# アリスvsパチュリー両支援テキスト。  既に、かなりの盛り上がりを見せる会場。  騒がしいのは周囲だ。  周りが盛り上がり、台風の目のようにその当人たち、二人の魔法使いがいる中心地は、 逆に静かさが強調されていた。  正確には一人は魔女であるが、二人の魔法使いは、状況を見守るように、対峙して動か ない。  ――どん!  誰かが支援物資を出したのだろう。  一際騒がしさが増す。  伝播したハイテンションが、にわかに中心地まで及ぶ。 「……五月蝿いわ」  周囲にかき消されるような小さな声で、呟いた。  パチュリー・ノーレッジ、動かない大図書館、魔女。  そして、一枚のスペルカードを宙に放る。  ――月符、サイレントセレナ。  静寂の月を意味するスペルが、無理やり周囲を黙らせた。 「あら、せっかくのお祭なのに。無理に静かにさせなくてもいいじゃない」  対峙する一方が、くすくすと笑いながら、言った。  アリス・マーガトロイド、七色の人形遣い、魔法使い。  七体の人形が、その傍らに居る。  その中に上海人形の姿は無い。別枠での出場を勝ち得ていた。  サイレントセレナを使い、周りを黙らせていない限り聞こえない程度の声量で、魔女は 言う。  余談だがそのサイレントセレナに、初戦が2/14と暇なので観戦しにきていたルーミアが 月符繋がりという同属性でふらふらと惹かれ、一度撃墜された後、再び近づき、凄まじい グレイス数を稼いでいた。  閑話休題。 「貴女は楽しそうね。何がそんなに楽しいんだか」 「貴女だって楽しそうじゃない。いつまでもフェイクしててもしょうがないわよ」  アリスの笑みは深くなるばかりだ。ため息をつくようにパチュリーが言う。 「訊くけど。何がそんなに楽しいの?」 「そりゃ当然――」  満面の笑みをたたえて。 「貴女に対する雪辱よ。マイフレンド」 「そう……。なら負けるわけにはいかないわね」  示し合わせたように二人が、魔力を放出する。  スペル宣言。そして、  ――七色「スプラッシュスペクトル」  ――七曜「レインボウエレメント」  ―――――!!  目の前が真っ白になるほど凄まじい光量と、大爆発、大音声。  先のサイレントセレナが児戯に思えるほどの大魔法。  二つのスペルは互いに等しく相殺されたが、その余波も凄まじい。  ……きゃー、とルーミアが笑いながら吹っ飛ばされていくのが印象的だった。 「……ふっ……」 「……くすっ……」  爆心地で、なおかつ無傷の二人は同時に笑いをこらえきれないように、漏らした。 「ふっ、ふふっ、ふふふふ……」 「……くすっ、くすくすくす……」  笑いが止まらないという風に二人は笑いあう。 「「うふっ、うふっ、うふふふふふふふ――――」」  二人の笑いがシンクロする。  ちなみに――――  さきほどの大魔法、どちらも、物凄くマスタースパークにそっくり、であった。 「ぱくってんじゃないわよ、七色人形馬鹿ー!!」 「あんただって同じじゃないの、引きこもり読書中毒者ー!!」  ……アリスはともかく、パチュリーの大声はレアである。 「あんた、魔法使いの癖にぱくりってなによ?」 「あら、ちゃんとオリジナルですわよ。よくご覧あそばせ。人形一つに一つの色。それを 収束させたのよ。あんたこそなによ、七曜って」 「色よりマシよ、色よりも。ちゃんと属性だもの。大体合成魔法は私が先出しだし」 「まあ、それはいいとして――」 「そんなことはどうてもいいのであるわけで――」  両者の視線と気合がぶつかり合う。 「「魔理沙の隣に立つのは私よ!!」」  ……まだ魔理沙が勝つと決まったわけでは、と無謀な観客の一人が呟いた。 「「魔理沙が(私以外に)負けるわけないでしょうっ!!」」  即殺。哀れな子羊に黙祷。  戦いはリアルタイムで進行中。  第二回東方最萌トーナメント。一回戦、第一試合。  アリス・マーガトロイド VS パチュリー・ノーレッジ。  戦いは、もう始まっている! # 書いた人:峰下翔吾(仮) # とりあえず、両支援になってるんだかなってないんだかわからないもの書いておきますね。