タロットカード概論1
タロットなぜなに劇場?タロットの知識と歴史

 

さて、私の無駄知識を披露するこのコーナー、完全リニューアル!!
進行は私こと“くま”でお届けします。

ばかもの!

あれ?師匠じゃないですか。お久しぶりです。

前のを読んだが、書くべきことの半分も書いてはおらんではないか!

と言われましても・・

おまえの足らん所はわしが付け足しておいてやる。しっかり励めよ!

はい、宜しくお願いします。

それから、茶菓子ぐらい出さんか。気の利かんヤツじゃ!

・・・・・・・(−−;

では、改めて、進行は私、サポートは師匠の・・

七つ目じゃ!

でお送りします。

タロットカードを知らない方は少ないと思います。現在では主に占いに使われるカードです。
大アルカナ22枚、小アルカナ14枚が4組の56枚、合計78枚の抽象画の描かれているカードです。フランスではタロ、ドイツではタロックとも言います。

歴史上、「タロット」として名前が出てくるのは13世紀。14世紀頃のイタリアで現在の形になったといわれています。
その当時はプレイングカードすなわちトランプとして使われていました。

うむ、現在の形とあるが、それは大小アルカナのセット78枚になったと言うことじゃ。絵柄など今の形になるのはもっと後じゃ。

ということは今のカードより多かったり少なかったりしたという事ですか?

そのとおり、92枚セットというのもあってな。14世紀の“今のタロットにないカード”を、わしの師匠から見せてもらった事がある。

いいな〜、私にも見せてくださいよ。

残念じゃが、阪神大震災で師匠もろとも灰に・・・

わぁー

今でも地方(イスラム圏)によっては、見た事の無いようなカードがあったりするのじゃ。

 

大アルカナと小アルカナは起源を別にするものです。

大アルカナは、エジプトの魔術書「トートの書」が基になっているといわれています。
これがジプシーなどに伝わり、ヨーロッパに齎されたと考えられています。
大アルカナは、何も持たない愚者が旅を通して色々な人々に出会い、やがて世界の全てを目にするという神話的物語を描いています。

大アルカナの物語は、人の一生だともいわれておる。
間違いではないのじゃが、それ以外に含まれている事の方が多いのじゃ。

小アルカナのスートはケルトの神話から派生していると言われます。
4種類のカード、剣、コイン(ペンタグル)、カップ、棒はケルトの主神、ルーの持つ4つの神宝を表しています。
同時に風、大地、水、火の4元素を、又、貴族、商人、聖職者、農民の社会階級をも表しています。
(表1参照)
小アルカナは1〜10の数字カードと、ペイジ、ナイト、クイーン、キングの人物カードで構成されています。
これらのカードに描かれているのは大アルカナの神話的な物語ではなく、世俗的な人間社会です。

小アルカナ、トランプ起源説を知っておるか?
名前の通り、小アルカナはトランプが基になっておると言う説じゃ。一般的な認識と違って、こちらの方が有力なんじゃ。

そうなんですか?

いずれにせよ、トランプとタロットは密接な関係が有るということじゃな。
昔のトランプは56枚だったのじゃ。

枚数が合いませんね。

ナイトとペイジがジャックになっているのじゃ。それだけじゃないぞ。

と言いますと?

トランプではジャックは11、クイーンは12、キングは13と暗黙に数字が割り当てられておるじゃろ。
タロットにはそれが無いんじゃ。

へ??

さらに、キング、クイーン、ナイト、ペイジのロイヤルカードは、人物カードという分類になる。
加えて、これら4枚はそれぞれ4元素に対応しておる。
(表2参照)
起源についてもインド起源説、中国起源説、チェス起源説なんてのも存在する。

通常の小アルカナと同様に扱ってはならんのじゃ。

占いの時の扱いも別にしたほうがいいということですね。

大小のアルカナはその変遷に諸説あるものの、1300年代には小アルカナのみで扱われたものに、大アルカナが加えられたようじゃ。
当時「タロッコ」といカードゲームがイタリアで賭博として流行しておった。これは4組の数字カードと4組4種の人物カード、そして22枚の切り札でプレイされるものだったようじゃ。これがタロットの語源でセット内容の確立の遍歴として最も正確なもののようじゃ。

15世紀前半にはヴィスコンティ−版、後半にはマルセイユ版が出現しているわけですが、
タロットがゲーム用のカードではなく、占い用として、一般的になったのは18世紀ごろです。それ以前にも占いには使われてましたが、それはジプシーと呼ばれる人々と、一部の魔術結社が細々と行っていました。

街中で堂々と占いをすれば、異端審問、魔女裁判にかけられたじゃろう。
キリスト教はタロット占いを禁止、弾圧しておるし、当時では予言を行う者の多くは魔女、もしくは異教徒の烙印を押されたからじゃ。加えて、カードゲームとしても一時期禁止令が出たほどじゃ。カードを持っているだけで犯罪者か魔女、不幸な時代じゃな。

王侯貴族による君主制社会が、民主的な議会制社会になり、キリスト教の支配力が弱まると、ジプシーたちが、占いなどを街中で行うようになります。同時に、科学的知識が一般の市民に広がり、オカルトに対する恐怖が薄れ、カードの占いが社会に浸透していきます。そして、18世紀に起こったオカルトブームで、タロットカードは占い用カードとしての地位を確立しました。

カードに描かれる抽象的イメージから何らかのインスピレーションを得られるとフリーメイソンなどは自己解析のために盛んに使用したようじゃ。
そして、19世紀に現れる魔術結社「ゴールデン・ドーン」によってタロットは魔術的な側面を得る。クロウリーやアーサー・E・ウェイト、エリファス・レヴィなどの有名なオカルティストによって発展、完成されていくのじゃ。

 

旧約聖書の成立がわかっているのに、タロットの成立ちは諸説乱立ですね。

弾圧された上に各地域で違った発展の仕方をしたことも要因じゃな。
魔術結社や心霊主義のオカルティストなどもタロットを複雑にした原因じゃ。

やっぱり、ジプシー説が有力なのですか?

ドイツ、フランス辺りではそのようじゃ。
グノーシス主義であるジプシーとタロットの変遷はある程度一致しておるし。
しかし、ルネッサンス期に発展した本場とも言うべきイタリアのタロットは、どうもそれだけでは無いようじゃ、イスラム、ユダヤ、いろいろと関係があるようじゃ。

う〜
難しいですね(--;

ばかもん!!
勉強不足なだけじゃ!!
ここに関連書籍がある。全部読め!!

何ですかその山は。
全部読むのに何日もかかりますよ!

読んだら棚にちゃんと戻すのじゃ。
ついでに棚を整理してもらおう。

そんな〜(;;
 

つづく

表1 小アルカナの対応表
小アルカナ トランプ 社会階級 四大元素
スペード 貴族
コイン ダイヤ 商人 大地
聖杯 ハート 聖職者
クラブ 農民
 

表2 人物カードの対応 
人物カード 四大元素 家族の対応 象徴人物
キング 権力者
クイーン 母親
ナイト 息子 雄雄しい若者
ペイジ 大地 若者