この住まいは、大阪府の高槻市と島本町との境界に位置する上牧の閑静な住宅地の一角
に建っている。この辺りは、京都府の大山崎にも程近く、北に北摂の山並みを望み、南は
少し離れた淀川へと続く平坦地となっている。また、高槻から京都にかけてのこの地域は、
冬の寒さがやや厳しい所で、その対応が計画上の一つのポイントとなった。
この建物の大きな特徴は、出来るだけ自然の健康素材を使ったことと、もう一つは、高
断熱・高気密・第3種換気(自然吸気・強制排気)という少し機械仕掛けのシステムを入
れて、24時間自動換気を行い、室内空気をコントロールすることが出来る住まいとして
設計していることである。もちろん、季節のいい時期には、窓を開放し、自然の風を取り
込めることは、一般の住まいと同じである。
内部空間のゆとりを得るために、一階居間の一部は2層分の大きな吹抜空間を取り、こ
の吹抜空間に継がる2階の廊下上部には、南からの自然光が差し込むハイサイドライトが
あり、その光は、北側の個室にも十分届く仕掛けとなっている。建築主の強い要望で実現
した人工環境化システムではあるが、自然の木と和紙と塗壁の落ち着いた内部空間は、外
の自然の光と気配をも取り込み、住まう人に、ゆとりと安らぎを与える上質な住まいとな
っている。
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