所 在 地:兵庫県尼崎市東園田
家族構成:夫婦、息子、娘
構造規模:木造在来工法 平屋建
敷地面積:413.85m2
建築面積: 23.60m2
延床面積/ 22.70m2
建ぺい率: 45.21% 容積率/ 53.67% (既存含む)
用途地域:第二種住居地域
設計期間:1989年 2月〜1989年 6月
工事期間:1989年 7月〜1989年11月
写真の住まいは、木造二階建ての既存の住まいに、新しく離れを増築した時のものです。
この離れは、子供さんの成長に伴い、御主人が使っていた書斎を子供室にすることから、
趣味である重装備のオーディオを持つ御主人のAVルーム兼書斎そしてゲストルームなど、
多目的に使われる室として計画されたものです。
間口2間、奥行き6間半の細長い既存建物の南側に残されていた庭(空き地)をいっぱい
に使い、手前に、内と外をつなぐ中間領域的なデッキ空間をしつらえ、それに廊下を沿わせ
て奥の離れへ渡るという趣向で設計しています。
この中庭的なデッキ空間を設けたことにより、写真(内観(1))手前にある既存のダイニング
ルームに、自然の光と風を十分取り込むことが出来、またこのダイニングルームの延長とし
て、季節のいい晴れた日には、気軽に戸外での朝食を楽しむことが出来るようになった。増
築前よりもかえって、囲われたことによる落ち着きと空間の広がりが感じられ、既存建物にゆ
とりと豊かさを生み出している。さらにこのデッキ空間は、東側に隣接したご両親の住まいの
南庭の緑を望める縁側的空間ともなり、南庭を介して、この二つの住まいをつなぐくつろぎの
場ともなっています。
たった一室の増築でも、既存建物や庭との関係をよく読み、工夫することによって、住まい
全体にゆとりと豊かさを生み出すことが可能です。この増築の発想の原点には、昔からの町
家に見られる離れがあった。このしっくい塗りの離れは、音響室の設計と言うことで、採光・
通風に配慮しながら、少し開口部を絞り込み、夏でも涼しい土蔵造りの蔵を感じさせる内部
空間となっている。
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