第一章


 少し涼しくなり、季節はすっかり秋になってきた。
 秋といえば定番な行事が、文化祭である。 京都名物「八つ橋」から名を取ったという、私立八つ橋学園も、文化祭を明日に控え、放課後遅くまで生徒たちが残り、最後の準備をしていた。
 二年一組の出し物は劇である。
 体育館のステージでは、その練習もそろそろクライマックスを迎えていた。

「もう大丈夫ですよ、姫」
「王子……」
 呆然として起き上がる白雪姫。
 王子のキスで、毒リンゴの呪いが解けたのである。
「やったやった、白雪姫が目を覚ましたぞっ」
「ばんざーいっ」
 小人たちが飛び跳ねて喜びの声を上げる。
「姫、どうか私の后になってください」
「はい……」
 二人は幸せそうに抱き合った。
 そして王子はさっそく姫を城に呼び、婚約も認められ、夜を迎えていよいよベッドインとなった。
 緊張する白雪姫に、王子はにっこり笑って鞭を手渡した。
「え……?」
「さあ、姫。それで私を叩いてくれ」
「…………お、王子様、まさか……」
「大丈夫、君には素質がある。さあ、思い切ってやってくれ」
「そ、そんな、王子様がそういう趣味の持ち主だなんて」
 白雪姫は後退る。
「で、でも、私は王子様が好き……。王子様のためなら……えいっ」
 思い切って鞭を振るった。
「うああっ」
 と声を上げて、王子はのけ反る。
「王子様っ」
「ああ……いいよ、姫。さあ、続けて」
「は、はい……」
 白雪姫はどんどん鞭で叩いた。
 その苦しそうな、でも気持ちよさそうな表情の王子を見て、白雪姫は段々と快感に目覚めていった。
 そして十分後。
「ほーっほっほっ、私の鞭をたっぷりと味わいなさいっ」
「ああっ……」
 白雪姫は、すっかり女王様になっていた。 こうして相性の合った二人は、末永く幸せに暮らしたのだった。
 めでたしめでたし。

 劇が終わり、ステージに幕が下ろされた。
 仕事を終えた生徒たちが、ぞろぞろと集まってくる。
「よーし、結構結構」
 と、監督兼脚本を書いた堀川克彦が、満足そうに頷いた。
 眼鏡をかけており、一見理知的な印象を受けるが、性格はその正反対である。
「もう完璧だ。これで明日はもらったな」
 顎に手を当て、克彦はにやりと笑う。
 はあ〜、と皆が一斉にため息を付いた。
「お、何だ、どうしたんだよ」
「……堀川、やっぱりやめないか? これが受けるとは、俺、どうしても思えないんだが……」
「……俺もそう思う。これはかなり恥ずかしいぞ……」
 裏方の二人が言った。
「あたしもやだ……。友達呼んだのに、こんなの見せらんないよ……」
「普通の白雪姫ならまだよかったんだけど……」
 と小人役の女子。
「今更何を言ってるっ。みんなが俺に任せるって言うから、頑張って面白いのを書いたんだぞっ」
 怒る克彦。
「……面白いか、これ……?」
「まあ、人によっては好きかもしれんが……」
「一番かわいそうなのは、王子様役よね。絶対みんなからからかわれるわ」
「お前ら勝手だぞっ。面倒だからって俺にやらせておいて、今更それはないだろうっ」
「そうよそうよ、克彦くんの作ったお話は面白いわよ」
 と白雪姫役の萩原霞が、彼の頭を撫でて言った。
「霞先生……」
 皆があきれ顔になる。
 萩原霞は、二十三歳の新人教師で、二年一組の担任である。髪はロングで美人な上に、ユーモアがあり、授業もわかりやすいと人気が高い。彼女の話では、大学時代に世界の各地を旅し、様々なジャンルの修行をしたらしいが、真実かどうかは定かではない。もっとも、以前その修行の成果を見せると言って、瓦を十枚割ってみせたことがあったが。
「おお、さすがは霞先生。話がわかるぜ」
「まあねー」
 克彦と霞が、ぱんと手を打ち合った。
「……そりゃあ、霞先生はいいわよね」
 と恨みがましい声で言ったのは、セミロングの美少女、真村由里である。
「あたしの役なんか継母よ、継母」
「いいじゃないの、似合ってるし」
「あのねえっ、あたしは白雪姫がやりたかったのよっ」
「由里ちゃん……もしかして」
 霞は笑みを浮かべて、由里に顔を近付けた。
「王子様を鞭で叩きたかったとか?」
「ち、違うわよっ」
 由里は頬を赤らめた。
「じゃあ、俺の決めた配役に問題があるとでも?」
 と克彦。彼は監督と脚本をやる条件に、配役も決めていいことになっていた。
「当たり前でしょっ。王子様が洋一くんだって知ってれば、絶対白雪姫譲らなかったのにっ」
「だめよ、由里ちゃん。配役は克彦くんに任せるって約束したんだから」
「もう、悔しいっ。白雪姫と王子様はキスシーンがあるのにっ」
「あ、それが悔しがってる一番の理由なのね。大丈夫よ、私に任せておけば」
 霞は由里の頭を撫でた。
「ああ、だから心配なのにっ」
 と由里は頭を振って、彼女の手から逃れた。 そして王子様役の少年に駆け寄り、
「ねえ、洋一くん。何度も言ってるけど、霞先生には気を付けてね。どさくさにまぎれて、何するかわからないんだから」
「い、いや、それは考え過ぎだと思うけど……」
 と原田洋一は答えた。身長はそれほど高くないが、顔立ちは整っている。しかし、いかにも優柔不断そうなタイプだ。
「そうよそうよ。ひどいわ、由里ちゃん」
 霞はわざとらしく嘘泣きし、洋一に迫った。
「洋一く〜ん、明日の本番は、本当にキスしちゃいましょうか?」
「えっ……そ、それはちょっと……」
「だから、そういうのやめてよっ」
 由里は二人を引き離した。
「霞先生、あんまり洋一くんをからかわないでくださいっ」
「別に仲良しを邪魔するつもりはないんだけど、洋一くんてかわいいから。ついよ、つい」
「ついじゃないでしょっ」
「あー、うるさいうるさい」
 と二人の言い合いを止めたのは、克彦だった。
「とりあえず霞先生は置いておいて、真村」
「な、何よ……」
「お前、あんまり独占欲強いと、洋一に嫌われるぞ」
「なっ……」
「あら、克彦くんにしては鋭い意見ね」
 霞が感心する。
「まあ洋一くんも、由里ちゃんがみんなに交際宣言したせいで、冷やかされて大変だったみたいだし」
「だから、あれは誤解よっ。あたしに言い寄ってくる人に洋一くんの名前出して断ったら、いつの間にかみんなの間に広まっちゃったのよ」
 由里は慌てて洋一の腕にしがみついた。
「ねえ? 前にそう説明したよね?」
「うん。それに、心配しなくていいよ。由里ちゃんの性格が嫌だったら、最初から付き合わないし」
「嬉しい、洋一くん」
「しかし……例え口にしなくても、お前らがべたべたしてれば、結局交際宣言したことになるんじゃないか?」
 という克彦の疑問はさておき。
 洋一と由里は交際三か月になる、公認カップルだ。積極的なのは由里の方で、告白したのも彼女の方である。端から見ると、洋一は振り回されているだけに見えることもあるが、彼は彼なりに楽しんでいるのだ。デートは三回したので、そろそろキスがしたいとお互い密かに思っている。
「あーあー、暑苦しいな、こいつらは」
 克彦は不機嫌そうに、手で自分を扇いだ。 内心羨ましかったりするのだが。
「ねえ、克彦くん」
 霞が周りを見回して言った。
「何です?」
「他のみんなは、どこに行ったのかな? いつの間にかいなくなってるんだけど……」
「ああ、真村と二人で言い合ってるうちに帰りましたけど」
「何ですって?」
 霞は驚愕した。
 そして拳を握り締め、唇を噛む。
「……この私に気付かせないなんて、みんな、やるわね。さすがは私の生徒だわ」
「…………」
 克彦は相手にせず、持ってきていた鞄に台本をしまった。
「さて、洋一。そろそろ俺たちも帰るか」
「あ、よし、帰ろう」
「洋一くん、明日は頑張ろうねー」
 並んで歩きながら、霞が頭を撫でる。
「……先生。いつも言ってますけど、それはやめてくださいよ」
「だってかわいいんだもん」
「霞先生っ」
 と由里が睨む。
「大丈夫、由里ちゃんもかわいいわよ」
 霞は由里の頭も撫でた。
「そーいうことじゃなくてっ」
「ま、まあまあ、由里ちゃん」
 と洋一がなだめる。
「やれやれ……」
 肩をすくめ、克彦が体育館の出口を出ようとすると、そこに背の高い男子生徒が立っていることに気付いた。
「ん? お前、神野じゃないか」
「あら、将人くん。練習に出ないで何してたの?」
「さぼっていました」
 と、クラスメートである神野将人は、あっさり答えた。ルックスも性格も悪くないのだが、趣味のせいなのか、友達は少ない。
「おい、神野」
 と克彦が怒って言った。
「どうして来なかったんだよ? お前には馬の糞という画期的な役を与えただろう?」
「……誰がやるか、そんなもん」
 そんな役なら、やりたくないのも当然である。
「堀川くん、配役決めるのに本人の意思を無視したもんねぇ」
 と由里がしみじみ頷く。
「まあ、最初に約束したんだから、みんな文句言えなかったけど」
「神野、これは大いなる芸術のためだ。芸術のためなら裸にだってなれるはずだっ。お前にしかできない役なんだぞっ」
 克彦が説得しようとしたが、当然その効果はなかった。
「何と言われようが、俺はやらない。俺は一人でやる」
「一人で? 何を?」
「見たいか?」
 将人は笑みを浮かべた。
「お前らが練習している間に、準備は済ませておいた」
「何いっ」
「へえ〜、私見たいわ、将人くん」
 と霞が言った。
「いいですよ」
「やった。洋一くんも由里ちゃんも行きましょう? 克彦くんも」
「まあ、いいけど……」
「しょうがないわね……」
「ったく、つまんないものだったら、怒るぞ……」
 三人の反応を見て、将人は後ろを向いた。
「よし、行くぞ。お前らに見せようと思って、わざわざここに来たんだからな」
 と言って歩き始める。
「……随分自信ありそうだね」
 後ろに付き、洋一は声をかけた。
「まあな。くくく……」
 将人は含み笑いをする。
(神野くんって、変……)
 顔を引きつらせながら、由里は訊ねた。
「ねえ、どこまで行くの?」
「視聴覚室だ」
「……視聴覚室? そこって確か、どこかの文化部が展示に使うんじゃなかったっけ?」
「ああ、文芸部だな。あそこはあまりスペースを取らないから、場所を半分開けて、そこを使わせてもらうことにした。もちろん部員が帰ってからだが」
「強引な奴……」
 克彦があきれた。

 三階、視聴覚室に到着した。
 中に入ると、文化部の展示品は端の方に寄せられ、床に大きな円が描かれていた。その所々には、食べ物が置かれている。
 ハムとチーズ、きゅうりとなす、サンマと梅干し、塩辛とらっきょう。
「……何、これ?」
「魔法陣……かしら?」
 由里の呟きに、霞が答える。
「……神野……お前、もしかしてまた……?」
 克彦があきれ顔で見た。
「その通り。これは悪魔を呼び出すためのものだ」
 一瞬、沈黙が降りた。
「……本気……だよね?」
 と洋一が訊いた。
「もちろん」
 と自信たっぷりに将人は言う。
「え、え〜っと……」
 洋一は首を傾げた。
(どこの世界に、塩辛やらっきょうで召喚される悪魔がいるんだろう?)
 それが疑問でならない。
「あのなあ、神野。お前、何回失敗すれば気がすむんだよ?」
 克彦が大きくため息を付いた。
 将人は数年前から、趣味で悪魔召喚に挑戦している。悪魔に興味を持って調べていく内に、実際に呼んでみようと思ったらしい。もちろん、一度も成功したことはないが。
「失敗は成功の元と言うだろう」
 と将人は言った。
「それに、今回の魔法陣は俺のオリジナルだ。今までいろんな本に載ってるのを試したが、すべて失敗だったからな。今回は失敗と思われる要素を省いたから、結構自信はある」
「……これがか?」
 と克彦は口端を引きつらせて、魔法陣を指す。
「常識にとらわれてはいけないことに、俺は気が付いたんだ」
「…………」
「偉いっ」
 ばしっと霞が将人の両肩を叩いた。
「よくそれに気が付いたわ、将人くんっ。私も応援するわよっ」
「あ、ありがとう、先生」
 将人は礼を言った。
「ところで、先生は世界を旅したときに、悪魔に関することは調べましたか?」
「うっ……残念だけど、私、悪魔に興味ないから……」
「それは本当に残念ですね。でも気にしないでください」
「ああ、将人くんもとってもいい子だわ。頭なでなでしてあげる」
 霞は将人の頭を撫でた。
「……と、ともかく、これから召喚の準備に入る。みんな手伝ってくれ。一人でやるより大勢の方が効果的だ」
「……と言われても」
 洋一は困った顔をする。
「ねえ、神野くん。仮に悪魔を呼べたとして、そしたらどうするつもりなの?」
「もちろん、下僕にするに決まってるじゃない」
 由里の問いに、霞が代わりに答えた。
「あ、あたしは神野くんに訊いてるのよっ」
「……俺も先生と同じ意見だな。やはり悪魔は下僕にしなくては」
「……何でそうなるの?」
「そうしたら、俺の言うことは何でも聞くだろ? 見せ物にもできるし。それより、手伝ってくれないのか?」
「……え、と、洋一くん、どうする?」
 由里は洋一を見た。
「そうだな……まあ、手伝うか。一応友達だし」
「だったら、あたしもやる」
「俺はやだね」
 と克彦はそっぽを向いた。
「あら、克彦くん。冷たいわね」
「ふっ、霞先生……。どうせ失敗するに決まってるじゃないですか」
「いいじゃない。そうしたらまたチャレンジすればいいんだし」
「とにかく、俺は嫌なんです」
「……克彦くんって、変なところで頑固よね」
 由里が言った。
「髪の毛立ってるし、妙に格好付けたりするし、他人のことはあまり考えないし……だから女の子にもてないんだわ」
「ほっとけっ」
 克彦は思わず怒鳴っていた。
(くそ〜……俺がもてないのはそういうわけだったのか……)
 それだけが理由ではないのだが。
「よし、堀川。だったら取り引きしようじゃないか」
「取り引き?」
「そうだ。これを見ろ」
 将人は鞄から、一本のビデオテープを取り出した。
「な、何だ、それは?」
「さあな。今朝家を出るとき、AVのちらしと一緒に郵便受けに入っていたのを見付けたんだ。まだ中身は見ていないが、怪しそうなビデオなんで、お前に貸してやろうと思ったんだが」
「いやあ、将人くんはいい友達だなあ。はっはっはっ」
 克彦はビデオを受け取った。
「しかもすけべで調子がいいし……」
 やれやれ、と由里は肩をすくめた。
「ねえ……そのビデオだけど」
「あげませんよ、霞先生」
 克彦は素早くビデオを鞄にしまう。
「……ただのエッチビデオならいいけどさ、どこかの組織の秘密とか入ってたらやばいわよね」
「うっ……」
 克彦は硬直する。
「……霞先生、昨日九時からのドラマ見たでしょう?」
「あ、もしかして由里ちゃんも見たの?」
「まあね……つまんなかったけど……」
「お、驚かすなよっ」
「まあまあ、気を付けるに越したことはないし……」
 と洋一が肩を叩く。
「……気を付けてどうにかなるものでもないけど……とにかく楽しみに見ることにしよう」
「それがいいね」
「おい、それより早くこっちに来てくれよ」
 将人が魔法陣の前に立っていた。
「あー、はいはい」
 ということで、五人は魔法陣を囲んだ。
「……で、これからどうするの?」
「俺の言うことを、みんな真似してほしい」
 将人は、視線を魔法陣の中のきゅうりに向けた。そして口元に手をあて、
「あー、あー、あーくま来い。こっちのきゅうりはあーまいぞ」
「…………」
 他の四人は硬直した。
「お、お、おい、神野、今のは……?」
 顔を引きつらせて、克彦が問う。
「今のように、魔法陣内にある食べ物で誘い込むのだ」
「あ、あのなあっ、蛍じゃあるまいし……」
「きゅうりとかで悪魔が来るかなあ……」
 洋一は眉をしかめる。
「さすがにこれは……」
 霞もあきれ顔だ。
「神野くん、いくらなんでも無茶だと思うけど……」
 苦笑して由里が言う。
「みんな、常識にとらわれるなっ」
 と将人は大声を上げる。
「きゅうりの次はなすでいくぞ。全八種類を十回ずつ言って誘うんだ」
「じゅ、十回も……?」
 四人は顔を引きつらせる。
「さあ、頑張ってくれ」
「ううっ、仕方ない……」
「最後まで付き合うか……」
 五人は声を合わせ、悪魔に呼びかけた。

「あー、あー、あーくま来い。こっちのなーすはあーまいぞ」
 七回目のなすが終わった。ちなみに、梅干しや塩辛も甘いと言って呼びかけている
「い、いい加減疲れてきたんだけど……」
「真村、もう少しの辛抱だ」
 将人が声をかける。実際、彼も疲れていた。
「……これで悪魔が来なかったら怒るわよ……」
 由里の言葉は、他の皆の気持ちを代弁していた。
「大丈夫、もうすぐ終わる。そうしたら苦労も報われるはずだ」
「だといいけど……」
「さあ、次はサンマいくぞ」
「やれやれ……」
 と五人がサンマを見たとき。
 突然、それが黒い光を発して消滅した。
「えっ?」
 思わず呆気に取られるが、それぞれの頭の中に、「まさか」という思いがあった。
 食べ物は全て消え、黒い光は魔法陣全体から発せられるようになり、炎のような塊となった。
「あ……悪魔かっ?」
 将人が目を見張り、口元にかすかな笑みが浮かぶ。
「う……嘘だろ……」
「本当に出るなんて……信じられない……」
 克彦と霞も、驚愕していた。足が震えてくる。
「なっ、なっ、何なのよ、これはっ」
 わめいていたのは由里だけだった。
 口をぱくぱくさせながら、洋一にしがみつく。
「ねえっ、洋一くん、洋一くんっ」
 彼の体を揺さぶるが、反応がないことに違和感を覚えた。
「よ……洋一くん……?」
 洋一は、立ってはいるが、その瞳は焦点が合っていなかった。
 由里は背中に寒気を感じた。
「せっ、先生っ、洋一くんがおかしいよっ。反応がないよっ」
「えっ?」
「洋一っ」
 霞と克彦と将人が、慌てて彼の側に寄る。 異常が現れたのは、洋一だけだった。



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