Sir Ivor  (サーアイヴァー)  牡   鹿毛 sire line family
Sir Gaylord Turn-To Royal Charger Nearco Pharos
Nogara
Sun Princess Solario
Mumtaz Begum
Source Sucrée Admiral Drake Craig An Eran
Plucky Liege
Lavendula Pharos
Sweet Lavender
Somethingroyal Princequillo Prince Rose Rose Prince
Indolence
Cosquilla Papyrus
Quick Thought
Impératrice Caruso Polymelian
Sweet Music
Cinquepace Brown Bud
Assignation
Attica Mr. Trouble Mahmoud Blenheim Blandford
Malva
Mah Mahal Gainsborough
Mumtaz Mahal
Motto Sir Gallahad Teddy
Plucky Liege
Maxima Sir Martin
Minima
Athenia Pharamond Phalaris Polymelus
Bromus
Selene Chaucer
Serenissima
Salaminia Man O' War Fair Play
Mahubah
Alcibiades Supremus
Regal Roman
         
  Born - Died 1965.05.05 - 1995.11.10      
  Breeder Mrs. Reynolds W. Bell USA  
  Trainer M. Vincent O'Brien IRE  
  Owner Raymond R. Guest USA  

 

月日 開催国 競馬場 馬場 勝ち時計 距離 頭数 騎手 斤量
 競走名 格付 着順  1着馬 / 2着馬 着差
1967
06 IRE Curragh     T6F 13 L. Ward  
 Tyros Stakes   6  Mistigo  
  IRE Curragh     T7F 11 L. Ward  
 Probationers' Stakes   1  / Mistigo neck
09 IRE Curragh     T7F 9 L. Ward  
 National Stakes   1  / Candy Cane 3
10.15 FR Longchamp   1:47.80 T1600M 13 L.K. Piggott 56
 Gran Critérium   1  / Pola Bella 3
1968
04.05 GB Ascot   1:31.30 T7F 7 L.K. Piggott 126
 Ascot 2000 Guineas Trial Stakes   1  / Dalry 1/2
05.01 GB Newmarket   1:39.26 T8F 10 L.K. Piggott 126
 2000 Guineas Stakes   1  / Petingo 11/2
05.29 GB Epsom   2:38.73 T12F 13 L.K. Piggott 126
 Derby Stakes   1  / Connaught 11/2
06.29 IRE Curragh   2:33.90 T12F 14 L. Ward 126
 Irish Sweeps Derby   2  Ribero 2
07.06 GB Sandown   2:07.05 T10F 5 L.K. Piggott 119
 Eclipse Stakes   3  Royal Palace 3/4
09.29 FR Longchamp     T2400M 10 L.K. Piggott 60
 Prix Henry Delamarre   2  Prince Sao 1/2
10.06 FR Longchamp H 2:35.20 T2400M 17 L.K. Piggott 55.5
 Prix de l'Arc de Triomphe   2  Vaguely Noble 3
10.19 GB Newmarket   2:12.62 T10F 6 L.K. Piggott 119
 Champion Stakes   1  / Locris 21/2
11.11 USA Laurel Park Sf 2:37.20 T12F 8 L.K. Piggott 120
 Washington D.C. International Stakes   1  / Czar Alexander 3/4

 

馬齢   出走 1着 2着 3着 以下
1967 2   4 3 0 0 1
1968 3   9 5 3 1 0
合計 13 8 3 1 1
13 8 3 1 1

  フランスグランクリテリウム (仏、芝1600M)
  イギリス2000ギニー (英、芝8F)
  イギリスダービー (英、芝12F)
  イギリスチャンピオンS (英、芝10F)
  ワシントンD.C.インターナショナルS (米、芝12F)
  アイルランドナショナルS (愛、芝7F)
  2着−アイルランドダービー (愛、芝12F)
  2着−凱旋門賞 (仏、芝2400M)
   首位種牡馬(母父) (英愛) (1983)

 

  競馬史に残る世界の名騎手の中で、間違いなく10傑に入るであろうレスター・ピゴットは、イギリスの
 クラシック競走30勝を含む5300勝を挙げ、首位騎手に11度も輝いた伝説の名手です。 その彼が生涯
 を通じて最高の評価を与えた馬、それがサーアイヴァーでした。
  父サーゲイロードは、サプリングSの勝ち馬。 母アッティカは、2〜4歳時にアメリカで走り34戦5勝、ス
 テイクスの入着馬。 1965年、レイノルズ・ベル夫人がアメリカのケンタッキー州に所有するミル・リッジ・
 ファームで生まれた鹿毛の牡馬は、翌年のキーンランド7月セリで、当時駐愛アメリカ大使を務めていた
 レイモンド・ゲスト氏の代理人、アーサー・ハンコックJr.氏によって4万2000ドルで購買されました。
 ゲスト氏の祖父(Sir Ivor Bertie Guest)の名にちなんでサーアイヴァーと名付けられた馬は、アイルランド
 の名調教師ヴィンセント・オブライエンの下に送られました。
  この馬の素質をピゴット騎手が初めて実感したのは仏グランクリテリウムでのことでした。 初出走から
 の地元アイルランドでの3戦はリアム・ウォード騎手が手綱を取っていましたが、初の国外遠征となって名
 手に声がかかったのでした。 ロンシャン競馬場で行われたこの競走で、サーアイヴァーは翌年のプール
 デセデプーリッシュの勝ち馬ポーラベラに3馬身差をつけて優勝。 ピゴット騎手の合図に反応して素晴ら
 しい加速を見せ、後方から一気に勝利を決めたのでした。 その爆発的なスピードはピゴット騎手の胸に
 強烈な印象を残しました。
  しかし、ピゴット騎手には3戦3勝でミドルパークSを制したペティンゴというお手馬がいました。 翌年の
 クラシックではこのペティンゴとサーアイヴァーと、どちらに騎乗するか。 迷った末にピゴット騎手が選んだ
 のはサーアイヴァーでした。
 
  3歳になったサーアイヴァーは、ピゴット騎手を鞍上にまずアスコット競馬場で2000ギニートライアルSに
 出走。 しかしここは2着馬に1/2馬身差まで迫られる辛勝でした。 一方、ペティンゴニューマーケット
 馬場でのクレイヴンSで4馬身差の圧勝を飾っていました。 それでも、ピゴット騎手が自分の選択を後悔す
 ることは一度もありませんでした。
  驚異的なスピードは次走の英2000ギニーで炸裂しました。 終盤までサーアイヴァーは最後方を追走。
 残り2ハロンで1番人気のペティンゴが先頭に立つのを見て、ピゴット騎手はパートナーに合図を送りました。
 するとサーアイヴァーは、内ラチ沿いを矢のように急襲し、ペティンゴを楽にかわして1馬身1/2差でクラシッ
 クの1冠目を手にしたのでした。
  5月29日の英ダービーは、13頭という少ない出走馬で争われました。 サーアイヴァーは単勝1.8倍
 (4/5)という圧倒的な1番人気に支持されました。 専門家からはその血統的背景から12ハロンという
 距離は厳しいのではないか、という指摘も上がっていましたが、ピゴット騎手は普段通りの戦法でいけば
 必ず勝てる、と自信を持っていました。
  作戦通り、直線入り口のタッテナム・コーナーでもサーアイヴァーはまだ7番手にいました。 ここでコノー
 トが先頭に立ち、一気に差を5馬身に広げました。 リマンドをマークしていたピゴット騎手は一瞬虚をつか
 れかけましたが、コノートの脚色を見てすかさず外に持ち出し、サーアイヴァーのスピードを一気に解き放ち
 ました。 するとサーアイヴァーは次元の違う速さでコノートを抜き去り、そのまま1馬身1/2差をつけてゴー
 ルに飛び込んでいったのでした。
 
  こうして前年のロイヤルパレスに続く英2冠をあっさりと達成してしまったサーアイヴァーでしたが、再び
 ウォード騎手が手綱を取った次走の愛ダービーで、まさかの敗戦を喫してしまいました。 歴史的番狂わせ
 となったこの競走を制したリベロにまたがっていたのは、皮肉にもピゴット騎手でした。
  その後エクリプスSで古馬と対戦し、ロイヤルパレスの3着と敗れたサーアイヴァーは、距離の長い英セ
 ントレジャーを避けて凱旋門賞に出走しました。 歴戦の疲れにもかかわらず、直線ではいつもの驚異的な
 追い込みを見せましたが、今回ばかりは相手が悪く、歴史的名馬ヴェイグリーノーブルに3馬身差をつけら
 れて完敗を喫したのでした。
  しかしサーアイヴァーも並みの名馬ではありませんでした。 その2週間後には英チャンピオンSを楽勝し、
 さらにアメリカへ渡ってワシントンD.C.国際Sに出走。 ちなみにこの競走には日本からタケシバオーも出走
 していました。 海を越えての一流馬の遠征はまだ珍しい時代で、慣れない環境と沼のようになってしまっ
 た馬場にサーアイヴァーは少なからず苦しめられました。 それでも最後はいつものように直線を鋭く追い
 込み、3/4馬身差で勝利を収めました。 引き揚げてくるピゴット騎手の顔は泥だらけになっていましたが、
 その瞳は感嘆と称賛の色に輝いていました。
  ピゴット騎手はその後もニジンスキー英3冠アレッジド凱旋門賞連覇を達成するなど活躍を続けま
 したが、このサーアイヴァーが自分にとっては最高の一頭だった、「理想的な気性の持ち主で、抜群に頭
 が良かった。」 と語っています。 何者にも屈しない勝利への強い意志は、最後まで名手を魅了し続けた
 のでした。
 
  この競走を最後に現役を引退したサーアイヴァーは、アイルランドで種牡馬入りし、その後アメリカのクレ
 イボーン・ファームに移りました。 父としては、凱旋門賞の勝ち馬イヴァンジカ、愛1000ギニーの勝ち馬
 レイディーキャプレットケンタッキーオークスの勝ち馬スウィートアライアンス愛オークスの勝ち馬ゴーディ
 ーシャ、サンタアニタHの勝ち馬ベイツモーテル、伊オークスの勝ち馬アイヴァーズイメッジなど94頭のステ
 イクス勝ち馬を送り出しました。 母の父としては、愛ダービーの勝ち馬シャリーフダンサーバーデン大賞
 の勝ち馬ゴールドアンドアイヴォリージュライCの勝ち馬グリーンデザート愛ナショナルSの勝ち馬エル
 プラドデュハーストSの勝ち馬ザールなど145頭のステイクス勝ち馬を送り出しました。
  さらに産駒のサートリストラムはオーストラリアで首位種牡馬に6度も輝くなど大成功を収め、その血脈を
 オセアニアにまで広めました。
 
  
 
  繋養地
   (IRE) (1969-1970)
   Claiborne Farm (USA) (1971-1995)

 

  兄弟姉妹   生年 勝ち鞍
  Lady Attica 1967 Spy Song Broodmare
  Aristoi 1968 Sir Gaylord Stallion
  Lord Liege 1969 Sir Gaylord Stallion