太平山の植物98 集成版(画像省略)作者が1998年に栃木市太平山で観察した結果です。    

     ☆太平山は栃木市の市街地から西に望むところにある標高340.2mの山で、山頂近くには太平山神社が祀ら
     れています。サクラやアジサイの名所としても知られています。暖地性植物も多く見られるところです。

<観察日  1998/12/27>                           
<観察コース  あじさい坂、関東ふれあいの道(スギ・ヒノキ林)、謙信平、晃石山への山道>

   (あじさい坂の植物)
    ○ヤブタビラコ(開花期)        
    ○イロハモミジ(枝に枯葉が着生)
    ○開花期の植物    オニタビラコ、ハキダメギク、スズメノカタビラ、ウシハコベ、ニリンソウ
    ○結実期の植物    ハキダメギク、マンリョウ 

  (関東ふれあいの道の植物の様子)
    ○ミゾシダは、今年1月31日には枯れていました。 しかし、今はまだ上の写真のように黄化している状態でした
     (画像省略)。
    ○開花期の植物   ベニバナボロギク、ツバキ(園芸種、開花始め)
    ○結実期の植物   ヤブラン、ナキリスゲ、トウバナsp.
         
  (謙信平の植物の様子)  

    ○蕾期の植物    ヒサカキ 
     ○開花期の植物   コセンダングサ、オオジシバリ、ノボロギク
    ○結実期の植物   コセンダングサ、イヌタデ、ヒナタイノコズチ、カタバミ
    ○その他       カニクサ、タチシノブなどの常緑シダ植物が目立つ。

  (晃石山への山道の植物)
      奥に見えるのが晃石山(419.1m)です(画像省略)。山道沿いは、落葉広葉樹林になっています。上の写真に
    写っている樹木は、イタヤカエデ、アカシデ、コナラ、ヤマザクラ、ヒサカキ、シラカシ、アズマネザサ、ムラサキシキブな
    どです。フユイチゴやヒサカキの果実が観察できました。ヒサカキは、同じ枝の元の方には成熟した果実が、先の方には
    今度咲く蕾が着いています。

<観察日  1998/9/12>                           
<観察コース  あじさい坂、関東ふれあいの道(スギ・ヒノキ林)、謙信平>

   (味わい深い、あじさい坂の植物)
     ○トキホコリ(開花期)         
     ○ヤブミョウガ(開花期〜未熟果)    
     ○ヤナギイノコズチ(開花期)
                               
    味わい深い植物が、あじさい坂にたくさん見られました。植物に関心のない人から見れば地味な植物でしかないで
   しょうが、こういう植物こそ面白いのです。

      (その他、開花期)   トキホコリ、ヤブミョウガ、ヤナギイノコズチ、ヒカゲイノコズチ、タネツケバナ、オオバコ、
        ハキダメギク、ケチヂミザサ、イヌガラシ、カラムシ、アオミズ、シュウカイドウ

   (これは面白い、関東ふれあいの道の植物)
      関東ふれあいの道のスギ・ヒノキ林下には上の写真のようなトウバナ類がありました(画像省略)。茎の下部は
    匍匐して高さ20cm前後、葉の下面に腺点があって、萼には1〜2mmの毛が開出、上部の葉脇には1cm長の花
    序が出ます。図鑑で調べてみるとイヌトウバナにいちばん近いかな、と思いますが自信がありません。

      (その他、開花期)  ベニバナボロギク、キバナアキギリ、ハグロソウ、ヘビイチゴ、ハシカグサ、シンミズヒキ、
        マツカゼソウ、ナキリスゲ、カラスノゴマ、ヒメチドメ、ハナタデ、コアカソ

  
  (秋たけなわ、謙信平)  
      謙信平には秋の花がたくさん見られました。足下を見ると、オオイヌノフグリが3〜5対の本葉をつけて開花に向けて
    準備中。

      (その他、開花期)  キツネノマゴ、ウスアカカタバミ、アオカラムシ、ヤブタバコ、ススキ、カゼクサ、ヌスビトハギ、
         ゲンノショウコ、アブラススキ、ノハラアザミ、シラヤマギク、トダシバ、キンミズヒキ 、ヒガンバナ

<観察日  1998/6/20>                           
<観察コース  太平山東側のあじさい坂〜太平山神社〜謙信平〜晃石山への歩道(晃石中継局まで)〜謙信平 
  〜関東ふれあいの道(スギ・ヒノキ林)>

  (あじさいの状況)
     あじさい坂の両脇は、遠目にはあじさいの花がずいぶん咲きそろってきたように見えます。が、一枝一枝観察して
   みると、中性花が十分に展開した状態の花序(いわゆる満開の花)はまだ6分の1程度でした。達観すると、上左の写
   真の程度が平均的な花序です。いわゆる満開に達している花序であっても、両性花(上右の写真)の開花はまだ1割
   程度です(画像省略)。

  (目立った花)
    ○ユキノシタ(満開)              
    ○テイカカズラ(5分咲き)
 

   (開花中の植物)  コモチマンネングサ、ミドリハコベ、オニタビラコ、ドクダミ、スズメノカタビラ、ガクアジサイ、
     アジサイ、ユキノシタ、テイカカズラ、オオバコ、キツネノボタン、ツユクサ、ミゾホオズキ、クサノオウ、
     ナガバハエドクソウ、イヌガラシ、ハハコグサ、ムラサキカタバミ、タカトウダイ(満開)、ムラサキシキブ(2分咲き)、
     カモガヤ、クリ(野生種)、ツクシハギ、キハギ、ヒメジョオン、ニガナ、オカトラノオ、エゾタチカタバミ、カラムシ、
     ウマノミツバ(咲き始め)、テリハノイバラ

  (未成熟の果実)  シラカシ、ミヤマガマズミ、ガマズミ、ヒメコウゾ、コモチマンネングサ、シャガ、キツネノボタン、
     イヌガラシ、キブシ、コアジサイ、ゴンズイ、ウリカエデ、ヤマブキ

     シラカシの果実はアカガシと同じく開花した年の秋に成熟します。アカガシやウラジロガシの果実の成熟
    が開花した翌秋になるのとは対照的です。

     ミヤマガマズミの果実は丸みをおびて果序全体が下に垂れ下がっています。隣に生育していたガマズミ
    の果実は扁平で果序は上向きです。

  (成熟した果実)  ミドリハコベ、ヤブニンジン、クサノオウ、タチツボスミレ、ハハコグサ、アオカモジグサ、ニワトコ、
     ニガイチゴ、ニガナ、エゾタチカタバミ

  (蕾)  ヒヨドリバナ、クサギ          

<観察日  1998/5/4>                           
<観察コース  太平山東側のあじさい坂〜太平山神社〜謙信平〜晃石山への歩道〜謙信平〜関東ふれあいの道(ス
  ギ・ヒノキ林)>

  (開花中の植物)  シャガ、ハルジオン、キュウリグサ、ミゾイチゴツナギ、ヤブタビラコ、ツボスミレ、ヘビイチゴ、
     オオイヌノフグリ、ムラサキケマン、ハハコグサ、オオイヌノフグリ、イヌガラシ、オドリコソウ、ハナイバナ、
     スズメノカタビラ、カニツリグサ、アオキ(♀)、ナズナ、キランソウ、ホウチャクソウ、ニガナ、オオジシバリ、
     コゴメウツギ、エゾタチカタバミ、タチツボスミレ、アラカシ、オオバコ、ツクバネウツギ属、ヒメコウゾ、ツルウメモドキ、
     マムシグサ、キリ、ノイバラ、エビネ、ショカツサイ、ミドリハコベ、アカマツ(♂)

  (未成熟の果実)  タチツボスミレ、ヤエムグラ、オオイヌノフグリ、ムラサキケマン、セイヨウタンポポ、クサノオウ、
     タネツケバナ、オオジシバリ、カスミザクラ、ウリカエデ
  (成熟した果実)  ミドリハコベ、セイヨウタンポポ、アオキ
  (蕾) ユキノシタ、アジサイ、ガマズミ、コアジサイ、ウツギ、エゴノキ

<観察日  1998/3/29>                           
<観察コース  謙信平付近>

  (開花していた植物)               
     ○マルバスミレ(スミレ科)   草地に咲いていました。有毛品ですが、最近はそれもマルバスミレViola
      keiskeiとするようです。                  
     ○ニオイタチツボスミレ(左)とタチツボスミレ(右)(どちらもスミレ科、画像省略)  量的には圧倒的にタチツ
      ボスミレが一番。ときに両種が隣接して生育しています。
     ○キブシ(キブシ科)  満開です。これらの花には雌ずいと雄ずいの両方がある。                    
     ○アカシデ(カバノキ科)こんな様子(画像省略)。森(コナラ林)は背景のような景観です。  

    *その他の開花していた植物 
      スズメノカタビラ、シュンラン、ヤマツツジ(咲きはじめ)、クロヒナスゲ、ハナイバナ、ノボロギク、オオジシバリ
      ミドリハコベ、コスミレ、エゾタンポポ、ヒサカキ、カキドオシ、キランソウ、ショカツサイ、キジムシロ

   (果実を着けた植物)
      エゾタンポポ、オオイヌノフグリ(未熟果)、ミドリハコベ(成熟果)」

   (サクラ開花間近)  
     謙信平の駐車場脇にあったソメイヨシノと思われる樹の花芽(画像省略)。(3月7日号と同じ樹)。謙信平にたくさ
    ん植えてあるソメイヨシノと思われる樹の平均的な生育の花芽はこの程度です。前回、3月27日に開花するかも、と
    書きましたが開花にはもう一歩のようです。
     太平山に登る車道沿いに一本、3分咲きの樹がありました。雰囲気はソメイヨシノです。枝変わりなのでしょうか。              
   (若芽)
     ○チゴユリ(ユリ科)  コナラ林に小さな群落を作っています。やわらかい芽。
     ○ヤブレガサ(キク科) もう少し開いた芽もありました(画像省略)。

<観察日  1998/3/7>                           
<観察コース  謙信平付近と六角堂からの遊歩道(首都圏自然歩道)、南西麓にある大中寺(大平町西山田)>

  (開花していた植物)              
     ○タチツボスミレ(スミレ科)   2月11日に撮影したものと同じ株(画像省略)。謙信平の南側。2月に咲いたと思わ       
      れる花は下に小さくちぢんでいました。               
     ○ニリンソウ(キンポウゲ科) あじさい坂の脇にだた一株咲いていました。ほとんどの株はまだ赤紫色の葉のみ。
     ○謙信平の紅梅は満開を過ぎていました。
     ○同所のナズナ、オオイヌノフグリ、エゾタンポポ、ハコベ(広義)は開花最中。
     ○謙信平南西側のコナラ林内の1本のヤマツツジは開花し始めていました。でもほとんどの樹はまだ蕾。

  (サクラの花芽)
     謙信平の駐車場脇にあったソメイヨシノと思われる樹の花芽(画像省略)。先日気象庁が発表した宇都宮のサクラ
    開花予想だと4月1日となっています。太平山の開花期が宇都宮より5日早いとするとこの樹は3月27日に開花する
    か?作者が思っていたのよりずいぶんふくらんだ花芽でした。

  (葉芽と蕾)
     ○アジサイ(ユキノシタ科)   大中寺の参道脇に植えられている樹の平均的な生育の芽。あじさい坂(栃木市側)の
      アジサイの芽もこれと同様。
     ○タチツボスミレ(スミレ科)大中寺に隣接する胸高直径20cmのスギ林内の個体。まだ硬い蕾。
     ○あじさい坂脇のネコノメソウは、まだまだ茎葉のみ。

  (花の大中寺)
     大中寺の境内の様子(画像省略)。白梅は満開。正面のナツミカンの樹にはレモン色の果実がたわわに成っていました。

<観察日  1998/2/11>                           
<観察コース  太平山神社南側の謙信平付近と、六角堂からの遊歩道(首都圏自然歩道)>

  (開花していた植物)           
    ○タチツボスミレ(スミレ科)   謙信平の南側の斜面でごく一部の株が開花していました。 「日本のスミレ」いが      
     りまさし著1996にも、花期は2〜5月となっています。                         
    ○エゾタンポポ(キク科)謙信平の南側斜面の所々に開花。カントウタンポポ、セイヨウタンポポの開花も見られまし
     たが開花数は本種が最も多かったです。  
    ○1月31日には開花していなかった紅梅が5分咲きでした。
    ○オオイヌノフグリは開花が継続中ですが、幼果も見られるようになりました。

 (開花直前の植物)
    ○オランダミミナグサ(ナデシコ科)
  謙信平の南側斜面では蕾が白くなって開花直前の様子です。作者は、昨年
     宇都宮市で、本種は在来種のミミナグサより開花始めの時期が早いことを確認しています。

    *首都圏自然歩道沿いの植物は、1月31日とあまり大きな変化はありませんでした。しかし、マツカゼソウ(ミカン科)
     の葉は白く枯れてしまっているようで、種子もほとんど落ちていました。

<観察日  1998/1/31>                           
<観察コース  山麓の六角堂から、胸高直径30−40cmのスギ・ヒノキ林内の遊歩道(首都圏自然歩道)を経て、
  謙信平まで>

 (開花していた植物)               
   ○キランソウ(シソ科)  ただ一株、謙信平の南側斜面に咲いていました。                          
   ○オオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科) これも謙信平の南側斜面に。開花数は多い。

   *その他、ノボロギク、ノゲシ、スズメノカタビラ、コハコベ、ウメ(植栽)、ツバキ(植栽)などが開花していました。 

 (結実中の植物) 
   ヤツデが六角堂の近くに未熟な果実をつけていました。また、その近くにジャノヒゲが紺色の果実をつけていま
  した。ジャノヒゲは小さな株に結実した個体が多い傾向が見られました。遊歩道内にたくさん生育しているアオキの
 果実は、赤と緑のまだらの状態でした。  
                  

 (ロゼット)
   
○ダイコンソウ(バラ科)  遊歩道内。これを見ると、まるで大根の葉。                            
   ○オニタビラコ(キク科)  六角堂の近く。

 (常緑越冬の限界?)
  左はミゾシダ(オシダ科)、右はジュウモンジシダ(オシダ科)です。どちらも遊歩道内で撮影しました(画像省略)。
 いずれの種とも栃木県南部では同じ場所であっても個体や葉によって、冬期に地上部が枯れていたり緑を保ってい
 たりします。今回、太平山で観察したなかでは上の写真のように、ミゾシダでは冬枯れの個体が、ジュウモンジシダ
 では緑(生きた?)の個体が多かったです。原色日本羊歯植物図鑑(田川基二 1959)によると、ミゾシダは夏緑性
 とされていますが、栃木県内では個体によって一部の葉が緑を保ったまま越冬します。また、同書でジュウモンジシ
 ダは夏緑性に近い、とされています。ジュウモンジシダは栃木県内では、個体によって冬枯れします。
  なお、遊歩道沿いにはマツカゼソウ(ミカン科)がありましたが、葉の一部は白っぽく緑を保ったままで、枯れた花
 序に種子の入った果実を付けていました。