生徒指導・進路指導論H2002年12月6日)

今回は「グループワークとウェビング」の方法を試してみました。集団の意見をまとめるということを「考えて」いただくのが目標です。

 

   グループワークの方法論(共有と納得)




 

復習:「PEACEメソッド」→「学校ぐるみ」で問題解決にあたり、地域や家庭と連携していくことは「難しい?」それとも「あたりまえ?」→そのための五段階の、長期的・計画的な進め方。「生徒」に主体的に参加してもらい、共通意識を高めていく→「学校が変わる!!」
・・・「ストレス性」の問題を解決するには、それを「コーピング」(社会的抱擁)で少なくしていくのが一番!!

 <目的>問題を共有する→実感してもらって自分たちの「問題」ととらえなおす→納得する方法を探す

 

実験? 「私語」撲滅キャンペーン!?

 

(3)あなたなら、先生にどう指導されたらいいと考えますか?

●「わからないことで話してるなら先生にききなさい」●私語をさせないような授業。●「うるさい!」ではなくて「周囲に迷惑をかけてることを考えなさい」と言う。●ついしてしまうが悪いとはわかっているので普通に「静かに」と。●きつく注意すべき。●すばやく話しに入ってきりあげさせる高等技術。●目の前に来て直接やめさせる。●なぜダメかをしっかり説明する。●喋り終わるまで黙っている。●少し待って、止まらなければ「勉強したい人もいるのだ」と注意。●かなりあるのなら授業にも責任、引きつける授業をするか叱る。●授業が大切かをわからせる。●たまに注意にのみ全力をつくし、あきらかにたる気の感じられない教員がいるのも事実。●近くによる。●その生徒をあてて、自身に気づかせる。●授業中に質問をして考えさせる。●2・3回注意してダメなら出す。●怒るのではなくて、私語に周囲が迷惑することや、授業中の私語という行為について考えさせる。●話すのは自由だけど一生懸命話してる先生や聞いてる生徒に迷惑でしょう?●強く注意すべき、しつけも大切。●やわらかい物腰で言われるとどなるより効く。●怒ると雰囲気が悪くなるのでさける。●好き嫌いがあるからすべてをひきつけるのは無理。●常識のある普段の教育が大切。●どなられるとその後その先生と距離が遠くなる。●名前をよんで軽く怒る。●名指しで厭味っぽいのはやめてほしい、傷つく。●どなると授業中断や全体責任っぽい。●「ここは重要だから静かにして〜」といわれると自分のために注意してくれてると思う。

  前回同様に以上を「貼り紙」(一つ一つの意見を)にして黒板に貼って、全体にみえるようにしていった。「板書」でもいいが、「貼り紙」だと動かして変化させることができるということを紹介したが、次に、(4)の質問を「貼り紙」で作成して、それを「黒板上」に貼っていった。

 

(4)私語をなくすには? どんな方法があるか?

●授業後に課題を提出する授業。●こわい先生が授業をする。威圧感。●ハードな体育の後に授業。●ディスカッションぽい授業。●リスニングみたいに集中して聴かないとわからなくなる授業にする。●みんなが興味ある授業。●無駄話しは減点、単位をとれなくする。●私語をする生徒を外に出す。●少人数授業。●顔と名前をおぼえる。●席を指定する。●私語の時間をつくる。●私語の人に指名する。●授業の導入の部分を工夫する。●ひたすら板書をつづける。●ききとれるかどうかギリギリの声で話す。●罰を与える。●生徒をじっと見る。●板書は最低限にして大事なことを話す。●文字を小さく。●点数をマイナスにして出席のかわりにする。●私語チェック係を決め、あげてもらう。「みんなからそう思われている」といわれれば少なくなるか。●生徒に私語を考えさせる。授業中の私語をどう思うか問う。●「言ったことすべてがテスト範囲」●先生が歩きまわる。●一度徹底的におこるとなくなる。●皆の前で自己紹介させて、あらかじめ私語役の演技でその迷惑をわからせる。●スピード感のある展開のはやい授業。●前もって「私語をしたら退出」といいそれを実行する。●パソコン画面(モニター)を書き写させるスピードがはやく、私語など無理。●私語が悪いことだとわからせる。●席順を決めて座らせる。●生徒にランダムにあててスキを与えない。●クラスで「静かにしましょう」大会。景品を出す。●先生がよくしゃべる授業ほど私語も多いのでは。●静かになるまでだまる。●先生が退出。●本人の理性を問う。

  以上は「全員」の中から出た「意見」である。それを「貼り紙」にして掲示し、次にそれを動かしていくことでさらに「考え方」「意見」を深めていくことをデモンストレーションした。これを「構造化」という。なお、一個人の頭の中で「考察」を深めていくときにも、このような「整理」と「納得」が行なわれているのではないか。

 

構造化の一例。いわゆるKJ法やウェビング法も同じようなかたちで行なう。

基本的に同質の意見をまずまとめていく。系統づけて整理し、次にその意味を考えていく。対抗概念と対置させ、新たな問題点が出たら記していく。












 

新しい問題点が出てきたら、「それ」への意見をさらにうながし、またカードや板書として掲示しながら「動かし」ていく。

 

 

 板書全景

 

  以上のデモンストレーションを参考に、6人組(一部7人組もできた)で仮想ディスカッションをした。(25分間)

最後にこれ自体が、仮想で「PEACE」をやっていることになる(全体で共有していく)のではないかと気づきにもっていった。

リアクションペーパーを回収。