祭典費値上げのお願い


  氏子地域内の皆さまには年間3回(みゆき大祭か春祭、祇園祭、秋祭)の『祭典費』を御奉賛いただいておりますが、平成31年春祭から これまでの『1戸当り800円』を『1戸当り1200円』に値上げすることを氏子総代会で議決しました。
 このことは回覧板『産霊』で広報してまいりましたが、現在でも「なぜ?」「説明不足」との御意見を頂戴しており、ここに重ねてご説明申し上げます。    平成30年12月


●祭典費とは お住まいの地域全体の幸せを祈るための費用です

 昔から日本国内のどこに住所があるかで氏神様が決まり、そこに居住する人の全員が『氏子』とされてきました。
 実は櫛田宮では毎朝、その方の信仰に関係なく、氏子地域にお住まいの皆さま全員と崇敬者全員が「今日も幸せでありますように」とお祈りをしています。更に年間に3回の大祭(みゆき大祭か春祭、ぎおん祭、秋祭)の時には 『地域全体が幸せになり、いよいよ栄えますように』と特別な祈祷をしています。
 ほとんどの宗教はその宗教を信仰する人に限って幸せを祈りますが、神社では信仰するしないではなく、そこに住む人すべてが幸せであるようにと神事を昔から行なってきました。
 それらに要する費用は地域の皆さまから任意でいただいている祭典費でまかなわれています。
 年間3回の大祭をおこなったあとの祭典費の残金は、神社を維持運営していく費用として活用し、氏子地域の災難を祓い除け皆さまが安寧でありますようにと毎日祈祷するための費用にもなっています。
 もちろん祭典費の御奉賛は任意であり、強制するものではありません。そのことで地域内の対応に差異を生ずるものでもありません。


●祭典費800円は26年間も値上げしていません

 祭典費は1戸あたり800円を年3回いただき、2年に1回だけみゆき大祭時には割増しの1200円(締元担当地区は1000円)を御奉納いただいてきました。
 祭典費が800円になったのは平成4年からで26年前、みゆき大祭が1200円なのは昭和55年からで38年前にもなります。
 それだけ長い間 値上げをせずに運営出来た理由は、氏子区域内の戸数が増えたために収入合計が増えたことにもよりますが、ムダをなくし出来るだけの節約をして『支出を減らす努力』を続けてきたからです。


●昔から神社の会計は『清貧』

 昔から神社は「清貧」と言われ、必要以上の御奉賛を請うことはなく、それは現代でも変わりません。
 櫛田宮を維持運営していく会計は年度末の繰越金額がこのところ毎年減り続ける傾向にはありましたが、祭典費の増額をお願いせずともなんとか運営できていました。
 ところが平成28年度末に ついに53万円の赤字決算になってしまいました。
 地域の皆さまからいただく祭典費がどう使われているのかは回覧板の『産霊(むすび)』でその都度広報しておりますが、平成28年度に80万円の補填をし、29年度末には120万円を。今年度(30年度)末には更に100万円を補填することになる予想で、赤字の補填は累計300万円近くになりそうです。


●赤字を減らす努力も限界に

 神さまには失礼になりますがお供え物を簡素にするなど節約を続け、それでも陥った赤字分は職員給与を減額するなどして、なんとか櫛田宮を現状のままに維持していこうと努めてきましたが、減らしようのない必要経費は逆にふくらむ一方で、赤字は減りません。
 赤字を補填しています原資である『祈願の玉串料やおふだ・お守りの初穂料』による収益の金額よりも、補填額のほうが上回りそうで、そうなると神社の維持が出来なくなります。


●今後はいよいよ困難に

 収入は減り、支出は増える傾向にある中で、平成31年10月には消費税が10%に増税になります。 更に、翌32年度には神埼市新庁舎が竣工し、移転によって境内地の貸地料収入(年76万円)も減ってしまいます。
 現状のままでは、あり得ないことのようですが、ご創建以来1940年も続いてきた神社が破産してしまいます。
 もし破産ということになれば、神職は他の仕事に出て行かねば生活できませんから、常は誰もいない神社になってしまい、もちろん、毎日氏子地域の皆さまの幸せを祈っている神事も出来なくなります。


●値上げをお願いする以外に方法がありませんでした

 この状態を改め、神社の格にふさわしい荘重な行事が行えるだけの健全な会計にするためには、26年間増額しなかった800円の祭典費を値上げしていただく以外に方法がありませんでした。
 「値上げ」と言っても、どれだけ上げたらよいのかも氏子総代会で検討しました。1000円が集めやすいとの声も多くありましたが、試算では祭典費を1000円にすれば、赤字を今以上増やさないようにはなりますが、極端な倹約状態は改善されず、数年後には再度の値上げをお願いすることになると判りました。
 そこでこの際1200円をお願いして、赤字を解消し、伝統ある櫛田宮にふさわしい状態にして、それを保持していきたいという意見にまとまりました。1,200円を3回ですので 年間3,600円です。それはほぼ1日10円ということになります。
 どうかこの窮状をご理解戴き、祭典費の値上げにご協力戴きますよう、心よりお願い申し上げます。
 なお、地区で話し合われ地区会計から一括で御奉賛いただいている所は予算措置をよろしくお願いいたします。例えば地区で1万円であったところは15,000円に。2万円であったところは3万円に、という具合に 800円を1,200円にする率と同じく1.5倍に考えていただきますように よろしくお願い申し上げます。


今後の祭典費のお願い
現在は
  1 戸当 800円 × 年3回  (3月末頃、7月頃、9月末頃)
  みゆき大祭時は  1 戸当 1,200円、担当締元地区は 1,000円

 今後 平成31年春祭から
  1 戸当 1,200円 × 年3回 (3月末頃、7月頃、9月末頃)
  みゆき大祭時は  1 戸当 1,500円、担当締元地区は 1,200円