「そうだ。コミティアに参加しよう」

・・・・・と思い立ったのは、昨年のいつ頃だったでしょうか。

　詳しくは思い出せませんが、"ついんLEAVES"のエンディングを決めるアンケートを募集した時には、すでに決めていたはずです。

　ノーマル・エンドだと作者的に座りが悪いから、トゥルーエンドを書いてコミティアに出そうと考えたのです。
(ちなみに投票でトゥルーエンドが選ばれたら、裏ヒロインである九重清歌のエンディングを書くつもりでした)

　ともあれ本編を書き進めながらコミティアの申込をしたり、コンテンツの内容を考えたり・・・・・・

　密かに企画を進めていました。

　予定ではコミティアの二週間前から、自由時間を集中して作業に注ぎ込むつもりでした。

　が、

　ここで社会人によくある「仕事絡みの障害」が発生。

　お返しにイベント直前の休暇をもぎ取って中和、「何とかなるな〜」と思ってました。

　・・・・・・・・・・イベント一週間前までは。

　週末、

　仕事を終えてくつろいでいた時。

　ＴＲＲＲＲＲ．．．．．．．ＴＲＲＲＲＲＲＲＲ．．．．．．．．．ガチャ。

神有屋「はい、○○ですが−」

？？「あー、ワタシだ。Ｏ×市の」

神有屋「伯父さん！　どうも、ご無沙汰です」

伯父「親はいるか？」

神有屋「はい、いますけど．．．．」

伯父「ちょうど良かった。法事がある」

　・・・・・・・・・・・・・・・ハ？

神有屋「・・・・・・えっと、伯父さん・・・・・・・

　それ、"用事がある"じゃなくて・・・・？」

伯父「はっはっは！　そのツッコミを待ってたんだ♪」

神有屋「シャレ言ってる場合じゃないでしょーがっ！！」

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　言うまでもないと思いますが、上記はもちろんフィクションです。

　仏様絡みでこんな冗談を飛ばしてたら、良識を疑われます。

　ともあれ予定は急変更（法事は冗談じゃなくリアル）。

　貴重な週末が丸々潰れてしまいました。

　事実上、金土の二日間でＣＤの焼き上げまで持ってく羽目に陥ったわけです．．．．

　平日の間に原稿を書き進め、告知を出し、パッケージを書き、風邪を引き−

　待ちに待った週末がやって来ました。

　突貫作業の始まりです。

母親「え、今日、お休みなんだ？　写真の（デジタル）取り込みしてくれる？」

神有屋「ふざけろー！！」

　こっちは切羽つまってるのに、ネガフィルムの９６００ｄｐｉ取り込み（←死ぬほど時間かかる）なんてやってられますか。

　ワープロソフトとＨＰデザイン・アプリを立ち上げ、気分転換を兼ねて作業を切り替えながら、同時進行で進めていきます。

　最終回を書き進め．．．．

　ちょっと詰まったら、コンテンツデザインを考え．．．

　時々、絵も描いたり．．．．

　もう一回、序盤を見直して．．．．

「そういえば、あそこのリンク処理が変だったな．．．？」

　カチッ←クリック音

「ウソだろー！！？？」

　まだセーブしてないよっっ！！

　こんな事を何回も繰り返しながら、日が暮れ、日が昇り、また日が暮れ．．．．

　何とか最終回がまとまって．．．．

　ほっとした神有屋は、風呂に入りました。

　ざっぱーん。

　すでに八時を回っています。

　小窓から見える外は真っ暗。

「ふ〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・」

　なんとかなりそうだな・・・・・・・

　ﾋﾟﾁｮﾝ・・・・・

　あー、ほっとした・・・・・・・・・

　ﾋﾟﾁｮﾝ・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

　ﾋﾟﾁｮﾝ・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・そういえば」

　ざばあっっっ！！！

神有屋「この時間ならまだ店がやってる！」

親「あれ、ずいぶん速い風呂−」

神有屋「ちょっと買い物！！」

親「え！？」

　ＭＴＢ（マウンテンバイク）にまたがり、電器店に急行−

　無事にＣＤ−Ｒを購入できました・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　・・・・・・・・はい？

　「ＣＤ−Ｒのストックくらい持ってないのか」って？

　もちろんありますよ、２０枚くらい。

　けど、ドラム買いのメディアです。

　メディアをドラム買いするようになって久しいので、ＣＤケースなんて全然なかったのです。

　ともあれ、ＣＤ−Ｒは用意できました。スリムケースのパックが特価で１００円引きしてまして、国産メディアのわりにお得でした。ラッキー☆

　・・・・・・・それはいいけど・・・・・・・・・

　俺って、風邪ひいてたよな。

　湯冷めに急な運動、さらに室内→屋外→店内→屋外→室内の激しい温度変化と、

　体調悪化原因のスクランブルエッグ。

　翌朝、声の調子がおかしくなったのは、このせいだと思います。

　ちょっと心臓に悪かったものの、これで一安心．．．．

　ネット用ＰＣを立ち上げ、予約数の最終確認をします。

　画像コンテンツは揃っているので、次はパッケージです。

　とはいえ、こっちは問題ありません。

　パケ絵はＨＰに飾るくらい出来上がってますし、カットも用意できてます。

　デザインにあわせて文章をはめこめば、それでＯＫ。

「なんとかゴールが見えてきたな・・・・・」

　パッケージの最終稿をセーブ。

　テスト用紙をセットしてプリンターを起動−

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　さ−−−−−−−−−−−−−−−−−っ

　と、音を立てて血の気が引きました。

「やかましい！　わかっとるわ！」

　待て、待て待て自分。

　プリンターに怒鳴ってもしょーがない。

　たしかインクの買い置きがどこかに・・・・・・・

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　がさがさ

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　ごそごそ

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　がさがさ・・・・・ゴトン！

「痛っ！」

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「・・・・・・・・・・あ゛」

　あったぁーっ！！

　ビデオテープとＤＶＤの隙間に、まっさらのインクが紛れ込んでました。

　用意のいい自分を褒めてやりたい気分です！

　・・・・・その直後に「もっと整理整頓しろよ、自分」と考えて落ち込むのですが、それはともかく−

　プリント開始！

　がーっ　がーっ　がーっ

　打ち出されたパッケージをさっと見ます。

　印刷ズレや発色の問題もなし。

　ＯＫ！　本番プリント、スター・・・・・・・・・・・・・・

　・・・・・・・・・・・・・・。

　・・・・・・・・・・・・・・。

「ＮＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯ！！！！！」

　すでに午前０時を回っています。

　電器店なんてドコもやってませんよ！？

　ど、どーしよっ、どーしよー！？

「いや待て、落ち着け、落ち着け、落ち着け・・・・・・よし、落ち着いた」

　とにかく紙、紙が必要です。

　紙、ペーパー、Ｐａｐｅｒ・・・・・・

「あ、トイレットペーパーあったな・・・・」

　一瞬だけど足が動いて、次の瞬間セルフツッコミ。

「トイレの紙に印刷できるかよっ！！」

　ぜんぜん落ち着いてませんでした・・・・・

　それから数十秒後。

　コンビニに駆け出す神有屋の姿が目撃されましたとさ．．．．

　それから−

　プリントしたり、

　両面印刷が出来なかったり、

　ケースに合わなくて刷り直したり、

　とつぜんリンク修正が２００箇所以上と気付いて青ざめたり、
（購入されたお客様は、これをどうやってゴマカしたかご存知でしょう（＾＾;）

　まだ色々とありましたが、思い出したくないので省略。

　空が明るくなる頃に、ようやくマスターアップに辿り着きました。

　いえ、掲載コンテンツをばっさり切り捨てる悪行を「マスターアップ」と呼べれば、ですが。

　とはいえ、そろそろタイムリミットが近付いてます。

　サークル関係者の入場時間は１０時まで。それより前に会場に入らねばなりません。

　現地までの所用時間を逆算すると、余裕はあまりない。

　画像レタッチソフトを起動、プリント中に考えていたサークル看板を５分ででっち上げ、ついでサークル名ポスターも３分で用意！

　すげえ！

　すげーぞ自分！

　なんて安直なデザインだ！

　（参考→去年の秋トップ絵）

　徹夜ハイの脳みそで自賛しつつ、プリンターにＡ３用紙を突っ込んで印刷開・・・・・・・・・

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　紙が入んないよ・・・・？

　ガチガチ。

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　ガチガチ。

　・・・・・・・・・。

　ガチガチ。

　・・・・。

　勘弁してくれよ！！

　用紙ラックのガイドが何かを噛みこんじゃってるみたいです。

　Ａ４サイズ以上に広がってくれません。

　な〜んて、今だから冷静に語れますけど、その時は額に青筋が走ってました。

　だってまだＣＤ焼き上げてないんですよ？

　それなのに、ポスター二枚がゴールへの道をジャマしてるんです。

　「このプリンタぶち壊せばすっきりするかなー」と思っても、無理からぬ事でしょう？

　・・・・・・・・あ、「先にＣＤ焼けよ」ってツッコミはなしで。

　当時は睡眠不足でマトモな精神状況じゃなかったんですから。

平常でもマトモとは言いかねますが。

　結局、給紙ラックを無視して手挿し印刷。長さ４２センチにおよぶＡ３用紙の手挿しなんて、生まれて初めてでした。

　・・・・・・・・・・できれば、これで最後にしたいです。

　がーっ　がーっ　がーっ　がーっ　がーっ　がーっ

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

　がーっ　がーっ　がーっ　がーっ　がーっ　がーっ

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

　がちょん！

「うん、８分でつくったにしては上出来！」

　インクを乾かしてる間に道具を揃えて、スポーツバッグに放り込んで、ネットにお詫び文を出して・・・・・・・・

　よし、出発！

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　会場で、お客様にお渡しする前にＣＤを裏返したりしたのは、生ディスクかもしれないという危惧が（かなり本気で）あったからなのでした。

　そしていよいよ、会場の東京ビッグサイト。

　時間ピッタリの２分遅れくらいで入場し、自分の配置場所に入りました・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

　かなりオマヌケなトラブルが続発したものの、何とかここに辿り着くことができました。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

　なんというか、大きな事をやり遂げた気分。

　ちょっと感激・・・・・

　感激のあまり、そのまま帰って乾杯して寝たくなりました。←ﾏﾃ

　・・・・・・・・・それは冗談として、

お店をつくってーの、

看板立ててーの・・・・と。

　いよいよ販売開始です！

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

　販売開始はいいんですけど−

　何かその後、終了時間までがミョーに短かったんですよね・・・・・

　いま思い返しても、「お客様と、お話しした・・・？」（←最後の？マークに注意）くらいしか記憶がなくて・・・・

　たぶん、脳みそが九割がた死んでたんじゃないかと思います。

　体は起きてましたよ？

　イベントが終わったら、手元にこんなのとかこんなのが置いてありましたから。

　まあ、接客は神有屋の中の人が上手くこなしたみたいですから、問題ないでしょう。

　・・・・・・・・・・・・・・・。

　・・・・・・・・・・・・・・・。

　問題・・・・・・・・なかったよなあ・・・・？（ﾎﾞｿﾘ）

　というわけで、その後の記憶はひどく曖昧ですから、コミティア６７のレポートはここまで☆

　最後にあらためて、お越しいただいたお客様に感謝を・・・・

　"ついんLEAVES　えふ・い〜"のためだけにコミティアにいらして下さったお客様、

　イベントと出張のタイミングが合ったという、京都から来られたお客様、

　「続きを楽しみにしてます」とお声をかけて下さいましたお客様、

　そして全てのお客様へ・・・・