この建物は、恵那峡で知られる岐阜県恵那市の西方約６kmの丘陵地にある。
この丘陵地は、同県が工業団地「恵那テクノパーク」として開発を行ったとこ
ろで、周辺は緑が多く、北に木曽御岳、東に恵那山、遠くは南アルプス連山が
望める豊かな自然の中に位置している。近年、道路交通網の発達と、情報化社
会の進展、それに大都市周辺部の地価の高騰は、工場を内陸部へと移している。
本工場も、東大阪に本社を置く、プラスチック成型を中心とした厨房機器関連
メーカーで、今回、この恵那の地に、生産体制の拡充を図るべく新工場を設置
したものである。
工場は、プラスチックの成型工場棟と、鈑金・塗装工場棟の二棟から成って
いる。塗装工場は、１・２階を通して全長４００ｍの粉体塗装ラインが納まっ
ている。二棟は大きさが異なるものの、周囲のゆったりとした自然に調和する
ように、デザイン・ディテールを統一し、シンプルな相似（TWIN）のＢＯＸと
してまとめた。また、工場内は、機器も含めた色彩計画と、トップライトから
の自然光により、明るい作業場空間となっている。
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