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  本作はベルトスクロールタイプ、つまり横スクロールのアクションで、
  カプコンの「ファイナルファイト」などと似たゲームであると言える。

 

  さて私の遊んでみた感想だが・・・・・どうも爽快感に欠けるのである。

 

  もちろん、チェーンソーを利用してのアクションは派手であり、まとめて倒した時に
  飛び散る血だって心地良い。だが、これはあくまで制限時間付きの特殊な攻撃法である。

  普段はとんでもなくリーチの短い通常攻撃で、ぽこぽこと敵を殴っていく———
  こちらこそがメインであり、いささか「地味」という印象を受けたのだ。

 

  私としては、通常の時点でチェーンソーほどの破壊力を持ち、
  チェーンソーを取り出したあかつきには、それこそ画面全体に影響が出るほどの
  攻撃を期待したかった。さらに投げ技だとか、もっと見た目に凄い技があっても
  良かったのではないかと思う。

 

  また本作にはどちらかというと、耐え忍んだ後にチェーンソーを使用し、
  まとめて敵を葬る
戦略が要求されるのである。

  好き勝手に暴れていれば良い、というわけではないのだ。

  “スプラッターアクション”というタイトルを聞いた際に私が抱いたイメージとは幾分
  隔たりがあったので、個人的にはあまり満足できなかった・・・。

 

  ただし、それはあくまでアクション面に限った話。

  本作では、他にも注目すべき要素が沢山存在していたのだ。

 

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  まずはデザインの面。 随所で、開発者の並外れたセンスをうかがい知ることができる。

   ショップの内装とか素敵〜

  グロいものからカワイイものまで、多種多様なキャラクター達。

  彼らの挙動を見るだけで、けっこう楽しいものがあった。

 特に凄い5BOSS。質感のリアルさが半端でない。 

 キャラの総数は20以上にもなり、その大半が他と全く異なった容姿を持っている点を考慮すると、

 やはり「凄い!」と感心させられてしまう。2000円のゲームでよくぞここまで・・・。

 

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  さらに、各ステージのBGMがとてもカッコイイ。私の知っているゲームサウンドで例えるなら、
  若干ライトな感じになった「ギルティギア」、といったところだろうか。

  ゲーム中、サウンドテストが無いのがとても残念!

  (ただしポーズ中にもBGMが流れる仕様になっている)

  曲でも、相当楽しませてくれるゲームだと思う。

 

  そして見逃してはいけないのが、ゲーム性を一変させてくれる隠し要素だ。

  例えば「ガスゲージ常にMAX」という項目をONにすれば、
  私の望むような、チェーンソーでひたすら暴れまわるようなゲームに変貌する。

  この状態で敵がEASYの倍くらい出てくるHARDをやると、実に楽しいぞ。

 

 

  加えて言及しておきたい。見る者を「えっ!?」と驚かせる内容の真エンディングについて。
  詳しい内容については語らないが、私はあれから様々なことを考えてしまった。

  *そもそも、老夫婦を襲ったのは本当にジャゴットの手下だったのか?

  *かかしは、ジャゴットに操られはしなかったが、本当に老夫婦を慕っていたのか?

  なんにせよ、本作に相応しいブラックなエンディングであることには間違いない。
  あの真エンディングから、スプラッターアクションの世界をより広げることもできよう。

  数年後には、かかしがあの世界を支配していたりして・・・(笑

 

 

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  このように、総合的に見るとかなりよく出来た作品だと思う。

  EASYでプレイするぶんには「短い」とすら感じたステージ構成も、
  NORMAL以上なら程よい長さであった。いたるところでバランスがとられているのだ。

  流石に、繰り返し、繰り返し遊ぶのには向いていないと思うが、

  わずか2000円のアクションゲームであるという大前提を忘れてはならないだろう。

  SIMPLEシリーズとしての役割を充分果たし、さらに値段以上の輝きを見せてくれた本作は、
  間違いなく良作であると判断します。

 

  本作を投げ出された方も、隠し要素出現の裏ワザを利用して、

  再度プレイしてみることをオススメします。ゲームの見方が変わるかもしれません。

 

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 (C) 2004 Vingt-et-un Systems (C) 2004 D3 PUBLISHER

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