丸盆岳(2066m)&黒法師岳(2067.4m) 
 2万5千分の1図(寸又峡温泉) 
 「南限のハイマツとX印の一等三角点を求めて」
 

登山愛好者に「日本でのハイマツの生息の南限は?」と問えば殆どの人が「南アルプスの

光岳」と答えるだろう。もちろん私自身もそう思っていた。

しかし、「分県登山ガイド−静岡県の山」の「黒法師岳」の項に「ハイマツの南限で知られる

丸盆岳」との記載を発見。昨年夏に南限のハイマツを見に光岳に登った直後だっただけに

少なからずショックを受けた。光岳から17kmも南の「光岳」に本当のハイマツが生息してい

るのだろうか?

光岳に一緒に登った中川さんと「丸盆岳にある南限のハイマツ発見とその隣の黒法師岳に

ある全国で唯一のX印の三角点の確認」の登山をすることになった


 コースタイム

 5/3(木)雨後曇り一時晴れ

 静岡駅===水窪町役場===戸中ゲート‥‥‥林道分岐‥‥‥黒法師岳登山 (テント泊)
 8:30       11:40      12:30/13:00      15:00        15:30

 5/4(金)曇り時々晴れ

 テント‥‥‥尾 根‥‥‥ガレ場‥‥‥等高尾根分岐‥‥‥丸盆岳‥‥‥等高尾根分岐‥‥‥黒法師岳
 5:25      5:40      6:30      8:00/8:10     9:25/10:30    11:10/11:15     11:45/11:55

 ‥‥‥等高尾根分岐‥‥‥ガレ場‥‥‥尾 根‥‥‥テント‥‥‥戸中ゲート===天竜ラーメン屋===静岡駅
         12:20       13:00     13:35   13:45/14:25  16:25/16:35     18:20/18:50    20:35

 メンバー       中山(横浜市)、中川(静岡市) 
 走行距離      約310km(静岡〜戸中ゲート〜静岡) 
 
 先の前文と下記の文章は同行した中山氏が記述したものです。

8時27分の普通列車で静岡に到着。中川さん運転の車で一路水窪へ。ここは昨年の光岳登山の際走った道だ。水窪町から水窪ダム

方面へ右折。
ロックヒルダムの堰堤で戸中川を右岸に渡り営林署の戸中ゲートまで車で入る。車はここまで。林道には10台ほど駐車でき

る。
ゲートからは右に延びる東俣林道を行く。0.5kmごとに標識があり励みになる。6km地点で丸盆岳への登山道が右に分かれている。

ゲートから2時間の行程。以前は林道だったので分岐からしばらくはその面影を残しているが、すぐに林道に堆積した土砂の上の登山道に

なる。


戸中部落におよぐ鯉のぼりの写真 テントの前で私の写真
 戸中部落におよぐ「こいのぼり」の群 等高尾根登山口の設営したテント 
 
分岐から20分で左手の
斜面に丸盆岳・黒法師岳への登山道が延びている。その先に営林署の小屋がある。4、5人で満員になるくらいの

広さだ。テントを張るスペースは3〜4
張りほどしかない。我々は小屋と登山口の間の平地に幕営する。幕営山行きは何年振りか。確か

飯豊連峰縦走の時以来だ。すると26年振りだ。昔の
テントは屋根型だったが今のはドーム型。5人用なのでたっふりしたスペース。

今夜は小屋泊まりの3人の他は我々でけ。連休なのに静かな山が期待出
来そうだ。夕方から雨が降りだす。明日はどうだろう。寒さのため

夜半に目を覚ます。防寒着をあと1枚持って来れば良かった。

朝4時起床。心配した雨も上がっている。しかし、辺りは一面のガス。早々に朝食を摂り5時30分出発。薄暗い樹林帯にジグザグに付けられ

た登山道を
一歩一歩登る。15分で等高尾根に出る。地形図の1240m付近だ。ここから今回の最大の難関、等高尾根の登りである。

しばらくで急登になる。標高差
250mの登りをがんばると斜面は緩くなるが、今度は背丈以上もある笹の中の道に変わる。

昨夜の雨の滴が体を濡らす。1550m付近で右手に地形図に
は記載されていないガレにでる。ガスが切れていれば黒法師岳が望めるだろ

うに。このゲレの先からまた急登が始まる。一旦は緩やかになるが主脈尾根
まで急登の連続である。

南限のハイマツと私の写真  
 南限の紛れもない「ハイマツ」だ!  

飛び出た主脈尾根付近は一面の笹原で疲れが吹き飛ぶ。登山道を左にとり丸盆岳に向かう。しばらくは気持ちの良い笹原を行く。踏み跡は

細く所々で残雪
に消されるが概ね尾根筋につけられている。最後の急登をひとがんぱりすると待望の丸盆岳頂上である。風もなく時々薄陽

も射し暖かい。

残念ながらガス
のため展望は得られない。昼食後「ハイマツ」探しを開始。しばらくで西側のピークの南斜面にそれを発見。やっぱりあった。

2人で大はしゃぎする。ハイマツの
南限は丸盆岳なのだ。早速記念撮影。これで心のモヤモヤが吹き飛んだ。

さっぱりした気分で丸盆岳を後にして黒法師岳に向かう。

丸盆岳から1時間20分
で黒法師岳に到着。頂上は平坦で小広く一面雪に覆われている。しかし、三角点付近だけは何故か雪が消えている。

見るとなるほど標石の刻印はXである。
何故ここだけがX印なのだろう。10分程の小休止で下山する。分岐まで戻り等高尾根を下る。幕営地

のテントを撤収して林道を2時間歩きゲートに到着。

黒法師岳山頂での2人の写真 X印の一等三角点の写真
 黒法師岳の山頂は残雪で覆われていた  日本でただ一ヶ所X印の一等三角点


今回は「ハイマツの南限」と「X印三角点」発見の山旅。 ロマンに満ちた山行きだった。
  
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