月刊プログラム! |
配列変数
2001.May.22
修正
2002.09.03 サンプルプログラムをちょい修正
2003.01.05 内容をちょい修正
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使い方
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まず宣言の仕方ですが、下の様な感じになります。
Dim HAIRETU(10) As String
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このように変数を宣言した場合どうなるか?
はい。「HAIRETU」というString型変数が11個宣言されたと考えてください。
何故10個ではなく、11個なのかは後で説明します。(後回し・・・)
まぁ「百聞は一見に如かず」とも言いますので、実際どう使うのか見てみましょう。
Sub Sample()
'配列変数の宣言
Dim HAIRETU(10) As String
'値を代入
HAIRETU(0) = "たろの部屋"
HAIRETU(1) = "管理人はたろ"
'シートに反映
Cells(1, 1).Value = HAIRETU(0)
Cells(2, 1).Value = HAIRETU(1)
End Sub
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実行結果
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はい。もう、一目瞭然ですね。
使い方はこの通りです。
何事も聞くより、実際やってみる方が分かりいいですね。
ものすごく簡単に言えば、変数に「番号」が付いたと思ってください。
ちなみに、
Cells(1,1).Value = HAIRETU |
こんな事は出来ません。
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なぜ11個?
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これは「下限値」を指定しなかったからです。
「下限」を指定しないと、デフォルトで0(ゼロ)からになるからですね。
通常配列宣言は「To」で区切り、「下限」と「上限」を指定してやります。
こうすれば、1~10までの「インデックス値」を持つ配列変数が宣言され、「要素数」は10個となります。
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配列とは?
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配列の特徴は、要素の1つ1つがインデックス値を持っている事です。
つまり数字違いの同じ変数名でアクセスできるわけです。
もう1つの面白い所は、上にも書いた通りメモリに順番に配置されるところです。
これはプログラムをやる上で重要なポイントとなります。が、今は難しく考える必要はありません。
あーそーなんだー。と思ってください。
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インデックス値を持ってるとどーなる
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インデックス値を変えるだけで、(配列の領域内の)違うアドレスを参照できます。
これはプログラムを組む上で、とても有効な手段です。
例えばこんなプログラムが組めます。
Sub Test()
Dim HAIRETU(1 To 100) As Long
Dim i As Long
For i = 1 To 100
HAIRETU(i) = i
Next
For i = 1 To 100
Cells(HAIRETU(i), 1) = HAIRETU(i)
Next
End Sub
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実行結果

実際には100行目まで続いています。
あまり意味のないプログラムに見えますが、番号で参照できるというのは、かなり有利なことです。
例えば上の例のように、行番号にあわせて数字を表示したい時や、また、ループ文によってその効果を抜群に発揮します。
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メモリの配置のされ方
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何度も言いますが、「配列」は宣言したと同時にメモリ内に「順番」に確保します。
例えば、
と宣言したとします。
「Integer」型というのは2バイト領域です。
要素数は5個です。(0~4の5個)
ここでは前回と同じくエクセルのシートに例えて、メモリ内の様子を見てみましょう。

これが空の状態です。
セルの1つ1つが1バイトの領域を持っています。
この状態で上で書いた配列変数を宣言したとします。
すると、

となります。
配列変数AAAの先頭アドレスは「A1」となります。
AAA(3)のアドレスは「G1」となります。
こんな感じで「順番」に確保されていきます。
型の領域は2バイトなので、2ステップづつになります。
まぁこの辺は参考程度に頭に入れておいてください。
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動的配列と静的配列
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配列には2種類あり、それが動的配列と静的配列です。
動的、静的という言葉はあとあとでも使いますので、覚えておいてください。
上で書いたサンプルは「静的配列」になります。
静的とは、辞書で引くと、
『 動かないものとして考えた様子 』
だそうです。
つまり静的配列とは、要素数を動かせない配列という意味になります。
動かせないというのは、変えられないという意味です。
対して動的とは、
『 変動している様子 』
だそうで、つまり静的とは逆に要素数を動かせる配列という意味になります。
ではここで、静的、動的両方の宣言の仕方を見てみましょう。
Dim seiteki(5) As Integer ' 静的変数の宣言
Dim douteki() As Integer ' 動的変数の宣言
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静的の方はわかると思います。
0から5までの6個の要素を持ちます。
では、動的の方ですが()の中は空です。
動的配列の宣言は () の中を空として宣言します。
つまり動的配列は宣言した時点では領域はゼロとなります。
しかし、当然このままでは使い物になりません。
なんせ領域が0ですので、何も格納させれないですし、参照する事もできません。
Cells(1, 1).Value = douteki(0) ' エラーになる
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宣言した時点では、こんな事をするとエラーになり処理は中断してしまいます。
動的配列は、宣言したら領域の確保を行い、それから使う事ができます。
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領域を確保する
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では動的配列の領域を確保してみましょう。
領域の確保はReDimステートメントを使います。
Dim douteki() As Integer ' 宣言する
ReDim douteki(5) As Integer ' 領域の確保
Cell(1, 1).Value = douteki(0) ' 参照できる
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ReDimステートメントは、配列の要素を宣言しなおすといった感じで考えてください。
よってここでは0から5まで6個の要素をもった配列が宣言されました。
宣言時に型を明示したなら、ReDimの時の Integer はなくても、Integer 型として領域の確保は行われます。
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動的配列の使い道
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これもいろいろと重宝します。
まず一番のメリットは、静的配列とは違い動的にメモリの確保を行うので常時メモリを消費しないという点があげられます。
しかし、いちいち ReDim を行わないといけないので実行時の負担が大きいというデメリットもあります。
静的、動的配列どちらを使えばいいというのは、時と場合によりけりです。
ただ、いくら常時メモリを消費しないからといって、動的配列を無理矢理使いまわすというのはあまりお勧めできません。
時には上限を決めて、静的配列にした方がスマートなプログラムになる場合もあります。
通常、動的配列を使う時は、大きなデータを格納する時や、データの大きさがプログラム時にはわからない時などです。
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多次元配列
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配列には動的と静的、2種類あると言いましたが、さらにもう1つ多次元配列と呼ばれるものもあります。
今までのサンプルは全て「1次元配列」になります。
多次元配列とはいわゆる「テーブル」と言われるもので、n×nのような宣言と参照が出来ます。
とにかくやってみましょう
Dim TAZIGEN(2, 1) As Byte
Dim i As Long, j As Long
For i = 0 To 1
For j = 0 To 2
Cells(j + 1, i + 1).Value = VarPtr(TAZIGEN(j, i))
Next
Next
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実行結果

VarPtr関数とは、変数のアドレスを取得するVBの隠し関数で、実際にその変数のアドレス番地を取得します。
数値は環境によって変わります。
まず宣言したら、下表のようなテーブルが宣言されたと考えてください。

これはもちろん多次元配列を分かりやすくしただけであって、実際のメモリは、
メモリの配置図
この様になっています。
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終わり
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今回はこれで終わりですが、実際の配列というのは結構奥の深いものです。
それは徐々にやっていければ良いなと思っています。
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