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入口を入って直ぐに鍵方に迂回すると広いる石段があり、これを上がりきると三ノ丸の広場に出る。
右手には小動物園があって檻の中で数羽の孔雀が思い出したように羽根を広げ、別の檻では猪が飽きることなく同じ動作を繰り返している。
広場の南側には「鶴山館」と呼ばれる資料館があり城に関する様々な資料が展示されているが、この建物はかっての藩校であったものをここに移設したものである。
小動物園に向かう左手に広がっている石段を上がると直角に左折して二ノ丸に上がる。
ここから見上げる石塁の上が本丸で平成17年に完成した「備中櫓」が美しい姿を見せている。
築城400年を記念して復元された櫓で白い壁が真新しい。
「鶴山城」は石塁の荘厳な佇まいが見事だ。精巧に切り出して積み重ねられた石塁の稜線がなだらかな曲線をなして裾に広がりをみせており、当時の石工職人の技量が偲ばれる。
築城に関わった職人達は近江ノ国(大津市)から来た戸波平左衛門が率いる石工集団であったそうだが、これほどに夥しい石を切り出して
運んできて積み上げたことを思うと完成までに12年の年月を費やしたことにも合点がゆくし、「院庄」から馬を駆って連日のように通って築城の指揮を執ったと伝えれれる忠政の度量も偲ばれる。
二ノ丸に上がって石塁を左に見ながら東に進むと本丸に上がる石段がある。鍵折れに続く石段を登りきったところが本丸で平坦な広場になって
いる。左手の前方に二ノ丸から見上げた「備中櫓」があり、その先に一段と高い石塁がみえるがこれが天守閣跡で、かってはここに五層の天守閣が聳え立っていた。
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