この建物は、淀川右岸に展開するパブリックゴルフコースを持つ企業のオフィス兼
クラブハウスである。周辺は、田畑の残る調整地域で、この建物のある一角には事業
所が建ち並んでいる。敷地は一辺が約21mのほぼ正方形に近い形状で、南に約4.
0mの前面道路があり、残り三方が事業所に隣接している。
計画に際しては、唯一開放されている南面の道空間と、その前に広がる田畑や蓮池
を取り込んだ外部空間を如何に構成していくのかが、一つの大きな主題となった。建
物は、地階RC造・地上S造の3階建で、1階がフロント事務室・ホール・更衣室・
洗面・浴室、2階がレストラン及び厨房、3階がコンペルーム及び役員室・会議室等
となっている。地下階は、電気室・機械室・受水槽・倉庫・車庫があり、更に半階下
がって浄化槽が収められている。
設計に際しては、6mx6mの正方形グリッドを基本の骨格とし、その中に緩やか
なカーブを描くガラスブロックウォールを挿入させることで、空間奥行きと変化のあ
る展開、そして動きを生み出そうと意図している。
隣接する事業所の風景を遮断しながら南面に開き、その南面のガラスブロックウォ
ール・スクリーンの曲面に沿って、道空間を引き込むようにアプローチ・前庭空間が
しつらえられている。それに続く正面左の骨格の壁と、曲面壁との間に生じたスリッ
ト空間には、2階レストランへ導く屋外階段が挿入され、空間に動きと変化を与えて
いる。これら骨格の壁及び飛梁によって緩やかに囲われた外部空間は、道空間や前に
広がる田畑・蓮池と共に呼応し、心地よい中間領域を形成している。
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