大無間山(2,329m)〜小無間山 (2,150m) 
 2万5千分の1図(畑薙湖、井川)   
 「南アの無限の山 大無間山〜小無間山へ」  
 

東海道線の東静岡近くから北西方向を望む時、屋根型の山が目に入ってきます。屋根の左端

「大無間山」で右端が「小無間山」です。 現在は井川湖の畔の田代からピストンするコース

が一般的ですが私達が入山した時には寸又峡から延びる林道にタクシーが入ってくれたこと

もあったし、静寂ルートの縦走をとの願望もあり、寸又側から井川側へと完全縦走を試みたの

でした。

登山日       1972/4/30(日)〜5/3(水) 
メンバー       豊島、石川、鷲山、中山、太田、中川 
コースタイム 

4/30(日) 晴れ後雨

静岡駅≡≡≡金谷駅≡≡≡千頭駅===大垂沢橋‥‥‥大垂沢小屋‥‥‥樺沢のコル‥‥‥P1700m‥‥‥昼 食
  2:38    3:05/3:20    4:12/4:40    5:45/5:55     6:40/6:50      7:25/7:35      8:00/8:15    8:50/9:30

‥‥‥鹿の土俵場‥‥‥三方窪‥‥‥P2126m===三隅池小屋(テント泊)
      9:45     10:40/11:00   13:05/13:20      14:00

5/1(月) 雨(風雨強し)

テントに停滞(午後5:00頃に雨が上がる)

5/2(火) 晴れ(午後から風強し)

三隅池小屋‥‥‥大無間山‥‥‥P2096m‥‥‥小無間山‥‥‥鋸歯第1P‥‥‥鋸歯第2P‥‥‥鋸歯第3P‥‥‥
  5:00        6:20/6:45     8:00/8:15     9:15/10:40     11:35       11:55       12:25

鋸歯第4P‥‥‥P1797m‥‥‥田 代(諏訪神社にテント)
 12:55       13:30        15:35

5/3(水)晴れ

諏訪神社‥‥‥田代中===井川駅≡≡≡千頭駅≡≡≡金谷駅=≡≡≡静岡駅
  6:20       7:12     7:40/7:45   9:13/9:55    10:40/11:03    11:35

 
 

千頭から寸又川林道の大垂沢橋までタクシーを予約してあったが時間が運転手に正確に届いていなかったようで30分間ロスをする。

タク
シーを降りて準備体操をして、いざ出発。 上の方に小屋は見えていたが、わさび田への道やら植林用の道やらがあって、どれが

登山道か
判らずあちらこちらと道を探す。何かスタートからつまずいた感じで前途が思いやられる。樺沢のコルからは急登を登る。そして

山の陰に
なるトラバース道から残雪が現れる。 さらに進むと今度は倒木が現れ、これをくぐるのが一苦労である(なにせ、重いザックを

背負ってい
て身体をかがめてくぐった後、立ち上がるので体力の消耗は大変なものである)。 静かな原生林のなかで早い昼食を取る。 

このとき中山氏の
キスリングがゴロゴロと下へ落ちて行くアクシデントがあったが、無事で事なきをえた。 昼食の後、コースは益々厳し

いルートになってきた
背丈に近い笹と残雪でルートがはっきりせず磁石と地図とをにらめっこしながらのルート取りとなった。所々に付け

られた赤布や鉈目は
コース確認に大変助かった。

この連休中にこの山域に入山したのは我々だけで、踏み跡もなければ人声も聞こえてこなかった。 途中から先頭の中山氏の気疲れが

ひどい様なので、トップを石川氏に交替する。三隅池の小屋は半倒壊の状態であった。池は雪の下で水面は全く見えなかった。早速水場

を探しに行ったが、ついに水場を探すことは出来なかった。このためきれいな雪を掘って水をつくる。テントは半倒壊の小屋の上に張った。

半倒壊
も小屋があってグランドシートが雪に直接触れずに助かった。翌日は風雨が強くテントのなかで停滞する。フライシートに溜まった

水を集めて炊事用に使用する。夕方になって雨が上がった。明日はいよいよメインルートの縦走となる。この停滞が休養となり昨日の辛く

大変だった身体の疲れが癒された。

大無間山の山頂でメンバーの写真 小無間山の山頂でのメンバー4名の写真
 待望の「大無間山」の山頂で  樹林の中の「小無間山」にて
 

目をさますと満天の星空、絶好の縦走日和となりそうである。朝食もそこそこに食事の片づけとテントを撤収をして、5:00出発。雪はしまっ

ていて
歩き易く、大無間山には6:20到着。 早速持参した「大無間山」の標識を取り付け記念写真を撮る。 この秘境の山についに登ったと

いう感激をみん
なで喜び合う。 しかし風が強く今日の予定はまだ長いので名残惜しいが先へ急ぐ。 地図と赤布で方向を確認しながら小無

間山向かう。 途中にある
2096mピークに着いたのは8:00で予定より若干遅れる。  静岡から見た時の形が屋根形見える一方の端の小

無間山は木立に遮られて展望は
ない。 これでメインのピークには足跡を残したが、まだ鋸歯のピークをいくつか越えなければならず、気

を緩める訳にはいかない。

鋸歯からの富士山写真 鋸歯からの南アルプスの写真
 鋸歯から富士山を望む  鋸歯から南アルプスを望む
 
鋸歯とはよく言ったもので、上り下りの連続で、しかもなかなか険しい。しかし、この鋸歯からの富士山の眺めは実に素晴らしいものだった。

第4ピークには中電小屋があり、ここで大休憩をとる。鋸歯の難関も無事越えホット一息ついた。

最後のキャンプは田代の諏訪神社の境内にテントを張らせてもらった。みんな大変だった縦走を終えたため、気持ちも和みテントの中で停滞の

話題や山の話しに盛り上がりました。

倒木とやぶ、さらに登山道も定かでなく、簡単には人を寄せ付けない奥深い山「大無間山」。自然を愛し、

自然
を敬う心を持っている者のみを招き入れる山、そんな感慨を持たせた山、それが「大無間山」でした。

 
   

安倍川・大井川流域へのボタン 安倍川、大井川流域の山のページに戻る 

ホームに戻るボタン ホームに戻る