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| D&Dのシステム |
| はじめに |
これは初めてD&Dをプレイする人の為のシステムの簡単な解説です。
ここでの記事は、D&D第一版、(株)新和から発売されていたものを元にしています。表記や翻訳に際しての明らかなミスも、そのままに記述しています。
| キャラクタークラス |
キャラクタークラスとは職業のことです。
ファイター(戦士)、クレリック(聖職者)シーフ(盗賊)、マジックユーザー(魔法使い)、エルフ(小妖精)、ドワーフ(コビト)、ハーフリング(半(背丈が)人間)の7つのクラスがあります。人間のクラスはファイター、マジックユーザー、クレリック、シーフ、その他のクラスはデミヒューマン(亜人)各種族、ドワーフ、エルフ、ハーフリングのものです。
| 人間のクラス |
ヒューマン(人間)は我々と同じ人間です。基本的に西洋ファンタジーなので白人種でしょう。(マスターの設定にもよります。)人間は成長が早く、基本的にファイター、マジックユーザー、クレリック、シーフの4つの何れかに就くことができます。各クラスの最高レベルは36レベルです。
ファイター(戦士)
ファイターは武器を使った戦闘の専門家で、高い戦闘能力と耐久力を持ちます。
ファイターは、その能力ゆえ、人間の居留地のリーダーとなります。
クレリック(聖職者)
クレリックは教団に属する僧侶、司祭です。
クレリック呪文を使い、ファイターに及びませんが、高い戦闘能力を持ちます。
マジックユーザー(魔法使い)
マジックユーザーは魔法を使う専門家です。
戦闘能力は低く、レベルの上昇も遅く、耐久力もあまりありません。
しかし、成長したマジックユーザーは何よりも恐るべき存在になります。
シーフ(盗賊)
シーフとは盗賊ギルドに所属する実際に盗みを働く盗賊です。
戦闘能力はそれなりにありますが、耐久力、防御力はあまり高くありません。
他のクラスとくらべるとやや見劣りしますが、要所要所で技の冴えを見せる存在です。
| デミヒューマンのクラス |
亜人は人間のように戦士、盗賊のように分業された職業がなく、それぞれの種族として成長します。すなわち、ドワーフ、ハーフリングには呪文を使う者がいません。そして、エルフは全員魔法が使えることになります。
エルフ(小妖精)
体つきは細身で優雅な種族です。
ことのほか長命で、800年程度の寿命を持ちます。
エルフは森を愛し、自然との調和を大切にしています。
また、エルフは魔法に魅入られていて、魔法の物品に目がありません。
システム的にはファイターとマジックユーザーを合わせた優秀な種族です。
その反面成長は極めて遅く、加えて10レベルまでしか到達できません。
ドワーフ(コビト)
背が低く、ずんぐりとした種族で、男性は長い髭を、女性は短い髭をはやしています。
寿命は400年ほど。
ドワーフは鍛治や細工物に高い技術を持ち、おいしい食事と飲み物を好みます。
また、黄金に魅入られています。
システム的にはファイターとほぼ同じです。
ドワーフは12レベルまでしか到達できません。
ハーフリング(半人間)
子供のような背丈のすばしっこい種族です。
寿命は200年ほど。
ハーフリングは田園やなだらかな丘陵地を好み、食事やお喋りをすることが何よりも好きな陽気な種族です。
システム的にはファイターとほぼ同じですが、優れた隠密能力を持ちます。
ハーフリングは8レベルまでしか到達できません。
| 能力値 |
D&Dでは、キャラクターの身体、精神的な能力を6種類に分類して表現しています。
能力値にはストレングス(筋力)、インテリジェンス(教養)、ウィズダム(知恵)、デクスタリティー(俊敏さ)、コンスティテューション(強靭さ)、カリスマ(魅力)があります。
能力値は3〜18の数値で表現されます。
ストレングス(筋力)
キャラクターの物理的な力を表します。
近接武器、投射武器のダメージ修正、及び近接武器による命中判定に影響を与えます。
インテリジェンス(教養)
キャラクターの知識量を表します。
記憶できる言語数に影響を与えます。また、知識チェックなどで多用します。
ウィズダム(知恵)
キャラクターの理解力、知覚力を表します。
魔法の抵抗力などに影響を与えます。また、知覚チェックなどで多用します。
デクスタリティー(俊敏さ)
キャラクターの動きの素早さ、器用さを表します。
射出武器の命中判定や、回避能力に影響を与えます。また、運動チェックなどで多用します。
コンスティテューション(強靭さ)
キャラクターの頑健さ、頑強さを表します。
ヒットポイントの数値に影響を与えます。
カリスマ(魅力)
キャラクターの他者に与える影響力を表します。
NPCの反応に影響を与えます。
| インテリジェンスとウィズダム |
教養と知恵、両方とも知性を表現する能力値です。この違いについては常に論議の的でした。
具体的にどう違うか例を上げてみましょう。例:前方から何かがが猛スピードで貴方に向かって走ってきます。
インテリジェンスのチェック成功。 → あれは水牛で、暴走している事がわかります。
ウィズダムのチェック成功 → 避けないと危険だという事がわかります。こういった違いがあります。
第2版ではインテリジェンスは知力と訳され、精神的な力を表現する能力とされています。
| アライメント |
アライメント(性格)は、ローフル(秩序)、ニュートラル(中立)、カオティック(混沌)の3種があります。
アライメントはキャラクターの行動指針で、キャラクター作成時にプレイヤーが選択します。
後に呪文の制限や上位クラスへの転向に影響を与えることがあります。また、アライメントに反した行動を取ると何らかのペナルティーを与えられることがあります。
ローフル(秩序)
ローフルなキャラクターは、世界は秩序によって成り立っていると考えています。
彼等は法を遵守し、約束を守り、秩序と安定を求めます。ローフルな行いは通常、善良と考えられています。
カオティック(混沌)
カオティックなキャラクターはローフルとは逆に世界は混沌が支配していると考えています。
彼等は法や約束、ルールといったものに価値を認めません。また、その行動は矛盾していることさえあります。カオティックな行いは通常、邪悪と考えられますが、彼等は気まぐれで、善行も悪行も行なうでしょう。
ニュートラル(中立)
ニュートラルなキャラクターは、世界は秩序も混沌も釣り合っているべきだと考えています。
彼等は自分本位で行動します。約束や法も尊重しますが、あくまでも価値を認めたものでけです。ニュートラルな行いは善良とも邪悪とも取れます。
| ロビンフッドのアライメントは? |
アライメントはよく、議論の的になりました。
例えば、ロビンフットのように正義を行い、善良であっても、法に逆らい、徴収された税を奪う行為はカオティックな行いなのです。
逆に悪代官は、法を遵守し、社会的秩序を乱す者を取り締まる、ローフルな人物という事になります。
ですが、ローフルを善、カオティックを悪と端的に決めてしまう人も多く、実質上そうであっても問題無いときがあります。
アライメントの問題は、おおよそ判断がわかれる問題です。
ゲームマスターの解釈をよく聞いてアライメントを決定しましょう。
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| 戦闘 |
ファンタジーゲームの核心というべき戦闘です。
D&Dの戦闘システムは攻撃側が、いわば一方的に攻撃判定を行いその成否によって解決されます。
防御側にはアーマークラス(以下AC)という鎧の硬さ、盾の有無、敏捷性の能力などから算出された防御値が設定されていて、これが攻撃者の攻撃の成功率を低下させます。
防御者は能動的に防御判定を行なえませんが、その分戦闘解決がスピーディーになり、プレイしやすく、よりスリリングな戦闘を楽しむことができます。
| アーマークラス(AC) |
アーマークラス(以下AC)とは攻撃の「当たりにくさ」を表す数値です。
この「当たりにくさ」とは「鎧の下の体」に対するもの、すなわち、「鎧が弾く」分を含んでいます。ですから「当たりにくさ」というより「ダメージの通りにくさ」という感じでしょうか。ACは数値が低いほうが良好になります。ですから、特典とペナルティーを間違えないようにマスターに確認を取りましょう。
ACの算出
ACの基本はその名の示すとおり、鎧の質で、鎧のタイプそれぞれに設定されています。
もし、盾を装備しているならACを−1します。これにデクスタリティーのボーナス分を修正します。(計算上ボーナスを差し引く)盾や鎧が魔法の物品だったり、防護のマジックアイテムがあるなら、そのボーナス分ACが良好になります。
例:プレートメイル、シールドを装備したデクスタリティー14の戦士のACは、
鎧(3)+盾(−1)−DEX(+1)=1 となります。
| ヒットポイント |
ヒットポイント(以下HP)とはそのキャラクターもしくはモンスターがどれだけのダメージに耐えられるかの値、耐久力のことです、HPはダメージを受けると減少します。もし、HPが0になった時、そのキャラクターは死亡します。
| 戦闘ラウンド |
戦闘はラウンドというゲーム時間で10秒単位で区切られています。
1ラウンドの間に戦闘参加者全員が1回ずつ攻撃、もしくは呪文を唱える等の特殊能力を使うことができます。
イニシアチブの決定
先制権の決定は各グループ毎に行ないます。
各グループの代表が6面ダイスを1回振り、数値の大きい方が先制権を獲得します。
数値が同じ時は同時となります。すなわち、先に行動解決をして倒したモンスターも自分の解決時に攻撃できるということになります。
また、両手用近接武器を使用する時は自動的にイニシアチブを落とします。命中判定
解決では20面ダイスを使用します。
キャラクターにはレベル、クラス別に命中判定表が準備されています。
これに20面ダイスの出目を当てはめて、攻撃の成否を判定します。
近接武器にはストレングスの修正がつきます。
射撃武器、投擲武器にはデクスタリティーの修正がつきます。
THAC0
THAC0とは「To Hit Armor Class 0」、
AC0に当てるために必要な数値ということです。
THAC0をつかうとダイスの出目を命中判定表に当てはめる煩わしさから解放されます。
その代わり、戦闘中に計算することになります。慣れれば簡単です。(というより間違えると恥ずかしいです。)
使い方は簡単で、THAC0からダイスの出目を差し引いた数値以上のACに命中させたことになります。
ダメージの算出
命中に成功すると武器それぞれに設定されているダメージを目標のHPに与えます。
近接武器、投擲武器にはストレングスの修正がつきます。
発射武器には能力値の修正はつきません。
戦闘によるダメージは鎧などに減少させられることはありません。
| 呪文 |
ファンタジーTRPGのもう一つの核心呪文です。
D&Dの呪文はマジックポイントや精神力といったものを消費しません。呪文の使用できるキャラクターは毎朝、呪文書を読んだり、神に祈り、瞑想することで記憶するのです。キャラクターにはキャラクターレベルから記憶できる呪文のレベルと個数が決められています。使用した呪文はキャラクターの記憶から消えていきます。再び記憶するためには十分に休息しなければなりません。呪文を冒険の前に選択するということは、冒険中に必ず必要な呪文を記憶していない可能性があるということです。パーティーはダンジョンに突入する前に十分な情報を収集しておく必要があるでしょう。呪文の選択がパーティーの生命線を握る事が少なくありません。十分に考えて、慎重に選択しましょう。
| マジックユーザー呪文 |
マジックユーザーの呪文は火の玉や電撃などの攻撃力の高い派手な呪文から、幻覚や魅了、変身や移動など多彩な呪文があります。魔法攻撃は魔法使いには手っ取り早い攻撃手段となります。某アニメ主人公はように攻撃魔法を連発する魔法使いは火球のワンド(ファイヤーボールを打ち出す魔法のアイテム)と同じです。呪文をいかに使いこなすかがマジックユーザーの見せ場です。よく研究しましょう。
| クレリック呪文 |
クレリックの呪文は魔法使いの呪文と違い防御と治癒、祝福の奇跡が主体となります。派手な効果を持ちませんが、治癒の呪文は冒険には必要不可欠です。水や食料を作り出す、死者をよみがえらせるという呪文は奇跡と呼ぶに相応しいでしょう。疫病を癒し、飢餓や干ばつを追い払い、失われた命を取り戻すこれらの呪文はそれを目撃した人々を信仰のへと導くでしょう。クレリックがクレリックらしく振舞うための最大の演出が扱う呪文にあるのです。ただし、クレリックはレベル1の間呪文を使えません。注意しましょう。
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| セービングスロー(ST判定) |
ST判定とは呪文や毒といったものに抵抗する、逃れようと試みることです。各キャラクタークラスにはレベルに応じたST判定用の数値が設定されています。20面ダイスでその数値以上が出たら判定は成功となります。
毒/デス・レイST判定
毒と即死効果に対する対抗判定です。毒のほとんどは即死効果があるので、即死に対する判定といえるでしょう。死の呪文等もここで判定します。
マジックワンドST判定
魔法のワンドの攻撃はこの数値で判定します。通常の呪文の抵抗は使いません。マジックワンド以外でここの判定を使うことはありません。敏捷性に関係があることから、すばやく身をかわすものと考えられます。非公式には網等の罠を回避するのに使ったことがありました。
麻痺/石化ST判定
麻痺や石化に対する抵抗です。失敗すると確実に戦力外となります。麻痺や石化能力を持つモンスターは比較的、多く存在します。覚悟しましょう。
ドラゴンブレスST判定
ドラゴンを代表するブレスウェポンに対する判定です。ドラゴン以外にも口から火や酸、冷気を吐くモンスターは数多く存在します。この判定に成功するとダメージを半減させることが出来ます。ドラゴンの息は強力な武器です。判定前に神に祈る姿がいかにも滑稽です。(^^;
呪文/ロッド/スタッフST判定
呪文やマジックアイテムなどに抵抗する判定です。この判定はゲーム中で最も多く使うでしょう。失敗は致命的であることが多いので、ダイスや神に祈っておきましょう。基本ルールではこの判定にのみ知恵の能力値ボーナス分が修正されます。
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| 最後に |
D&Dは難易度の低いゲームです。気楽にプレイできて楽しむことが出来ます。機会がありましたらぜひ、遊んでみてください。