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去る9月13日、香道の一日教室に参加してきました。
アロマテラピー系の香りなら、お試し経験があるものの、
由緒正しい「香道」の世界は初めて。
私とお香の出会いといえば、マンガの「あさきゆめみし」とか
氷室冴子さんの小説「ジャパネスクシリーズ」の
「この香りはあのお方!」などという台詞に「なんて雅なの!」
と、感動したことくらいかしらね〜。
というわけで、ワクワクしながらミーハー気分で行ってきました。
教えて下さったのは、「和(なごみ)の会」の中尾和子先生です。
2.香木について<香木とは>
よい香りの木であれば、何でも香木というわけではありません。
香道に用いる香木は「沈香(じんこう)」といいます。
上質のものほど水に沈みます。現代の科学でも、香木の正体はごく一部しか
明らかになっていません。しかも、どこで、どうやって取ってくるのかは、現地の
ごく一部の人にしか知られていないそうです。
熱帯樹林で倒木に、何らかの菌が付着して、地中に埋もれて適度な温度と
湿度によって、長い時間をかけて、樹脂化したものだろうといわれています。
<香木の種類>
香道に用いられる香木の種類は、香道独自の種類分けがあります。
木の育った場所の自然条件が作用するとして、産地・積み出し港の地名で
六ケ国(木所)としました。
また、香りを適切に表現する言葉が無いので、五つの味に置き換えて
あらわします。これを「六国五味」といいます。<六国五味>
六国(木所) 産地 味 伽羅(きゃら) ベトナム 苦 (にがい) 羅国(らこく) タイ 甘 (あまい) 真南蛮(まなばん) マナンバール しおからい 真那賀(まなか) マラッカ 無味 (むみ) 佐曾羅(さそら) サッソール 辛 (からい) 寸門多羅(すもんたら) スマトラ 酸 (すっぱい)
3.組香
香道とは、数種類の香木を組み合わせて、それぞれの香りを聞き当てる
「組香」(くみこう)のことを指します。
香りを嗅ぐとは言わず「聞く」と言います。心の耳を傾けて香りと共に
文学的雰囲気を味わい、主題となっている自然の気配を聞き探ることに
起因しているものといえます。
組香の主題は、和歌・物語・伝統行事・四季の風物などです。
多くは、和歌を「証歌」(しょうか)(組香全体をイメージするテーマソング)として、その趣を香りによって味わいます。<組香の手順>
1.「試香」(こころみこう)
それぞれの香木の特徴をおぼえるための香炉がまわります。
2.「本香」(ほんこう)
試香に出た香に出なかった香をプラスし、順番が入れ替わって
香炉がまわってきます。
3.特徴を思い出して「手記録紙」(てぎろくし)に答えを記入し提出します。
4.執筆(書記役の方)が記録紙に全員の答えを記入し、答え合わせます。
最高得点を得た方に、記録紙が授与されます。
4.体験!「菊合香」<菊合香>
9月9日は、古くから重要な五節句のひとつであると言われ、菊を愛で
菊酒を酌み交わし、災難をはらい長寿を祈りました。
この「重陽の節句」に、ちなんで菊を取り入れた秋の組香です。<体験!>
香道について、基本的なことを教えていただいて、いよいよ
香席が始まります。まずは、今日の「菊合香」の証歌を味わいます。
秋風のふき上げに立てる白菊は
花かあらぬか波のよするか白菊が風に揺れる様子が波打ち際の白波を思わせるわけですな。
ということをふまえて、っと。などと思っているとお手前(っていうのかしら)が
始まりました。香道のお道具にも興味津々だったのですが、お席が
少し遠かったので、いまひとつよくわからなかったです。
ちょっと緊張していると、「試香」の香炉がまわりはじめました。
8人でひとつの香炉をまわして、香を聞きます。あんまり人数が多いと
香りが変わってしまうそうです。繊細なのね。
いよいよ、まわってきました!!ドキドキ!!
直径8センチ・高さ8センチくらいの手のひらにすっぽりと収まるサイズです。
湯のみ茶碗っぽいなんて言ったら、先生に叱られてしまうかしら。
香炉には蓋はありません。香炉を左手の手のひらに乗せて、右手をドームの
ようにして香炉にかぶせて蓋をします。このとき右手の親指と人差し指で
○を作るようにすると、ちょうど蓋の一部分に穴が開きますよね。
ここから香りを聞きます。とてもひそやかな香りなので、こうして香りを集める
のだそうです。この穴から、お腹の底まで深く、香りを吸い込みます。
顔をちょっと脇へ向けて(香炉の中の灰が飛ばないように)息を吐きます。
これを3回くりかえします。(本当は1回らしい。)
で、この間に、香りの特徴をおぼえるのです。
最初は「野菊」。ちょっと甘い香り。シナモンぽいような・・・。
2回目に香りを吸い込んだら、なんだか印象が違ってきたわ〜。
3回目。うむむ〜。よくわからなくなってきちゃった。
次は「夏菊」。名前の印象が強いのか、爽やか系?草っぽい感じがします。
これも2回目・3回目とだんだん判らなくなってしまった。
そして「秋菊」。これは高校の作法室の香り。その昔、茶道部だったのよ。
お茶会のときの香りかな〜。懐かしいかんじがする。
さて、3種類の香を聞いたわけですが。香りは、あっというまに消えてしまう。
「香りを聞く」とは本当だわ〜ほんとうに一瞬なの。
覚えられるかどうかは集中力なのですわ!ここで一休み。
はたして管理人@わかは違いのわかる人なのか??
「本香」編、こうご期待!!
**香道一口メモA**
「香席の構成」香元(こうもと)・・・香席をすすめる人(香を焚く人)
執筆(しっぴつ)・・・記録をとる人(書記)
連衆(れんじゅう)・・・香席に連なる人(香を聞く人)<「本香」編>
さて、いよいよ「本香」がまわってきます。
先ほど「試香」で聞いた三種類「野菊」「夏菊」「秋菊」の他に「白菊」を
プラスして、四種類の香の順番を入れ替えます。
香木はハガキ大くらいの大きさの紙に包まれています。(紙の大きさは
見た目の感じです。包み方は、祝儀袋のような感じです。)
この包み紙が四種類とも同じで、混ぜてしまうので香元(香を焚く人)にも
どの香を焚くのかわからないそうです。
後でそれぞれの香が何だったかを書いて提出するので、香を聞いたら
その印象をメモしておくと良いそうです。
「一の香」
この香りは”知っている!”そう、思いました。
・・・ということは試香で出されたものね。あまりに知っているという
確信があったので、懐かしい「秋菊」かな?とメモ。「二の香」
?。???。なんだかよく判らない。
どちらかといえばスッキリした感じなので、「白菊」or「夏菊」?「三の香」
ん〜とね。一番目のに似ている。ということは、「野菊」かしら。
あっ、でも・・・これが「秋」で一番目が「野」かな〜。
決め手は無い。暖かな印象。美味しい香り。「四の香」
ん?これは爽やかな雰囲気。これは「夏菊」かな〜。
思い出せない・・・判らないって・・・(^^;)。
香炉を四つ並べて、聞き比べをしているわけでは無いのですもの。
それぞれの香炉がまわって来るまでには、数分ずつは間があります。
ということは、最初の印象を覚えておくとはいっても限界が・・・。
一応、教えていただいた通りにメモをとりつつ、考えて見ました。
でも、考えたってね〜。もう、香りはどこかへ行ってしまってるもの。
昔、英検を受けた時の「ヒアリング試験」を思い出しました(笑)。
四つの香を聞き終わったら「手記録紙」に記入して提出します。
手記録紙は、タテ16センチ×ヨコ12センチの半紙を縦四等分に折ったもの。
答えは紙を開いて中に記入します。で、答えが見えないように折って
その一番上に名前(下の名前だけ)を記入して提出します。
執筆の方が、全員の名前と答えを一枚の紙に記入していきます。
そして、答え合わせ。朱で点数が書き込まれて発表されます。
さんざん考えて提出した管理人@わかの答えは以下の通り。1.秋菊 2.白菊 3.野菊 4.夏菊
結局は第一印象で決めてみました。
今回の「組香」では、次のように点数を付けます。
白菊が当たっていると2点。他のものは1つ1点。
その組の中で、白菊を当てた人が一人だけの時は白菊3点。
運がいいと当てた数が少なくても逆転勝利もあるのです。
【正解】 1.野菊 2.白菊 3.秋菊 4.夏菊
ということで、私は3点獲得!!(スバラシイ〜)
なかなか良かったということにしておきましょう。
ちょっとだけ違いのわかる管理人でした。
全問正解の方もたくさんおられたので、初心者向けでわかり易かったのかも。管理人@わかにとって、いい香り=美味しい香り。
今回の体験講座で自分の印象を表そうとすると、必ず「美味しい!」という
イメージになってしまって。(表現力が乏しいわね・・・)
私にとって、美味しい=満足・幸せ のようですね。
「いい香り」は、何かを満たしてくれる。
まさしく癒されているんだわ。
そして、今回、特に感じたのは、香りを覚えるのには集中力がいるということ。
香りはそのシチュエーションそのものを覚えているものですけど、
たまには、自分の記憶を総動員させて、全神経で何かを感じるというのも
必要なのかもしれないです。ものすごく集中したら、なぜだかとっても
リラックスできるんだわ〜。
お気軽に参加できる機会があったら、是非試してみてくださいね!
管理人@わかの「一押し」です!
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