自由連句百韻「遠花火」の巻

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自由連句百韻「遠花火」の巻
2004年7月26日首11月7日尾
001>恋もまた 一期の華か 遠花火       ポエット・M
002> 思いもかけず 来るラブレター      兼坊
003>忘られず涙を捨つる術もなし        亜月
004> 秋というのに食欲もなく         兼坊
005>夜も更けて白粉花の匂うころ        亜月
006> 虫の音ライブ始まりにけり        兼坊
007>月渡るものみな眠る街の上         亜月
008> 不気味に無人偵察機行く         兼坊
初ウ
009>戦いはゲーム・スポーツだけにして     兼坊
010> 夫婦の仲はそれなりにまあ        亜月
011>民宿の経営はまあ厳しいが         兼坊
012> 湯量自慢の真性温泉           亜月
013>山奥は肉も刺身もありません        兼坊
014> 柔肌なんぞ少うしばっかり        亜月
015>苦労して盗撮などをしてみたが       兼坊
016> とっくの昔に暗号解読          亜月
017>機械語もちょっと読めます人なのに     兼坊
018> メーテルって名で旅をしてます      亜月
019>行く先がどこか作者に聞いとくれ      兼坊
020> ネバーエンディングでござります     亜月
021>延々と連句は続くどこまでも        兼坊
022> 野越え山超え世紀超え          亜月
二オ
023>あると言いないと言われるUFO      亜月
024> 神も仏も生んだのは人          兼坊
025>ヒーローは神から生まれたヘラクレス    亜月
026> 筋肉増強剤ではないか          兼坊
027>生まれつき蒲柳の質のこの私        亜月
028> 自分の女は自分で守れ          兼坊
029>やきもちを焼いてばかりじゃ情けない    亜月
030> いつかは客になって食いたい       兼坊
031>板長と言われ続けてウン十年        亜月
032> 思い出せない氏名性別          兼坊
033>卒業後五十年目のクラス会         亜月
034> 何と恩師が生きていたとは        兼坊
035>あの人は今などという番組も        亜月
036> あの番組は今と茶化され         兼坊
二ウ
037>売れっ子となればいずれは落ちぶれる    兼坊
038> 老兵死なずに消えっちまうのさ      亜月
039>マスコミのカメラ及ばぬ基地の中      兼坊
040> ジェンキンス氏がちょこまかとして    亜月
041>穏やかに秋の一日は暮れて行く       兼坊
042> 寝酒に一杯新走酌む           亜月
043>酔いやすく中年も学成りがたし       兼坊
044> 夜間中学灯り点して           亜月
045>暖房費大幅に減る冬が来る         兼坊
046> 猫を袋に押し込んで見る         亜月
047>芸術はとにかくやってみることだ      兼坊
048> 捨てかねているがらくたの山       亜月
049>リサイクルショップ進出するらしく     兼坊
050> 商店街の端の空き店           亜月
三オ
051>川端で床下浸水二度三度          亜月
052> ここを台風街道と言う          兼坊
053>紀伊半島四国を結ぶ高速船         亜月
054> 金比羅さんへ日帰り旅行         兼坊
055>朝乗って夜八時まで同じバス        亜月
056> ゲーム携帯電池が切れた         兼坊
057>いい加減やめてご飯を食べなはれ      亜月
058> 勉強しすぎは体に悪い          兼坊
059>今までに言われたことのない言葉      亜月
060> 見事俺流リーグ優勝           兼坊
061>マスコミはその場その場で褒めくさし    亜月
062> いつか忘れたあのマニュフェスト     兼坊
063>亭主には約束すべて反故にされ       亜月
064> 復讐すると男遍歴            兼坊
三ウ
065>ヨン様の追っかけマダムとなりにけり    兼坊
066> 命短し恋せざるべき           亜月
067>ハムスターアレルギーでもなお飼うか    兼坊
068> 可愛い顔が俺を呼んでる         亜月
069>台風の中をふらふら出歩くな        兼坊
070> 何してるのか家のどら猫         亜月
071>魚よりどら焼きが好き歯は悪い       兼坊
072> 鉄の歯を持つ不死身のジョーズ      亜月
073>何のため生きるかそれが悩みにて      兼坊
074> 最後の一葉落ちるのを見る        亜月
075>道路拡幅工事で抜かれる銀杏の木      兼坊
076> 夢に出てきたあのじいさんや       亜月
077>襲われると思い目覚めてあぶら汗      兼坊
078> がたごと軋む台所の戸          亜月
名オ
079>どうせまた午前様のお帰りで        亜月
080> 家族ぐっすり熟睡の夜          兼坊
081>台風は忘れるまもなくやって来る      亜月
082> 帰れと怒鳴りつけたい気分        兼坊
083>のうのうと娘の婿を気取る奴        亜月
084> 葦原醜男と名付けてやった        兼坊
085>白うさぎオレオレ詐欺で捕まって      亜月
086> 白州でシラをきらず白状         兼坊
087>見せたくてはや片肌を脱いでいる      亜月
088> 春とはいえどまだ寒いのに        兼坊
089>被災地は布団もなしにごろ寝とか      亜月
090> 浅き夢見し楽しい我が家         兼坊
091>無くなって初めてわかるありがたさ     亜月
092> 親・金・電気ガスに水道         兼坊
名ウ
093>携帯も基地局なけりゃ繋がらぬ       兼坊
094> 空から見ればまるで中海         亜月
095>精巧な造りにこれが箱庭か         兼坊
096> ガリバー目覚めてアッと驚き       亜月
097>縛られた自由という名の不自由に      兼坊
098> 愛という紐切るに切られず        亜月
099>散る花を見て出家した武士もいた      兼坊
100> 春の一日をゆるり過ごさん        亜月
於キョン太の連句道場本部