二宮町のヤナギ <2005/08/30> home1.gif (352 バイト)
賀郡二宮町の鬼怒川辺(標高50m)には、栃木県の平野部に分布するヤナギ属植物のほとんどが自生しています。作者は先日8月27日に、砂ヶ原橋付近でヤナギ類の観察を行ったので以下、報告いたします(特に、葉による同定法)。解説は、文献引用ではなく、私の経験によるものです。
1 オノエヤナギ       Salix  udensis Trautv. et  C. A. Mey
  オノエヤナギは、栃木県では河川敷に多くに自生し、山地帯の湿地や丘陵の古い休耕地にもやや普通に見られるヤナギです。葉は細長く中央部が最も広く、鋸歯がややはっきりし、上面(表側)はつやがあるが、下面(裏面)は白っぽい。新葉の縁が裏側に巻き込むことが大きな特徴です。
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(図1)オノエヤナギの葉
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(図2)オノエヤナギの樹姿
2 コゴメヤナギ   Salix   jessoensis  Seemen  subsp.  serissifolia (Kimura) H. Ohashi
 栃木県において本種は、鬼怒川辺、那珂川辺において大木になっているのを散見するが、当HPで紹介する他のヤナギ類ほど多くはない。小枝はもろく基部から折れやすい。樹皮は縦に裂ける。葉は白っぽく長さ3〜8cmだが、樹の陰になる部分では小さくなる傾向が強い。
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(図3)コゴメヤナギの葉
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(図4)コゴメヤナギの樹姿
3 カワヤナギ          Salix  miyabeana   Seemen  subsp. gilgiana (Seemen)  H. Ohashi
  今の季節は他のヤナギ類と識別しにくいが、5月は歴然としている。その頃、葉が白い短毛で覆われているため樹全体が白っぽい!8月でもよく見れば樹全体白っぽい。このヤナギの葉は当HP中のヤナギ類では最も細長く、特に、中央より先の部分が最も広くなるのが特徴。鋸歯はオノエヤナギよりはっきりしない。
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(図5)カワヤナギの葉
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(図6)カワヤナギの樹姿
4 マルバヤナギ   Salix  chaenomeloides   Kimura
  アカメヤナギの別名どおり新芽が紅い。図7は二次伸長した新梢の葉で紅くなっている。春に伸び出して生長しきった新梢先端の葉はもう紅くない。托葉がはっきりしているのも特徴。栃木県では南部に多いという記録がある。確かに、ここ二宮町ではあまり多くなく、作者は那須野が原では見たことがない。
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(図7)マルバヤナギの葉
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(図8)マルバヤナギの樹姿
5 イヌコリヤナギ    Salix   integra  Thunb.
 行李の材料コリヤナギに似て非なるヤナギということで「犬コリヤナギ」なのだそうだが、これは普通種。特徴は、葉が対生であること。ただし、新梢では互生になることがあるので要注意。
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(図9)イヌコリヤナギの葉
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(図10)イヌコリヤナギの樹姿
6 タチヤナギ          Salix  triandra  L.   subsp.  nipponica (Franch. et Savat.) A. K. Skvortsov
  雄株であれば、雄蕊が3本。これは同定上決定的なのだが、他の特徴は何?と問われてとまどうヤナギ。葉は長楕円形でしっかりしたつくり。若葉のときは中央部が赤みを帯びるので識別可かも。栃木県での産量はヤナギ類としては中ぐらい。比較的、自然度の高い場所に多いような気がする。
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(図11)タチヤナギの葉
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(図12)タチヤナギの樹姿
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(図13)取材地…上は砂ヶ原橋