ボランティア活動をしてみませんか?

  <ボランティア活動>
 授業で、大学生の皆さんにボランティア活動の話をすることがあります。毎週の各授業ごとに、新聞紙面やテレビ等の報道・ニュースをネタにして、授業の導入にしていくというのがパターンになっているのですが、時々、私自身の活動や「一週間の過ごし方(ニュース)」などを話題にすることがあります。ようするに大きな「教育」関係の時事ネタがないときになのですが、様々なボランティア活動や地域活動をしているために、そういう「現場」の話をとりあげることもあるわけです。そういう話をすると「私も興味がある」「情報をほしい」という反応があります。

 先日も、私と同じ横浜在住の学生さんから「(ここの)ホームページをみればのっているのですか?」との質問をいただきました(200412月)。せっかくの機会なので、簡単にここに「ボランティア活動」について記していこうと思います。

 

ボランティア活動は「自主的」なものか? 義務化すべきか?

 現在の「教育改革」の方向性として、「ボランティア・奉仕活動(体験)の義務化」が一つの話題になっています。賛成・反対の両意見がありますので、様々な議論を参考にして考えていきたいとは思います。いちおう中央教育審議会答申では「義務」「強制」とならないようにして「きっかけづくりとしては必要だろう」と把握されています。しかし東京都やいくつかの県で今後、「奉仕体験の義務化」が実施されていくようです。議論の中には「ボランティア」は「自主的なものなのだから」と、その本義との違いを問題にする主張があります。それはそのとおりだと思います。「きっかけが必要」との主張も、それはそうだろうと思えます。「奉仕体験の義務化」であって、たまたま「内容がボランティア活動」なのだという運用のしかたも、そこからきているのでしょう。わかりにくいですよね・・・。この問題。

 私は、「評価されるためにするものではない」とは思いますが、「評価されたらうれしいし価値はあるもの」として、素晴らしい行為として認められるのはいいことだと思います。まぁ、個人で認めていればそれでよいと思うのですが・・・。それで、実は「教育」や「学校」という考え方と同じく考えれば、また違った見方ができるのではないかと思うのです。つまり、「つくられたもの」として考えていいのではないかと思うのです。「学校」とはつくられたものですが、ちゃんと「良い方向」にいくようにつくられたのであればいいし、その方向に進んでいくものであればいいと思うのです。だから安易な改革とかでなく、本来の意味を問わないといけないと思うのです。「教育」だってつくりものですよね。言葉が拙いというのならば「人為的」なものですよね。だから「責任」が重大なのです。「つくりもの」「フィクション」というと感じが悪いなんて「感じる」人には言いたいのですが、なぜ「つくられたもの」が悪いのですか? 「社会」だってそうじゃないですか? だから逆に重要なんだといいたいのです。話が長くなりますので、簡単にいいます。「ボランティア」や「地域の活動」への参加もたしかに「自主的」なものです。「参加」は決めるのは皆さんです。しかし、もしそれが「活動」として「形」「ルール」「計画」なりがあるなら、それはちゃんと「考えられた(つくられた)」ものなのです。どうやって考えられたかは様々ですが、少なくとも募集していて「参加」できる活動というのならば、それは「ボランティアとしての参加者」の力を活用して何かをなしとげようという「企画」(としてつくられたもの)なのです。・・・これは重要なことだと思います。

 つまり、あなたが「参加」しようとするその活動には、もうすでに「意味」も「目的」もあるし、それに参加して活動したあなたは「評価」も受けるし「貢献」もしているのです。「なんでもいいからやってみたい」というのが「最初」は多いと思いますが、その「なんでも」に意味があるのを知ると、「私は何かのために役立つことができている」「社会の一角を支えている」と実感できるのではないでしょうか? もちろんそれで胸をはれとか、周囲に話していくとかではありませんが、実は、ちゃんともともとやっていることには「意味があるのです」。「ボランティアをやることに意味がある」とするより、もっと具体的な意味がそれぞれにある。

 「教育効果」をねらって「義務化」するとかの話しはここではこれ以上は避けておきます。また、単独での人助けも尊いものですが、ここのページでは「学生さんが参加してみたいので情報がほしい」というのに応えるタイプの「活動」を記していくという制限があることをおことわりしておきます。

 

最近まで関わっているボランティア活動

 ここ数年、地元の横浜市で参加してきたものをまず紹介します。

 

「オールクリーン外国人墓地」に参加(2001年9月15日、2002年)
「第21回 横浜市少年洋上セミナー」に同行乗船(2002年)
「第7回 野島クリスマス・キャンプ」に参加(2002年)
「第8・9回 野島クリスマス・キャンプ」に参加・参画(20032004年)

「子どもの居場所事業(文部科学省委託事業)」に参加・参画(2004年)

 

 @「オールクリーン外国人墓地」は、横浜のシンボルでもある山手の「外国人墓地」を清掃するという活動です。年間に3回ぐらい開催されます。毎年、5月、7月、9月ぐらいでしょうか。草がのびる季節にやるのですね。私が最初に参加したのはこれです。情報は市の「広報」に載りましたし、図書館などにもチラシが置かれていました。実は私の祖母は外国人墓地にねむっています。それで偶然にこの活動を知りました。一日だけ、清掃だけの活動で、参加しやすさもあります。500ぐらいの人数の申し込み・参加があります。気軽に、草むしりの手伝いのようにして参加できて、ボランティア体験第一歩としてもいいかと思います。それで、すごく役に立ちます。だって公園管理というのはすごくお金がかかります。おまけに墓地です。個人の問題もあって管理の難しさもある。ところがここの墓地は「無縁」なものだってある。歴史的で国際的ですから。だから全体が綺麗になっていきにくいですよね。草が伸び放題になってしまいかねない。それでいて、ここは「市」の象徴的な場所でもある。「予算はないけど、なんとかしたい」。この難問を解決するのがボランティアのパワーなのです。・・・そういう「企画」なのです。参加することで、市も助かるし、自分達の地域の歴史や資源をまもることにもなる。ちゃんと「助け」になっているのです。もちろん、すごい人数が集まるので、常連の人たちや市の関係者らも加わって、効率的に、具体的にいえば「班」に分かれて掃除する場所を決めてやっていきます。午前中だけの活動で「おつかれさま」という声しか見返りはありません。しかし、「助かっている」ところは必ず存在しているのです。

「班」に分けられたり、しきられたりするのが嫌いだと思う人・・・。「災害ボランティア」だって効率的にやった方がいいでしょう? より助かるのではないでしょうか? 実はこれも「社会」のつくりかたなのだと思いますよ。

(*同ボランティア事業は2004年から、市及び外郭団体の事業ではなくなり、旧ボランティア・スタッフと墓地の関係筋・檀家筋が中心となっての活動となっているそうです)

 

A「少年洋上セミナー」は横浜市内の中学生対象の「海上・船上体験」です。宿泊で客船に乗っての船旅をしながら、仲間づくりや創作活動などをするというものです。中学生にとっては「学び」の場ですね。市内の中学生を対象に募集して、500人ぐらいの定員があります。それで、「学生」さんも「リーダー」として参加することができます。「リーダー」とは「中学生(隊員)」を率いる「班長」のような存在で、60〜70人の学生さんにリーダーになってもらい、各7〜8人の隊員を率いて活動してもらいます。「安全」のためでもあるし、異年齢交流にもなる。教師と違って若いですしね。リーダーにとっては教育実習的な効果もあります。またリーダー同士で助け合いながら成功させていくのも、貴重な機会となっているようです。活動の内容は、船に乗り、食事でマナーを学び、話し合いで各班ごとに文化祭のような催しの出し物を企画し、あとはスポーツ大会や自然観察、上陸したならば史跡見学などを行ないます。

ちなみに、リーダーは公募して、面接して選ばれ(県外の人間でも大丈夫です)、また何度か研修を受けます。ですからこの活動は「当日のみ」の活動ではありません。子どもの活動に関する知識、技術、レクリエーションの方法、心理学の基礎的なこと、ルールやセミナー全般に関すること、などを宿泊も含めて事前に研修を重ねていく、おおがかりな企画でもあります。大人はその「研修」に関わり、あとはスキルを学んだリーダー(青年)が隊員(中学生)を導きながら楽しい時間を過ごすというものです。これによって、中学生は楽しく学び、交流を通して成長していくことが期待されています。学区の違う新たな友だちができ、自分の身のまわりのことを管理できるようになって、また身近な先輩のふるまいから学んでいくことができる。それによって「横浜市」という地域への愛着がわいてくるようです。もちろん一緒に頑張る学生さんたちも、得難い体験ができているようです。

 

B「野島クリスマス・キャンプ」は、市内の個別支援学級に通う子どもたち(小学校5年生〜中学3年生)の宿泊しての交流体験の機会として実施されているものです。大学生以上のかたに「当日ボランティア」として参加してもらって、子どものペアになってもらって一緒に活動をしてもらいます。自閉症の子どもが主体ですが、学校以外の「かかわり」体験の場が必要なのに、なかなかないのが現実です。それを実現するためにつくられたのがこの事業です。ボランティアは事前に一日、子どもとの顔合わせとともに「障害への理解」などを含む研修を受けます。保護者のかたとの交流もできますので、すごく貴重な話をきける場ともなります。私も最初の参加で、すごく学ばせていただけました。ちなみにボランティアと子どもがマンツーマンというより、やはり「グループ」になりますので、助け合い、フォローしあいながら交流や情報交換もできます。活動の内容は、料理をつくってクリスマスディナーを演出しながら楽しんだり、工作をつくったり、また夜はなんらかの出し物などを楽しんで、翌日はウォークラリーをしたり、など様々です。私は2年目から準備する側に入れさせていただきました。企画を考えたり、主体的にボランティア活動をつくっていく機会をいただいています。毎回、学ぶことが多くあります。

 

以上、3つは「横浜ボランティア協会」が主催している事業です(現在では「横浜市青少年育成協会」となっておりますし、@は独自に、またAは別の企画にとなっています)。横浜市の広報には普通に載っていますし、ホームページなどにも情報が掲載されていきます。新聞も市域版のページに情報が掲載されます。

ちなみに、@「オールクリーン外国人墓地」は当日のみの活動で、何度でも参加できます。数回開催されるので参加しやすいかと思います(*現在では事業主催が変わりましたので情報や機会をみつける必要があります)。A「少年洋上セミナー」は夏(8月)が本番ですが、事前に数回研修があり、参加する義務があります(子どもの安全にかかわりますので)。すごく楽しく学べるとの反響が大きいのですが、実は一度しか参加できないという規制があります(指導者は別)(*現在では別のプログラムになりました)。B「野島クリスマス・キャンプ」は事前に一日とあわせて2日間の参加となります。11月終盤に事前研修、12月中旬に本番の宿泊となります。何度でも参加できるし、何度も参加するかたも多くいます。学校の先生方もたくさん参加されますので交流する機会にもなります(Bのみ、2006年度も同様に実行されます)

 

C「子どもの居場所事業(文部科学省委託事業)」は全国でもはじまったばかりですが、横浜市につくられた「コミュニティークラブ」というものに参加しております。基本的には「放課後の子どもの居場所」をつくろうという企画で、文科省がずっと行なってきている「体験活動」推進の一つではないかと考えております。横浜のこの「子どもの居場所」を最初につくったのが「横浜教育支援協会」(磯子区根岸)というところでして、「YCC」という略称のもと、数十カ所の「居場所」が設置されています。各場所独自に企画がされていて、内容は「英語教室」「コンピュータ教室」「太鼓体験」「スポーツ活動」「料理教室」「駄菓子屋の屋台」「ミニFM局」だったりと、本当にバラエティに富んでいます。もちろん「自由」に時間をついやせる場所は公民館や図書館など、様々あります。そこに体験活動などが含まれているという・・・「たんなる場所ではない」というのが、この事業の特色ではないかと思っております。それで、同じくこの事業も「子ども」「地域」のためにあるわけで、参加・活動してくれる学生さんを募っております。ちなみに交通費程度ですが謝金が出るというが特徴の一つでもありますが、それは文科省から委託されて、本来地域でやっていかねばならない「教育事業」を担ってもらっているという性格ももつわけです。このようにボランティア活動にもいろいろなものがります。

 

 

横浜市内のボランティア情報・機関など 

 ◆コーディネーターのいる場所(「横浜市青少年育成協会(横浜ボランティア協会」の施設)




 

横浜市市民活動支援センター

231-0062 横浜市中区桜木町1−1−56
  みなとみらい21クリーンセンター5階
   電話 045−223−2666

・・・同センターは「桜木町」駅から徒歩5分ほどのところにある「市民活動」を支援する機関・施設です。綺麗で便利、設備が充実しています。ボランティア活動の情報照会などもこちらのセンターにお世話になっております。書籍や情報が整理されています。

 

横浜市青少年交流センター
220-0032 横浜市西区老松町25

電話 045−241−0673

・・・「野毛」にある同センターでは「スポーツ」「文化」活動を行なうスペースがあります。近隣地域の小学児童・中高校生が集まって活気のある施設です。京浜急行「日ノ出町」駅から徒歩6分。「桜木町」駅から徒歩10分。中央図書館のそば。学生さんがここに来ている子どもたちと関わるボランティアも可能かと思います。

横浜市青少年育成センター
電話 045−662−3716

・・・「関内」にある同センターはボランティア事業の会議室として利用されることが多く、お世話になっております。音楽スタジオや「資料」「記録」なども充実しています。関内駅から徒歩5分。「関内ホール」の地階です。

横浜市青少年研修センター
236-0025 横浜市金沢区野島町24−2 野島公園内

  電話 045−782−9169

・・・「野島」(金沢区)にある同センターではクリスマス・キャンプ等の活動でお世話になっております。宿泊やレクなどの活動に便利です。スタッフの皆さんが親切で助かります。金沢八景駅から徒歩15分。

 以上はすべて「社団法人 横浜ボランティア協会」は「(財)横浜市青少年育成協会」にと組織がえとなりました。そこの管理・運営する施設です。「市民活動」や「ボランティア活動」に関する情報やノウハウ、また資料の提供など相談にのっていただけます。そういうコーディネート事業が充実しているのが特徴です。相談窓口に親切なコーディネーターさんがたくさんいます。活動をしていこうという皆様には、ぜひ一度ご相談してみることを(来所や電話での照会等)おすすめします。

 

  その他

 その他の情報についても順次、更新していきます。またリクエストや質問はメールできいていただいてもお答えします(できる範囲ですが)。→mailto:koga1999@mti.biglobe.ne.jp