日朝交渉に当たって
                                 杉本 幹夫 2000.11.02改訂

 
北朝鮮との交渉が始まった。北朝鮮は過去についての謝罪と補償を強く求めている。これについての対応について考えてみる。

 日本は細川首相、村山首相の謝罪発言は踏襲せざるを得ない。
しかし北朝鮮は交戦国ではない。日本から分離独立した国である。従って賠償には応ぜられない。
又韓国との交渉経過を無視できない。この交渉経緯より、被徴用者の未払い賃金の支払い等各種請求権問題、経済協力には応じられるが、補償・賠償と言う話は受けられない。北朝鮮に補償・賠償と言うことになると、韓国との交渉に波及する。

当時、韓国は朝鮮全体を代表する立場で交渉に当たった。
1949年韓国政府が、対日賠償要求調書として連合軍総司令部に出した賠償要求額は当時のドル(1ドル15円)で21億ドルプラス各種現物返還であった。一方日本が朝鮮に置いてきた資産は色々な数字があり明確ではないが、在外財産調査会が47年頃まとめた「賠償関係資料」によれば、軍事用資産・個人資産を除き約47億ドルであった。又総司令部民間財産管理局の調査では、軍事用資産を除き、北鮮30億ドル、南鮮23億ドル・計53億ドルであった。(大蔵省財政史室編『昭和財政史。終戦から講和まで』東洋経済新報社)
従って日本が朝鮮に残した資産でお釣りが来るとの判断であった。

又インドが英国から独立したとき、イギリス人がインドに持っていた個人資産は個人に返却された。その例から、日本人個人の持っていた資産6−8億ドルは日本側に請求権があると主張した。一方韓国が1961年具体的な請求権として要求した金額は、日本の証券、通貨、被徴用者の未払い賃金、恩給等8項目の総額は約4億ドルであり、その内3.6億ドルは被徴用者に対する補償であった。十分韓国側の要求にお釣りが来る金額である。

以上の理由により、日本は韓国に補償する必要を全く感じていなかった。従って日韓基本条約では経済協力の名目でお金を支払い、妥結したのである。尚韓国は請求権としてこのように多額な金額を要求しながら、個人に支払った金額は僅か1600万ドルに過ぎない。要するに韓国が個人の被害を言い立てても、この程度に過ぎないのである。日本が置いてきた各種資産と比較して欲しい。

ドイツとの比較から日本は個人賠償すべきだという意見がある。日韓基本条約の後、韓国が戦争による死亡者の遺族に支払った補償金は一人当たり30万ウォン(約19万円)で、これは当時の韓国兵の殉職者に支払われた金額に等しい。この数倍の金が日本から直接支払われたら、韓国政府の立場はどうなるか、韓国兵の殉職者の遺族はどう思うか。そのように考えると軽々に「国家賠償ではなく、個人補償すべきである」との意見には承伏できない。

尚1953年有名な「日本は良いこともした」との久保田発言で決裂したとき、日本の世論は圧倒的に久保田発言を支持した。朝日新聞も「韓国の言い分は無理ではないか」という論文を掲載している。雑誌世界ではこの問題を取り上げていない。国会でも韓国政府の日本批判を取り消すよう求める決議案を満場一致で可決している。

私も韓国・北朝鮮にわびる必要は全くないと思っている。日本が朝鮮を支配することにより、彼らは具体的にどのような被害を受けたというのであろうか。土地の略奪が言われるが、これは併合前から続いている韓国政府と民間の所有権争いで、韓国政府に軍配を上げたに過ぎない。韓国教科書では農地の40%も略奪されたと書いているが、実際は一桁少ない3−4%に過ぎない。姓を奪ったと言われるが、同姓娶らずは民事令の改正でも残っている。姓を残さなければ、「同姓娶らず」はチェックしようがない。日本は姓の他に家族名として氏を創っただけであり、強制がなかったことは道知事に朝鮮名の人が数人残っていることからも明らかである。知事が改名しなくてどうして他の人に強制できるか。3.1事件の残虐さが非難されるが、この首謀者の中の何人かが後に熱血的に日本崇拝者になっていることをどう考えるのか。詳細は「正せ!日韓歴史教科書の誤 謬と偏見」を読んで頂きたい。

謝罪の必要の有無については、同じような支配を受けていた台湾人の評価も考えてみるべきである。台湾は朝鮮に比べ極めて虐待されていた。理由は支那人だからである。例えば日本の村長に当たるポストは、朝鮮では基本的に朝鮮人であった。それに対し台湾では台湾人が登用された例は殆どない。県知事クラスのポストも朝鮮では13人中、常に5−6人が朝鮮人であった。それに対し台湾ではこのクラスに台湾人が登用された例は皆無である。又陸軍士官学校への入学は許されず、創氏改名に当たっても、台湾では日本人と紛らわしくなるとの理由で、資格審査が厳しく、僅か5%位の人が認められただけである。

その台湾が日本統治を高く評価している。その事を韓国人・朝鮮人はどのように考えるのか。中国は広い国である。北京語と台湾語は英語とドイツ語くらいの違いがあると言われる。北京語は台湾では全く通用しない。従って蒋介石政権は台湾人にとり、やはり異民族支配であったのである。その為日本の統治を公平に評価できたのである。その結果同じような条件の海南島との比較で、日本の統治を正当に評価している。それに対し韓国は反日を煽る事により、民族主義を鼓吹し発展した国である。

又戦後数多い元植民地で先進国の仲間入りしたのは、日本の統治を受けた韓国・台湾だけである。シンガポール・香港は発展力の弱い農村部を抱えていないので、同列に比較することはできない。何故この二国だけがこのように発展できたのか。今日アメリカの政策はグローバル・スタンダートとして幅をきかせている。そのアメリカの統治を受けたフィリピンは何故停滞しているのか。

昭和恐慌時、貿易摩擦により、フィリピンは早期に独立を約束された。そしてフィリピン人の自治に委ねた。独立・独立と叫び、一人前になる前に勝手にしろと切り捨てられたのです。アメリカは教育には力を入れた。就学率は朝鮮を上回っていた。しかしこのように近く他の国になる所へ誰が積極的に投資しますか。インフラ整備、工業化ですっかり朝鮮より遅れたのである。

更に日本に併合される前の、韓国政府の腐敗と無施策も考えるべきである。今日の飢えに苦しむ北朝鮮人は、日本時代より本当に幸せになったであろうか。当時の韓国は少数の両班が支配する人治国家であった。法はあって無きに等しく、拷問のひどさは外国人旅行者を驚かせている。1862年の壬戌民乱、1894年の甲午農民戦争と民衆の反乱事件が起きている。両班は働くことを極度に嫌い、キセルに煙草を詰めることまで召使いに行わせている。日本が併合した翌年の予算は、人民からの税収は僅かに2千万円しかなく、日本政府からの補充金千二百万円、公債借入金が千万円という惨状であった。

以上個々の事例では気の毒な事をしたと思われることは多々あるが、全体としてみて、日本の統治は世界で一番素晴らしかったと思われる。従って韓国・朝鮮に謝罪する必要は全くないと考える。

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