あらすじ
高校生の瀬名広人(せなひろと)は、同級生の七宮由衣(ななみやゆい)と付き合っていた。しかし広人は、由衣のことは特別好きというわけではなかった。
友人が広人の名前を使って出した、いたずらラブレターに由衣が感激してしまい、断れなくなってしまったのだ。一応付き合うことにして、好きになる努力をしてみる広人だが、やはり恋人として見ることができない。彼女をだまし続けるのが苦痛になり、別れることを決意する。
広人はゲーム好きの由衣に誘われ、彼女の家に遊びに来ていた。最後に由衣のゲームに付き合ってから、話をすることにしたのだ。プレイするのは、どりるキャストの人気ネットゲーム。しかしゲームを始めてすぐに、広人は急激な眠気に襲われてしまう。
そして気がつくと、広人と由衣はそのゲームの世界に迷い込んでいた。広人はショックで落ち込むが、由衣の励ましもあり、二人で街を目指すことにする。
しかしバグでも起きたのか、広人たちの知るゲームの内容とは微妙に異なっており、一向に街には着かない。そしてモンスターの群れに囲まれ、二人で逃げるはずが、由衣が自らおとりになってしまう。広人は何とか彼女を助けるものの、地面の裂け目に落ちて大怪我をしてしまった。
身体を寄せ合いながら、広人は由衣の本当の気持ちを知る。彼女は広人が別れたいと思っていたことに気づいていたのだ。そしてずっと疑問だった、好きになった理由を聞いたとき。どうしても思い出せなかった、彼女との出会いを思い出すことができた。
ゲーム世界をリセットし、二人は現実に戻る。由衣には記憶がなかったが、広人は心配していなかった。何故なら二人で過ごした『証』が、広人の手にはあったからである。
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