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2001年11月 カタナカップの走行を終え 次回のカタナカップにはGS650Gで出場しようと
計画をした。その背景には 20数年 エンジンに火を入れられる事もなく ただ飾られて
いるこのマシンを 是非走らせたい。それに カタナカップにこのマシンで出場すれば目
立つだろう。そんな思いがあったからだ。なにしろ20数年動かなかったにしては かなり
状態が良い。走行は 西部警察の撮影に使用されただけなので 400kmそこそこ。
ガソリンとバッテリ−を抜いて オイルも新品を入れての完全な保管状態。このまま
キ−をひねれば そのまま走るのではと思うほどだ。だがしかし事はそう簡単にはではな
い。いくら保管状態が良くても20数年の時が経っている。走らせる為にはそれなりのメン
テナンスをしなければならない。冬から春にかけては けっこう仕事が忙しいのだが 何
とか次のカタナカップ迄には間に合わせようと 復活作業に取り組みだしたのだ。
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1月 まずはメインキ−を製作する。何せこのバイク お目見えした時からキ−が無い。
だからエンジンをかける事も ガソリンタンクを開ける事もなかった。キ−シリンダ−を外
してカギ屋に行き 一本4500円でキ−を作る。
作ったキ−で 早速ガソリンタンクを開ける。「お キレイじゃん」 タンクの中はほぼ完
壁なほど綺麗だったのだ。
次にバッテリ−を接続する。このバッテリ−は 岩崎おじさんのニンジャのものを使用。
同じバッテリ−だったのだ。そして電気系をチェック。異常なし。
3月 マフラ−の交換作業をする。この重量級の650を少しでも軽くするには マフラ−を
交換するのが手っ取り早い。しかし GS650Gの集合管なんて何処にも無い。そこで考
えたのが ゼファ−のマフラ−の流用。やってみると ほぼピッタシ。少々苦労はしたも
のの ゼファ−のモリワキ集合管がGS650Gに付いたのだ。感激。
次にエンジンオイルを抜いてエレメントの交換をするが 抜いたオイルがけっこうキレイ。
新品のような状態だったのだ。
4月 いよいよキャブレタ−の点検。キャブレタ−の中が問題なければエンジンはかかる
はず。しかしそうは甘くはなかった。キャブレタ−を外すと 中から緑色の液体が流れ出
してきたのだ。「ガソリンが腐っている」 そして恐る恐る分解すると 一見綺麗に見える
キャブレタ−の中は 見るも無惨な状態。これを直すには時間が足りない。
![]() 無惨な状態のキャブレタ−内部 |
![]() 部品取りとなってしまった750カタナ |
そこで ドクタ−定方氏の愛車。GSX750Sのキャブレタ−を使用する。少々難はあった
が これもほぼ完璧な状態で装着。そしていよいよエンジンに火を入れる。20数年間も
眠っていたGS650Gが再び目覚めるのか。緊張の一瞬。セルを回す。
キュルルルル・・・・ボウン ボボボボ・・・・
何と エンジンは一発で始動。20数年も眠っていたとは思えない調子のよさ。じつに快
調。後はタイヤとフォ−クオイル ブレ−キパッドの交換とシャフトドライブのチェックと各
場所の調整。こうしてついに スズキGS650Gは蘇ったのだ。モリワキ集合管と750カタ
ナのファンネル装備のキャブレタ−を武装して。
その勇姿は 西部警察の撮影用車両からサ−キットへと舞台を移して爆走するのだ。
