教育の方法・技術論 後期・第一回(9月28日)

 ・・・前期分はほぼ話し言葉そのもので収録しましたが、後期は重なる部分もありますし、また他の記述方法も試みたいので、要点を書いていく方法にします。若干、前期と内容をかえています。

 

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(1)シラバスの配布

(授業科目)  教育の方法・技術論      教育方法の変遷〜新しい教育方法

(担当教員)  古賀 徹    (単位)「」   (履修条件)「なし

(授業のねらい)現代の教育の現実的問題に焦点をあてて考察していく。「何をどのように教えるのか」という観点から、カリキュラムの構成、教材教具の開発・発展、学習の形態等に注目し、教育方法の意義と技術の理解を深めることをねらいとする。
 

(授業の方法)
 講義形式を中心とする。テーマ毎にミニレポートを書いていただく。ビデオやメディア機器を持ち込んで使用することもある。この授業に関する情報のチェック用にたちあげるホームページの閲覧やeメールを授業に使用することも考えている。

(授業計画)
 1 ガイダンス
 2 「学ぶ」・「教える」ことの意味(学習・教育活動をふりかえって)
 3 教育活動における教授方法の意義
 4 近代教育方法論の成立と展開(西洋)
 5 近代教育方法論の成立と展開(日本)
 6 近代教育方法論の成立と展開(方法論、内容論の関係及び学習形態に注目して)
 7 個別教育・自由教育・個性尊重の教育方法論
 8 新しい教育方法と新しい教育観〜教育実践から考える
 9 「総合的な学習の時間」(歴史的位置づけと可能性)
10 「総合的な学習の時間」(実戦礼から考える)
11 「総合的な学習の時間」(基礎学力と創造力)
12 視聴覚教材の活用による学習過程の変容
13 放送学習、マルチメディアの教育の可能性と問題
14 まとめ
15 試験・レポート等

 

 

 

(教科書) 「使用せず

(参考書等)「授業中に指示する。毎回、資料・レジュメを配布する。」佐藤学『教育方法学』岩波書店、1996年。

(成績評価) 「平常点(ミニレポートの評価を含む)と定期試験による総合評価

(その他)「試験・レポートの返却を実行し、配点基準(根拠)等を明示する予定。

(連絡先)E-mail  koga1999@mti.biglobe.ne.jp

     URL   http://members.tripod.co.jp/TJCougar/

2001年度「教育の方法・技術論」シラバス ver.1(9/28)
(履修登録者数:金曜日4限 190 名)

 

*・教科書・参考書は特にこの授業では指定しないので、より深く勉強したい人は、各回の授業の<参考>として挙げる本やホームページを見てほしいことを伝える。

★次の説明(約束)をした。

@前期の講義の内容の説明(ホームページでみれること等)、A後期の講義での「ねらい」、前期の講義で残された課題にとりくむ、B講義の流れとして「『わかる』とは何か」、「『歴史』的変遷をみる」、「現場の教育方法と授業の構成をみる」の三つの柱でいく(前期は「歴史」と「視聴覚機器」の二つ)、C人数が多く、機器を使えない教室なのでなるべく前に座り私語をしない、D疑問・質問・感想は必ずカードに書いて、教員は次の授業の前に応えるし、メール等での問い合わせも受け付ける。

 

*・前期と変わるというと混乱するかもしれないが、基本的なことは大きくは変わらない。前期の講義の成果として、「わかる」という受け手側の方からの視点についてもう少し考えていく必要があると感じたのでその説明を加えていく。

 

(2)教職課程でこの授業を学ぶ意味

 

★次のような説明をした。

@下の表のような「必要な科目と単位」が定められている、A私も教職歴があるが、当時といまでは多少この「科目」も変わってきていて「教師に求められる力」が変わってくるのであるということ、B実際の授業の方法、教え方という「即戦力」にも近いものが求められるのがこの方法論や教科教育法でもあること、Cいろんな条件の場所や人数での授業がありえるので、共通する「わかる」ために「構成する」ということを学んでいきたい。

 

 *教職に関する科目(免許法施行規則に定める科目区分等)













 

 科 目

各科目に含める必要事項

単位

教職の意義等に関する科目

・教職の意義及び教員の役割、教員の職務内容、進路選択に資する各種の機会の提供等


 

教育の基礎理論に関する科目
 

・教育の理念並びに教育に関する歴史及び思想



 

・幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程

・教育に関する社会的、制度的又は経営的事項

教育課程及び指導法に関する科目
 

・教育課程の意義及び編成の方法、各教科の指導法



 

・特別活動の指導法

教育の方法及び技術

生徒指導、教育相談及び進路指導等に関する科目

・生徒指導の理論及び方法、進路指導の理論及び方法


 

・教育相談の理論及び方法(カウンセリングの基礎知識含む)

総合演習

 

教育実習

 

 

・「教職」の意義は、おそらく皆さん自身が「教育を受けて何がよかったのか」や「どういう授業がよかったかと感じたか」「いい先生がいたか」ということを考えてみればわかってくる。

・・・「厳しくてもいい先生だった」とか、「素晴らしい教員にめぐりあった」だとか、「あの先生のおかげで数学が好きになった」とか「教員になりたいと思えた」とかの、そういう「素晴らしい体験」が思い浮かぶでしょうか。しかし、よく考えればこれは「たまたまいい先生」「たまたまいい方法」にめぐりあっただけなんですね。「たまたま」という偶然性でいいのでしょうか。あえればいいけれど、あえない人もいるわけです。ただし、全ての人間に「よい」と思われ好かれる人間もいないでしょうから実際には「それぞれ」です。しかし、教職や学校のいいところは平均的には水準を維持できるのですね。ですから「教職」も「たまたま」というかそれは現実であろうとしても、めざすのは「できる人とできない人がいる」というのが少なくなることだと思います。少なくとも「とんでもない教員」が減ること。養成課程でしっかりと意識と方法とをもった人間が教育され、現場で学んでいくという「あたりまえ」のことをもう一度考えていくことからはじめるべきと考えます。

 

 

(3)「教育」や「授業」が必要とされたのは何故?

@「教育」の意味。何に役立っているのか。

A「教育」(『広辞苑』)・・・「教え育てること。人を教えて知能をつけること。人間に他から意図をもって働きかけ、望ましい姿に変化させ、価値を実現する活動」。「educe」は「潜在する性能を引き出すこと」(ランダムハウス等の辞書)。

B「子ども」に教育が必要だと考えられること。「子ども観」と「教育(授業)」は国や学校でも違う。

 *左は寿命の変化によって「子ども」期という余裕ができること、右写真は米国の小学校の授業風景で日本との教室構造の差がわかる。

 

 

(4)アンケート

 以下のアンケートに協力をお願いした。

 

@ 教職免許資格取得のために本講義を受講していると思いますが、取得を希望する科目名を教えてください。

A教職課程(等)を選択したあなたは、本講義にどんなことを期待していますか?

Bこれまで授業を受けてきて、「教育方法・技術」的にすぐれていると思ったもの、先生はいましたか?それはどのようなものだったでしょうか。

C国際的な視点から比較すると、日本の教育はどのように評価することができるでしょうか。自分なりに・・

D「教育」について、学んできて、これまでどのようなことが印象にのこっていますか。興味をもちましたか。

Eeメールやインターネット等は使用していますか。使用しているとしたらその方法や頻度、目的はどのようなものでしょうか。

F自己アピールを書いてください。今、興味をもっていることや、これから学んでいきたいこと、身につけたいことなど。

 

 以上。