コミケット65 レポート 03/12/30(火) 晴 強風 東京ビッグサイトにて開催 |
04/1/5
皆様こんにちは。レポしか御覧になられない方には「あけましておめでとうございます」(笑)
吹き荒ぶ海風の中、冬のコミケットに行ってきました。
当日早朝、所用で外出した神有屋は、外気の冷たさにビックリ。イベントに向かう時もそれなりの装備を整えました。吸湿発熱性のインナー(寒冷地用)とか。
・・・・・・・・・・・・・ええ。
甘く見てました。コミケを。
暑いっっっ!
ただでさえ蒸す人ごみの中、外気から遮断された館内はほとんど小春日和。
天窓から届く陽光を浴びた作家様は、「暖かいねぇ〜」「うんっ」とホノボノしてるおられましたが、
こ っ ち は そ れ ど こ ろ じ ゃ あ り ま せ ん。
汗で溺れそうになりました(−−;
結局、サークル巡りの途中でガマンできなくなり、風の吹き込む開口部で休憩。
涼し〜〜〜〜〜♪
と、一息いれていたら、すぐ近くのサークル様、全身ゴテゴテに着込んだ売り子さんが叫びました。
「さむいーっ!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
何といいますか・・・・・・・天国も地獄も、ココにありますな。
色んな意味で。
・・・・・・と、前置きはこれくらいにして本題に入りましょう。
今回の注目作品
誌名の五十音順。
" "内が誌名、( )内が同人作家様とサークルのお名前です。
青文字と茶文字が神有屋のコメント、緑文字はあらすじっぽい内容です。
書名 | お名前 サークル名 |
コメント | |
あ行 | "あおぞら" | 新瀬 進様 そらかぜ工場 |
新瀬様の新刊は、雨を探して旅を続ける二人の物語。珍しく(?)読者サービスのシーンがあります(w 年の後半(特に入稿日にかけて)多々お有りだったご様子。そのため、本文のみ中折16ページで表紙なしという珍しい装丁になっています。 |
”Earth line” | しゅんぺい様 ラヂカルコンセント |
蒼に染まる星、崩れ落ちる大地、消えていく世界.... 穏やかな視線で終末を迎える人々を描いた、切ない物語です。 神有屋的 冬コミの当たり作品♪ |
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”雨宮君とカナコちゃん” | すたひろ様 すたひろBOX |
すたひろ様が”魍魎の匣”に影響されて描かれた連作4コマ。 ちょっぴりブラックな味付けなのは、やはり元ネタが京極夏彦先生だからでしょうか。 読む人を選ぶ内容かもしれませんが、ギャグは面白かったです。 |
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”鬼 ヲイツメ 爪 設定&原画集” |
maruto!様 |
今回の新刊は18禁ゲームの原画集でした。未成年者は見ちゃダメ。 表紙の可愛さと裏腹に、中味は過激なものばかり(−−; |
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"おねがい!! 薬女ちゃん 巻之九" |
雑器様 サークルまんてん |
上子(かみのこ)町に宿る女神様を中心とした、ほのぼの短編連作。 薬女ちゃんの大変身にビックリです(^^ いつもの巫女服を汚されてしまった薬女ちゃん、今日だけ服を借りて”今ドキの女の子”に。 |
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か行 | "撃林弾雨 タニア・モンド 4" |
水 清十朗様 NICE・LANDING |
水 清十朗様のアクションコミック第4巻。第六話の後編です。 今回の相手は、魔法も銃弾も通用しない水の神! 主人公の意味深なセリフが興味深く、静と動のメリハリがきいた娯楽作品に仕上がっています。 |
さ行 | ”The BABEL'S the fifth”(暫定版) |
瀬峰正重様 オリハルコン |
”The BABEL”シリーズ第五作。 今回は印刷が間に合わず、コピー誌にての領布となりました(後日オフセ版も刊行されるそうです) 「生存とは 記憶される事也」 |
"Shangrila シャングリラ" |
伽守宮あきら様 SepiaMosaic |
プロを目指しておられる伽守宮あきら様の、ネットゲームを題材にしたコミック。某出版社への持ち込み作品とのこと。
主人公はちょっと内気な高校生。 |
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"Still Emotion #1" | Lazy8様 麦原ぼうし様 FunifuniFesta! |
FunifuniFesta!のお二人による合同誌。ハートウォーミングな短編が掲載されています。
”十年後の午後に”は、心の通じ合った二人の会話が、読んでいて心地よかったです。 |
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は行 | ”徘徊者”1&2 ”人工骨” ”自殺者の森” |
鰓モガリ様 前歯ブギ |
どれも猟奇色の濃い、短編コピー誌。 これまた人を選ぶ物語ですけど、物語といい絵作りといい、最近ではあまり見られないじっとりした味があります。 神有屋的 冬コミの当たり作品その2です♪ |
"BLACK MARIA 「アルトヘイム」事件" |
あづま零治様 VARIETYPOT |
エクソシストのメリッサとクラウスを主役とするオカルト・シリーズ。 今回はアクション色が強くなっています。 町で続発する”神隠し”事件。 新しい守護霊、ロリコン・フェミニストのクラウスさんにはぴったりでは(w |
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ま行 | "猫罐茶壷 花" (マオグァンチャフー) |
恒乃 理様 ENDER'S SHADOW |
恒乃理様の、中国茶の喫茶店"猫罐茶壷"を舞台とするコミック、第二弾。 可愛らしいネコミミキャラによる、中国茶入門になっています。 キャラがあまりに楽しそうに飲んでいるので、神有屋も中国茶を買って来ちゃったり.... |
ここからは一口メモです。
・「牙画狼」のたきざきまみや様
初単行本がフランス語版という凄いことに!
残念ながらコミケは、重度の風邪のため急遽参加を中止されたそうです。
お大事に・・・・
プライベートがとても忙しかったご様子で(詳細はあとりえそもれ様の日記をご覧下さい)、今回の新刊はM I Dの設定本とペーパーでした。コミックは次回とのこと。
・「ホランドテラープロダクション」の松平惟光様
・「荻野屋」の荻野 仁様
お二方とも、今回はリメイクでした。
旧版と見比べて、省かれていたコマ、描線、セリフなどを探すと、マンガ表現における作家様の優先順位を想像できて、興味深いです。
(製作時間が有限である以上、内容の取捨選択は不可欠です。
その場合、ピックアップされるのは必然的に、作家様にとって重要度の高い部分になります。
新旧二稿を見比べることで、「この作家様は何を描きたいのか」を推測するわけです)
ちょっとディープな楽しみ方...(^^;
・「山下組」の山下真守様
今回は一次、二次創作を織り交ぜた、10年間にわたる原稿の再録本でした。
ご本人も後書きで仰ってますけど、下ネタが.....(^^;
・「夕暮れ剣士」のMax様
新刊は”ZIKIL”の続きでした。けど、今回はさらにページ数が....
・「自動人形」の吉田トオル様
・「蒸気亭」の浦瀬潮路(うらせ しおじ)様
お二方とも、神有屋が伺った頃には新刊の領布を終了されていました。
おめでとうございます。
・余談
「世の中には、知らないほうがよい事がある」
今回購入したファンタジー系の作品を読んで、そんな言葉を思い出しました。
古代史の人名や単語は、語感が良かったり不思議な印象を与えるので、ファンタジーと良く合います。神有屋もたいへんお世話になりました。
ただし中途半端に意味を知ってたりすると、それを勝手に作品に投影してしまい、作家様の意図を読みとれなくなる危険があります。
特に元ネタと物語中の扱いが正反対だった場合、脳内で何かがガラガラと....
昔、悪の親玉が偉そうに「陶器のカケラ」とか名乗った時は笑ったな〜(^^; 雰囲気ダイナシやん....
冗談はともかく、読者もただ読むのではなくて、先入観を持たず純粋に作品を感受する、そういう努力が必要なのかもしれません。
(これは同人誌の話で、商業誌の作品は除きます。商業作品は売り物ですから、どんな読み方をしようと常に客が正しい)
はい、今回のレポートはここまで!
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました!