さらに頂上へ上がってびっくり。木が植えられているのだ。見通しが利かない。せっかく懐かしい風景を見に来たのにと恨めしくも思ったが、何故かすっきりとした気分だった。足を向けなかった期間、これは自問自答の自己嫌悪に陥った時期でもあった。少し遅い思春期とでも言おうか、自分の存在に自信がなくなっていたのだ。しかし、この見通しが利かない展望台から前を見ていると、何だか笑いがこみ上げてきた。「どうでもええか、しょうもないことは。」そう言ってくれているように思えた。 


つぎ





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