津山「むかし町並み」を歩いて見る 頁 - 9 -
   
街道から小路に

街道を横丁に入ると別の趣があり面白い。 ともすれば表通りの散策だけで終わってしまいそうだが、 辻々に建てられている道標に刻まれた小路の名に誘われてその由来を想像しながらゆるやかな坂道を登ってゆくと 神社仏閣が点在していて静かな佇まいとなっている。

「大隈神社」と「大隈小路」

左は大隈神社の神門で津山場内にあったものを移築したものである。 薬医門様式と呼ばれる建築様式で、本瓦葺の切妻造りの屋根を二本の主柱と二本の控柱で支えており、 乗馬のまま通行できる高さと剛健な太い柱が城門であったことを窺わせる。
右は神門を通して眺めた「大隈小路」で、 この坂道を下りきると「出雲街道」に出る。左に行くと「箕作阮甫旧宅」「旧梶村邸」があり、 右に行くと「大曲り」を通って「作州城東屋敷」「刈田酒造」などの町並みに至る。

「上之町」界隈

出雲街道の北側は小高い丘になっていてそれぞれの小路は なだらかな坂道となっている。坂を登ると東西に延びる通りに出るが、この界隈が「上之町」で通りに沿って武家屋敷の名残をみせる屋敷が点在している。
寅さんシリーズ48作「紅の花」で光男が結婚式場に向かう恋人を阻止しようとして車で道を塞ぎ騒動を起こすシーンはこの辺りで撮影された。

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