生徒指導・進路指導論J (2002年12月20日)
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@ガイダンス |
エクササイズと理論をつなげる方法・・・これまでは単純な場面のみであった
サイコ・ドラマ
・即興の劇を演じることで、心理的に仮想(疑似)体験によってその状況を理解するという精神療法の方法論の一つ
<期待される効果:ねらい>
@「役割演技」により、役割の気持ちを理解する。
A「劇」をみることで全体に問題が伝わる。
B即興(予定調和的でない)によってよりリアルに問題視をできる。
C演技がうまくいかなかったとしても、それがなぜかを振り返ることでさらに理解は深まる。
D「家族療法」としても意味がある。
Eもちろん「シナリオ・ドラマ」という方法もありえる。
●本日の実演! タイトル 『不登校児童がいる家族の風景−朝−』
●家族の構成→父(女学生)、母(男学生)、お爺さんかお婆さん、子ども1、子ども2(子どものどちらかが不登校の設定、性別はどちらがどちらでもいい)、先生(生徒指導)
計・6人 (いちおう二世帯の家族を構想してみた)
※役柄の性格設定(立場、キャラクター)・・・まかせる。話し合ってきめる。(数分間)
(例)母は心配。登校強制派。父は子育て放棄派、ゆえに母におしつける。でも子どもには甘い。祖父は「まぁま
ぁ」と言ってなだめる。弟は「みっともない」とクール。先生は熱血教師だけど強引。・・・等。
★ストーリー |
※(本日のねらい)とにかく、なんで不登校になったんだろう? そう心配、悩むことを、劇の中で考えてみましょう。
資料・・・不登校について(これまでにみてきたこと)
学校生活上の影響 あそび・非行 無気力 不安など情緒混乱 意図的な拒否 複合 その他 |
タイプ・ひきこもりに陥る気質→おとなしい、まじめ、完全主義、神経質、感受性が強い、気が弱い、責任感が強い、内向的、強迫的な考え方(不合理な思い込み)、融通のきかない人(正義、節操ある人)
● ひきこもりの少年Aくんの場合・・・小学校で水泳の強化選手だったが、中学校入学後、不登校になりひきこもる。本人の証言→「いじめられた」、「自分の匂いが気になる」、「強くなくては生きていけない」、「親を不幸にしている」、「他人は信用できない」、「そういう僕は社会に出られない」。
● 不登校児(中学2年生)をかかえるお母さんCさんの場合・・・専業主婦で子育てをしてきたが中2で不登校になった長男にショックを受けている。本人の証言→「私が手をかけてきたつもりだが育児に失敗した」、「中2なのに、もうこの子の人生を駄目にしてしまった」、「私はダメな母親、親失格である」、「夫にもうしわけない」。
今日は授業の体系化と、そしてエクササイズと理論とをくっつける方法論として「サイコドラマ」を応用してみた。いままでの理論はバラバラだし、エクササイズも断片的であった。両方が必要とやってきたけど、実は体系化されてなかったのですね。しかし、実際に空論じゃなくて可能なのか。それを可能にする方法としてサイコドラマというのを応用してみました。なかなか頑張ってくれたし、それなりにやってみて意義があったかなと思います。 |