生徒指導・進路指導論F(2002年11月22日)
今回は「観念」の健康・病的という話から、文部科学省の「心と行動のネットワーク」というものを読み込んで、次回のピース・メソッドにつなげていくことにしました。
1 「学校・家庭・地域の連携」という制度改革
少年の問題行動等に関する調査研究協力者会議『心と行動のネットワーク』2001年
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→「学校・家庭・地域の連携」などは「やっている」「あたりまえだ」との反応がある。しかし今回の答申の意味するところは「従来のレベルの連携」ではない。
具体的には・・・
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→つまり「文部科学省」「教育委員会」という教育行政のみではなく(これが従来型)、警察・家庭裁判所領域(これが「地域」)、厚生労働省領域(これが「生活・家庭」)とも連携とるのだといっている。→「縦割り型」を断つというのがその骨子にある。
なぜなら・・・
一見おとなしく目立たない児童・生徒が突然キレて暴力行為を引き起こすといったタイプの問題行動への対応が必要である |
従来のやり方では対応ができなくなっていると認めている
Þ @心のサインを見逃さない(予防の視点)、Aこれまでの「情報連携」から「行動連携」という具体化
少年非行の波(戦後)−−@(昭和26年をピーク)終戦後の秩序混乱期、A昭和39年をピーク高度経済成長期の都市化を背景とする混乱、B(昭和58年をピーク)初発型非行や校内暴力、暴走行為など、C(現在)低年齢化、残虐化というよりいきなり型・ストレス型 |
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家庭の状況→しつけができていない |
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学校の状況→生徒指導体制が十分機能していない |
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社会全体の状況→大人の規範意識の低下、環境劣悪化 |
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*「児童生徒の様々なトラブル等について、学校からも家庭からも進学先の学校に情報が伝えられていないなど、連携が不十分なケースがあった」 |
以上の答申について読み込んだ。
2、PEACEメソッド 次回、詳しくやります
例)「教員」の反応(教職員研修会から)−−演題「具体的な予防的指導と連携の方法について」
滝充のPEACEメソッド (参照★滝充『学校を変える、子どもが変わる』時事通信社、1999年)
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・子どもの課題について教職員の共通認識をつくりだし、共通の目標設定をし、計画的・継続的に子どもに働きかけていく、子どもや保護者の協力も得ていく。 |
→反応「あたりまえのことをいっている」「現場を知らないのだ」「もっと現場をみてほしい」など・・・
3、背景要因としてのストレス状況
◆ストレッサー(ストレスの原因)・・・学校、家庭、教師、友人、親との関わりやできごと
◆ストレス・・・心に負担がかかって心理的にひずんだ状態。身体的・抑鬱・不安感・不機嫌・怒り・無気力等の様々な症状がある。
◆コーピング・・・価値観、社会観、対人能力等で、ストレス要因(ストレッサー)からストレス症状に、またはストレス症状の状態から問題行動(不登校やいじめ、非行等)にうつる時に、その結びつきを促進したり抑制したりする働きのこと。
◆問題行動・・・不登校、いじめ、非行等の結果として表れた行動
4、いじめ、不登校、非行対策としての「学校ぐるみ」対応
<例えば>
・P●「いじめ」をなくすには? 学校ぐるみで対応していく意識づくり、コンセンサス。年間計画。
→E●学期初めより生徒への告知。保護者への告知。毎週の対策会議、全体会議。研究、講演など。クラスごと活動。
→A●生徒会活動と連動、全体集会、学年集会、クラス対応策の検討。行事実行(キャンペーン)など。
→C●公約実行期間。問題意識をつねに明確にしていく。ゼロ週間など。
→E●活動の成果、反省、評価。次の課題設定。