Discography
HERB ALPERT & THE TJB ↓邦題
1962 The Lonely Bull 悲しき闘牛 衝撃のデビュー作。マリアッチ風のイージーリスニングをあみだした。が、まだ、それに固まっているわけではなく、セカンドシングルはアルバム未収録の女声コーラスをフューチャーした「mexican drammer man」だったりする。
1963 Herb Alpert's Tijuana Brass, Vol. 2 バルセロナの風 当時はノーヒット、ブレイク後大ヒットとなる。マリアッチ風を踏襲し、これで行こうと決意しているのがうかがわれる。が、まだ、ジャズとの融合はない。
1964 South Of The Border 国境の南 メキシカン・シャッフルがCMソングでヒット。この辺で、サウンドが固まってきている。主に、長調のメロディを、軽快にジャズっぽく演奏する。ジュリアス・ウェクターのビブラフォンが実にいい
1965 Whipped Cream And Other Delights ビタースウィート・サンバ 「蜜の味」で大ブレイクを果たした。日本ではさらにオールナイトニッポンのテーマとして「ビター・スウィート・サンバ」がスタンダードナンバーに。短調の曲を軽快なリズムで演奏するやり方を試み、成功している。
1965 Going Places ティファナ・タクシー 後に7年間つづく正式メンバーのデビュー作。再び、長調路線に戻ったが、ラテン風味は抑え気味で、ジャズっぽい演奏となっている。非常に楽しい。
1966 What Now My Love そして今は 全盛期の勢いある時期に出した余裕の一発。
1966 S.R.O. ワーク・ソング〜黄金のトランペット 本国では早くに廃盤となったが、日本では長く続いた。短調路線を行く邦題の表題曲が、地味な感じがあるが、全体的には、ハッピーサウンド路線。「メキシカン・ロードレース」がいい。
1967 Sounds Like... 悲しみの町 007シリーズの「カジノ・ロワイヤル」を中心にした大ヒット作だが、なぜか、本国では、最も早く廃盤に。原題はバカラック風のサウンドという意味か。この頃になると、得意のビブラフォンとのハモりがちょっとやり過ぎな感じも。
1967 Herb Alpert's Ninth レッツゴー・カルメン 非常に、彼のシングル盤が、売れていた時期のヒット満載作。全体的には、いつもの路線を踏襲している。が、「バッドの想い出」など、かなり聴き応えのあるナンバーを含む。ラストの表題曲は、ドラマチックな大作で、自らのヒット曲多数引用。が、最後のクラクションの音が冴えていないのだけが惜しまれる。
1968 The Beat Of The Brass The Beat Of The Brass 彼の最大のシングルヒット曲「ディス・ガイ」(なんとボーカルナンバー!)をフューチャーした作品。「スリック」など路線変更の試みが。
1968 Herb Alpert & The Tijuana Brass Christmas Album クリスマス・アルバム かなり、ジャズっぽいクリスマスアルバム。
1969 Warm WARM ブレイク後、初めて商業的失敗に終わった作品。激しさ、軽快さが抑え気味で、なごみ路線の
演奏となっている。この作品を、最高傑作と呼ぶ人も、多い。
1969 The Brass Are Comin' ザ・ブラス・アー・カミン 本国ではイマイチ売れていないが、日本では「マルタ島の砂」の大ヒット(オリコンでなんと4位に入り、30万枚も売れた)を受け、よく売れた作品。
1970 Herb Alpert & The Tijuana Brass - Greatest Hits 初期の5枚から選曲したベストアルバム。日本では未発売か。ローカルヒットの「ビタースウィート・サンバ」が当然入っていないので、ちょっと、日本での印象と違う。
1971 Summertime 「エルサレム」など、のちのディスコ調を彷彿とさせるナンバーも含み、次へのステップを図っていたかもしれない。このあと、ハーブはカーペンターズなどの大成功を受けて、A&Mレコードの副社長としての仕事が多忙となって、やや寡作となっていった。
1972 Solid Brass ソリッドブラス 後期の正式メンバーによる作品を中心にまとめたオムニバス。なお、この作品の発表前に対象アルバムのかなりのものが廃盤となっており、ライナーノーツの記述が悲しい。
1973 Herb Alpert & The Tijuana Brass - Foursider 2枚組のLPとして初期から後期まで網羅したベストアルバム。日本未発売。
1974 You Smile - The Song Begins 音楽は君の微笑み 多忙な社長業の中で、正式メンバーとは少し違ったメンバーで発表した3年ぶりの作品。本来のハッピーサウンドを少し含むが、フュージョンへの傾倒がうかがわれる。商業的には失敗らしい。
1975 Coney Island コニーアイランド さらに、メンバーを、マイナーチェンジして作ったアルバム。ジャズの要素が強い。ヒットしなかった。一応ラストアルバムとなった。
1977 Herb Alpert & The TJB - Greatest Hits Vol. 2 後期中心のベストアルバム。なぜか「ビタースウィートサンバ」も収録。
1984 Bullish ブリッシュ 84年に10年ぶりの再結成と銘打って出したアルバム。メンバーは替わってるだろうと思われるが、よくわからない。ディスコ調である。
1987 Herb Alpert & the TJB -- Classics Vol. I  同左 A&M25周年記念アルバム。ベストアルバムである。
2005 Lost Treasures
(distributed by Sony music entertainment)
同左 主に71年以降74年ごろまでの未発表曲と、一部既発表曲からなる、ハーブ自身の選曲による編集盤。当時のA&Mの状況を反映していて、バカラックナンバーが多い。3年間も新譜を出さなかった時期は、謎に包まれていたが、セッションは行われていたことがわかる。
HERB ALPERT & HUGH MASEKELA
1978 Herb Alpert/Hugh Masekela  ハーブ・アルパート/ヒュー・マサケラ ジャズトランペッターを目指しながら、ポップスの世界で活躍した二人の共演による、ジャズアルバム。ハーブがトランペット、ヒュー・マサケラがフリューゲルホーンを担当。
1978 Main Event Live 上記のアルバムの勢いを受けて作ったライブアルバム。こちらは、フュージョンの要素が強い。
HERB ALPERT
1976 Just You And Me ついに、ティファナブラスの名を外した、ソロデビューアルバム。が、「ライズ」がソロデビューと思う人も多いほどに、あまり語られることが少ない。 スタンダードナンバー「YANKEE DOODLE」を除く、全10曲中9曲がハーブの自作書き下ろし。こぢんまりとした作りで、シングルヒット狙いの作品がなく、まだ方向性を探っていたのかもしれない。
1979 Rise ライズ ソロデビュー後初の大ヒットアルバム。これで、彼は、再び、ヒットチャートに復活した。ディスコ調で、ジャズの要素は薄い。
1980 Beyond ビヨンド 前作のヒットを受けて、これに、電子音楽との融合を試みた。
1981 Magic Man マジックマン 前2作の、かなり勇ましいサウンドから、やや路線変更して、なごみ路線へ。廃盤が早かった。
1982 Fandango FANDANGO ティファナブラス時代を彷彿とさせる、楽しいサウンドに立ち返った作りの作品。ラテン、ジャズの要素が非常に強い。表題作の他に「ルート101」もヒットしているが、それ以外でも後半、特に最後のラテンメドレーは秀逸。
1983 Blow Your Own Horn レッドホット 前作のラテンジャズ風味を残しながら、ディスコ調に それを投影している。ラテン文化圏向けには、選曲を変えてあったのは有名。これも入手。
1985 Wild Romance ワイルドロマンス 「8ボール」をフューチャーしており、フュージョンである。
1987 Keep Your Eye On Me キープ・ユア・アイ・オン・ミー A&Mの25周年を意識した、非常に、複合的な要素の強いアルバム。ゲストも非常に豪華で、ジャネット・ジャクソンをボーカルに起用した「ダイヤモンド」は、全米6位の大ヒット。ジミー・ジャム&テリー・ルイスのプロデュースにかなり任せきった作り。しかし、本来の作風のものと混在させてあり、全体としては、バランスは取れていて、楽しい作品となっている。
1987 Classics -- Herb Alpert Vol. 20 同左 25周年記念ベストアルバム。
1988 Under A Spanish Moon スパニッシュムーン なごみ路線に戻り、さらに、このあと当分続く、エドゥ・デル・バリオとの共同製作の第一作。
1989 My Abstract Heart マイ・アブストラクト・ハート 前作の延長上にある作品。地味な印象がある。
1991 North On South St. ノース・オン・サウス・ストリート ブラックミュージックを意識したポップな作品。
1992 Midnight Sun ミッドナイトサン 「スタン・ゲッツに捧ぐ」という副題を持ち、この直前に亡くなった、スタン・ゲッツ(ボサノバ風ジャズの大御所)のラストアルバムをプロデュースした後、本作を制作。いつものサウンドとは一変し、完全にジャズである。
(All previous recording on A&M Records)
1996 Second Wind (on Almo Sounds) セカンド・ウィンド A&Mがポリグラム傘下に入ったため、ゲフィンに移籍して作った作品。前作から4年を経ている。作風的にはフュージョンに戻っている。
1997 Passion Dance(on Almo Sounds) パッションダンス ラテンジャズであり、ティファナブラス時代を思い出しながら作ったという。勿論、今日風に解釈してあり、60年代風ではない。
1999 Herb Alpert & Colors(on Almo Sounds) 未発売 日本未発売に終わった。どうしたものだろう。輸入盤で入手。
2001 DEFINITIVE HITS(on A&M Records) 未発売 ティファナブラス時代から、ソロに入ってからの作品まで、A&Mに残したヒット曲を網羅したベストアルバム。タイトルが何となく気になるが・・・。日本盤が出ず、しかも、輸入盤の、日本国内の品薄も気になる。