ることができるらしいのよ。」「それさぁ、オーロラ見るのより確立低いんじゃないの?」「・・・・。」
でも、彼女は確かにその後言ったのだ。「確立低くないなら見に行ってもいいよ。」と。
そうなのです。今、私は、「四角い太陽見たい熱」に冒されてしまっているのです。
大学3年の夏だったか、同じクラブの友達と3人で10日間の北海道旅行をしたことがあった。函館、札幌、稚内、礼文島、摩周湖、知床・・・。もう、どこへ行ったかも覚えていないくらいナンだけど、一番印象的だったのが、野付半島だったのだ。
その日は曇りだったんだけど、後ろに広がる荒野の色と空の色と海の色が同じようで、今にも溶け合っちゃいそうな不思議な景色だった。9月に入っていたせいか、ほとんど観光客がいなくて、とっても寂しい景色に感じたんだけど、いつまでもそこにいたいような気持ちで一杯で、3人で何時間も海を見つめたのを覚えています。あの海を四角い太陽が昇ってくると思うと、見たくて見たくてたまらないのです。
厳冬の野付半島で味わえる自然美は、四角い太陽だけでなく、流氷、白鳥も味わえるとか。寒さに耐えるのは大変だけど、流氷の上に浮かぶ四角い太陽はいつかぜひぜひいつか拝見したいものです。
考えてみれば、日本の自然美もなかなか素敵なんだなと思う。
いつか、友達と、今まで訪れたところで印象に残っている場所ベスト3を決めたようとしたことがありました。
どこもそれぞれ味わいがあって、結局3つには絞り切れなかったんだけど、そのとき、友達と文句なしで意見一致して、日本の自然美第一位にランクインしたのが、鳥取砂丘でした。山口県の秋芳洞も、屋久島の縄文杉も、見応えのある重みのある場所だったけど、真っ青な空の下に雄大に広がるあの砂丘をはじめて見たときのあの感動は、やっぱり忘れられません。
海外旅行もいいけれど、ここ当分は、日本探訪を楽しもうかなと思っている。
この夏の旅先のリストアップと選択は、私の役目になった。なんだか、楽しみだなぁ。旅は、なんだかんだ行って、計画してるときが一番楽しい。
今、私が行きたいところをいくつか紹介させていただくと・・・。
まず、奈良県の奥を流れる北山川。筏下りがあるらしい。これが、1日に2本しか運行しないらしい。川の水しぶきでビショビショになるのを覚悟で、完全装備で下るのだ。急流もあり、スリル満点らしい。
それから、九州の鳥栖。知覧に展示してあったあのフッペルのピアノが、今は鳥栖のサンメッセのホールにおいてあるのだとか。日本全国から弾きにくるという。月光の曲を私も弾いてみたいです。
3つ目は、世界遺産の白神山地。木霊にまた会えるかも。
そして、4つ目は、徳山市大津島の回天記念館。回天とは、「人間魚雷」とも呼ばれる特攻兵器で、魚雷を人間が操縦して敵艦に体当たりをする必死必中の自殺兵器だったらしい。まだまだ知らなくてはならない戦争の悲劇が、日本中に静かに眠っているんだと思う。
ああ、そうだ。沖縄にも行かなくっちゃ。
まだまだ行きたいところはいっぱい。日本探訪計画。ゆっくりゆっくり楽しもうと思う。