生徒指導・進路指導論A(2002年10月11日)   (古賀 徹 koga1999@mti.biglobe.ne.jp)

 

前回の内容:不登校、校内暴力、いじめ、少年犯罪などの事例を紹介し、そういう「教育問題」への対応も学校で教師が行なうものであり、実際の場面で多くみられるということを話した。うまくいっていて問題がなければそれこそ「問題ない」ので特に指導が教員養成に必要とされなかったであろう。そのような経緯で10年ほど前に必修とされることとなったが、その生徒指導が現在効果をあげているか、そうでないのかということを考え、現在必要とされる「生徒指導・進路指導」はどのようなものなのかを全員で考えていくようにした。過去の生徒指導を自身受けた立場で考えてみれば、それが共通したイメージ・指導観がみられることもわかった。また「日本型生徒指導」ともいえるような形式が存在したのではないか。「服装の乱れは心のみだれ」などのスローガンやテレビの場面を紹介した。

:ガイダンス、(1)「生徒指導・進路指導」とはどのようなものか?

@生徒指導・進路指導論は新しいもの?

A「生徒指導」はなぜ必要となったのか?

1970年〜80年代の「子どもの荒れ(教育問題)」への対応

     消極的生徒指導→積極的生徒指導

臨時教育審議会の改革路線・・・(教育改革の要請)社会の変化や児童生徒の多様化への対応の必要・・・豊かな生活体験と人間関係を。自己教育力の育成、基礎基本の重視と個性を生かす教育の充実・・・・・平成元年学習指導要領改訂 ・・・心身未発達や幼児性人格、ひきこもり等の問題→→問題行動の把握のため
昭和63年12月、教育職員免許法改正 平成2年4月入学生から「特別活動」「生徒指導」が教職単位必修となる

 

<今回・・・>

 B「生徒指導」の定義と政策

 生徒指導とは Education Guidance 

         Guidunce for Junior High School Pupils 

  School Guidance and Counseling
















 

 すべての児童生徒それぞれの人格のよりよい発達を目指すとともに,学校生活が一人ひとりにとって有意義なものとなるよう,生徒指導の充実に努めています。
 最近の児童生徒の問題行動・学校不適応については,いじめを苦に中学生が自殺するという痛ましい事件が発生するなど,いじめの問題が極めて憂慮すべき事態となっています。
 また,校内暴力及び登校拒否も増加傾向にあり,一方,高等学校中途退学者も相当数にのぼっています。
 これらの原因・背景は,学校・家庭・社会それぞれの要因が複雑に絡み合っていると考えられ,この問題の解決を図るためには,学校・家庭・地域社会の一体となった取り組みが必要となっています。
 文部省は,生徒指導について,(1)児童生徒の個別の問題行動に対する緊急の対応,(2)児童生徒の生活体験,人間関係を豊かなものとする積極的な視点に立った指導の充実の両面から,生徒指導資料の作成・配布,生徒指導講座等の教員研修の実施や,教育相談活動推進事業の実施など教育相談の充実,学校における「スクールカウンセラー」の活用についての調査研究,国立教育会館へ「いじめ問題対策情報センター」の設置,登校拒否児童生徒の適応指導教室事業,児童生徒を豊かな自然環境に移動させて行う集団宿泊活動を通じ,心身ともに調和のとれた健全な育成を図るための自然教室推進事業や奉仕体験,生活体験等の体験学習を推進するためのいきいき体験活動モデル推進事業,道徳教育の充実等種々の施策を講じています。

 

 C「進路指導」とは何か? Career Counseling

 進路指導・・・特別活動、学級活動・ホームルーム活動の中の「将来の生き方と進路の適切な選択に関すること」の活動。・・・@進路適性の吟味、A進路情報の理解と活用、B望ましい職業観の形成、C将来の生活設計、D適切な進路の選択 等。・・・生徒に将来の進路を自ら選択する能力を養う。

 

 

 D教員の活動としての「指導」

 学校内におけるシステム校務としての指導

<校務分掌>

 A.教務・・・

 B.総務・・・

 C.進路・・・

 D.生活指導・・・@生徒部・生徒指導係→→頭髪、風紀、問題行動への対応等。 A生徒部・生徒会

 E.社会福祉・・・

 

 Eどのような指導が必要だろうか?   ※管理主義か、自由決定主義か?

  1・校務(公務)としての生徒指導・進路指導−−従来はこれがメイン

  2・教員対生徒(&家庭)との間での生徒指導・進路指導−−カウンセリング、教育相談

  3・自立性・自主性の教育としての生徒指導・進路指導−−ピアカウンセリングや生徒会活動を含む

 

(2)人間理解の方法−−「わかる」とはどういうことか?

 

 

 

 

 

上の図解をもとに理解してもらった。実際に数人と話しをし、それを再現しながら板書しながら「理解」と「共感」というのがどのようなメカニズムでおきているのかを説明した。

 

    *エクササイズ1、2を試してみましょう

次に参加者全員で二人組になってのエクササイズで実際に試してもらった。話して、その相手のことをどのように理解して、覚えているのかを試すのがエクササイズ1、次に数回やって、その後に何番目かを覚えているかを試すゲームがエクササイズ2。今後の授業は、「理論」と「実践」を交互にバランスよくしていくことを確認した。

 

 リアクションペーパー配布&回収