生徒指導・進路指導論J(2002年6月28日)

 

前回の講評(サイコドラマについて−略−)
 
何が足りないのか? 親身になるとは何か? 有効な活用のしかたは?
2、役割演技による理解の練習−サイコドラマ−
 即興の劇を演じることで、心理的に仮想(疑似)体験によってその状況を理解するという精神療法の方法論の一つ。「役割演技」を意識的にすることで、相手の気持ちになりきって気づかせる練習にもなる。『不登校児童がいる家族の風景−朝−』
 「問題を解決する」という意識をもって考えていくには有効な方法ではないか?

 

●「登校拒否/不登校」とは何か?


▲「不登校」児童数の変移
「増加傾向」か? 「増加率減少」か?
1992年に「誰にでもおこりうる問題」
マスコミでの注目度?
      ↓
   解決されていない?

 

1 登校拒否・ひきこもりの背景 時代とともに変化してきている。その背景として考えられるもの・・・

@少子化による人間関係の変化、崩れがみられること。

A地域社会の教育力の低下。

B学歴社会、幼児早期教育による新しいタイプの学力優等生の息切れがみられること。

C効率化優先の社会によって、競争原理の社会と家族の論理との間でゆがみ=矛盾が生じ、家庭内弱者の子どもに不登校やいじめ、援助交際などの症状があらわれていること。

D父性と母性の問題として、父性が昔のように受け継がれたり実子とのかかわりで機能しないように社会が変わっていることと、母性との問題として母子密着や過剰適応の問題があること。

 

2 タイプ別見分け方の一例(「不登校」という状態の多様性)

学校生活型、非行型、無気力型、情緒混乱型、 意図的不登校、複合型、その他

★不登校の理由・・・小学生−家庭生活・親子関係、中学生−学校生活・友人関係、学業不振

 ▲児童個人におけるの回復の過程(という状態の多様性)

  前駆期 要因(きっかけ)進行期混乱期(ひきこもり期)回復期 再登校期

 

●「不登校」の問題−「運動」にとどまらず、不登校児童の多様性に対応できているか?−

 ▲<研究傾向>「不登校」か「登校拒否」か?

 ★アプローチ

 (1)その構造を対象とする理論的・解釈的な研究、

 (2)特定事例を対象としてしぼった追跡型研究、

 (3) 質問紙法等による全体数量把握のための統計的調査研究、

 

3 現実的な対応(→「社会に適応させる」のか?)

 民間・・・フリースクール、フリースペース、夜間中学、予備校、山村留学

 学校・・・サポート校、心の相談室指導員、スクールカウンセラー

 行政・・・適応指導教室、児童相談所

 

  不登校に関する文部科学省の主な施策

 ●不登校児童生徒に対し柔軟な対応を行なう観点からの施策

  ・適応指導教室の整備

  ・不登校児童生徒の適応指導総合調査研究委託−スクーリング・サポート・プログラム−

  ・出席扱いについての措置

 ●授業がわかりやすく子どもたちが進んで登校したいと思えるような学校づくりをめざす観点からの施策

  ・教育課程の基準の改善

  ・教員の資質向上

  ・教育相談体制の充実

  ・学校・家庭・地域の連携

 

  以上について説明し、不登校についてのリアクションペーパーを配布→回収