従兄クリスプレートが旅に出て、もう半年近くなる―――

 私と同じ血筋に生まれ、また名前に「クリス」を持つ、クリスプレートとは兄弟のように親しかった。
 両者に「クリス」があり、共に愛称が「クリス」であったので、幼い頃はよく喧嘩をしたことを覚えている。
 幼馴染のようで、兄であって、弟のような、そんな存在の彼。

 その彼が旅立って、もう半年になる。

 

「そういえば、決着、ついてなかったかな?」
 どっちが「クリス」か、という喧嘩は今だ未決着だった。
 思えば些細なことである。子供の頃のことだ、さぞ意地になったことだろう。
「頑固なんだから……」
 こうと決めたら意地を通す、普段は大人しい顔してるくせに、そういうところがあった。
「勝手よね。なにも言わずに出て行くなんて」
 ぶつぶつと、作業の手を止めずに呟く。
 その性格が、自分にもあてはまることを自覚はしていないようだ。
 周囲の反対も押し切って、彼の後を追うように旅立つと決めたのだから。

 

 クリスフィーナの家はゲッフェン。
 掟なのか、習慣なのか、さして大きくは無い一族には「クリス」の名前を冠することが多い。
 もちろん全員というわけではないが、家々の後継ぎ格にはその傾向が強く、同名がでないように無理な名前をつけられた者もいた。
 クリスプレートとクリスフィーナも“それっぽくはあるが”、実のところこじつけだな、と感じている。
 そんな通称「クリス家」であるが、魔法都市ゲフェンには珍しく、剣士の家系である。
 ゲフェンの守護は魔術師によるものがほとんどだが、数少ない武力による護衛役として駐在していたらしい。今ではちょっとした貴族のような扱いを受けている。
 クリスプレートはその中では期待された人物であった。近年、子供に恵まれなかったらしい。
 「プレート」という名が、「守る」という意味合いを持つことからも推察できる。
 はたして、クリスプレートは半年前に剣士になり修行を積むべく旅に出た。
 しかし彼女は心配する。ひいきめに見ても彼は強くは無かった。
 その感情は、兄弟姉妹に対するようなものだ。

 

 そんな彼から手紙が届いたのが一週間前。
 どうやらそこそこやっているらしい。
 剣士ギルドへの加入も終えて、晴れて剣士になったとか。
 最近、首都プロンテラの地下浄水場にモンスターが現れ始めて、その掃討隊加わったとか。
 つまり、近況報告だった。

 

 ―――なんか悔しい。

 

 あとはもう、豪雨の後の川のようだった。
 両親を説き伏せるのに一日と半。街の少ない知人に挨拶回りするのに半日。
 役所に届けて、準備するのに三日。両親がせめて最後に、と待った一日。

 そして、今日。

 

 

 

 私は旅立つ。

 

 

 

 高原の澄んだ空気、湖を臨む草原。
 そして時々のんびりと現れるポリンやファーブルといったモンスターたち。
 ゲッフェンの城壁から東に抜けると、彼女―――クリスフィーナを待っていたのはそういう風景だった。

 ゲッフェンから首都プロンテラまでは危険なモンスターの少なく、迷うような道のない、比較的安全な街道であると言われる。
 例えば、首都からモロクまでは灼熱の砂漠が立ちふさがり、辺境のフェイヨンの周囲には日の光を遮り旅人が迷うことが珍しくない森がある。
 また砂漠も森にも、時折モンスターの群がそのボスとともに現れが人を襲うという。
 港町アルベルタへは、衛星都市イズルードからの高速船が出ているので別ではあるのだが。
 ゲッフェンと首都間には、脇道にそれない限りそのようなモンスターは現れない。他の街に比べて、ゲッフェンの建物が首都と見劣りしないのはその辺の交流の良さがあるのかもしれない。

 クリスフィーナは魔術師になるのを良しとしなかった。
 旅に出るのが目的であるなら、ゲッフェンを出なければならなかったからだ。
 この世界、何らかの組織に属しなければ一人前と見なされない。
 組織に属することができる技量の証明と、得られる恩恵が大きいからだ。
 剣士ギルドに加入すれば、剣技の指導を受けられる。
 盗賊ギルドに入れば、盗みや毒の技術を得られる。
 商人ギルドならば、あちこちで割引や露店開設といったことが出来るようになる。
 彼女は必然的にそのどれか―――魔術師は除外だが―――に入らなければならない。
「うーん……」
 目の前に現れたモンスターを練習台に倒しながら街道を進んできた。
 ゲッフェンからは大分離れたちょっとした森と湖のあるところまできたところ、確か聞いた話では「池のある地図」と旅人から呼ばれているらしい。
 確かにゲッフェン南の湖に比べると池のようなものである。
 その池のほとりの木陰に入って、休憩がてら考えている最中である。
 職業は自分の特性にあったものを選ぶのがベターだ。しかし自分の特性と言われても、
「……人並、よね」
 ぽりぽり、と頬を掻く。
 ここまで数十のモンスターと戦ってきたが、ポリンとファーブルとプパという完全に低級に部類されるものとしか戦っていなかった。
 いや、戦ってみたのだが負けそうになった。
 自分のような駆け出し冒険者――― 一般にノービスと呼ばれる―――は他にもいて、うっかりクリーミーに手を出してこてんぱんにやられていたのを目撃したのも一因である。
 中には強い人もいた。しかしそれを見て彼女が抱いたのは、
(ああ……、ああいう人が剣士に向いてるんだろうなぁ……)
 といったことであった。
 自分は戦闘に向いていないということを、理解しきっているようである。
 実際、これまでの戦いもなんとかなんとか、といったもので誉められたものではない。
 この調子だと、とても剣士になれたものではない。
「剣士になるのもいいかな、って考えてたのに……」
 クリスプレートを見返してやろう、というささやかな(?)野望は幕を閉じた。
「うー……――」
 何か自分の長所はなかっただろうか?
「…………―――あっ!」
 そういえば、知識や知力なら人より優れていたのだ。
 知恵比べでは従兄を圧倒していたし。
「あー、でもそれって……」
 知力が重要とされる職業といえば、魔術師である。
「あー……」
 うー、と唸って突っ伏してしまった。と、そこに、
「あ、いたいた。一応確認するけど、クリスフィーナ、さん?」
 と声を掛ける男の魔術師が現れた。
「う? なんですか?」
 聞くと、魔術師はニコニコした笑顔でクリスプレートの友達だと言った。
 そして預かり物があるから受け取って欲しい、と。
 怪訝に思いながら包みを広げると、中にはレイピアと彼女にも装備できる防具が一式入っていた。
 中堅以上の冒険者には安くても、駆け出しには充分高価なものである。
「…………はぁ」
 溜め息を吐く。
 読まれていた、としか思えない。
「くっやしいなぁ……」
「ん?」
 魔術師(たしかコカと名乗った)が不思議そうにこちらを見た。
 彼女はもう一度こっそりと溜め息を吐いた。

 礼を言うと、魔術師は「どういたしまして」と応えてすぐ行ってしまった。
「…………」
 周りに人やモンスターの気配が無いことを確認して、防具を装備してみた。
 ちょっと重いが、動くのには苦にならない。
 そしてレイピアを手にとる。
 新品だった。
 軽く振ってみる。

 ―――ヒュン

 刺突用の細身の剣が、風を切った。
 確かに重いが、剣としては軽い。
 従兄の親切が伝わってきて、なおいっそう心境が複雑化する。
「まあ、使えるものは使わないとね」
 レイピアを鞘に収める。
 地図と方角を見て、南に向かった。
 もうすぐ首都までの行程の半分に至る。
 まだ時間はある。結論の出ない問題は先送りにしてしまえ。

 

 そして彼女は自分の行く道を決めることになる。

 

 

 

 丘と丘の間を抜けると、大きな河にさし当たった。
 ゲッフェンの湖から流れ、このまま首都の水源となるのだろう。
「はー……」
 ずいぶんと見晴らしのいいところに出た、と彼女は思った。川岸にそって少し歩く。
 すると河に出っ張った半島のようなところがあった。
 ちょうどいいことに樹が一本立っており、木陰が出来ていた。
 休憩するにはもってこいの場所であった。
 しばらく河の流れを眺めていると、遠くからバイオリンをかき鳴らす音と、妙にリズミカルな足音が聞こえてきた。
「?」
 腰のレイピアに手をかけつつ、小走りに音のするほうへ向かう。
 バイオリンの音は滅茶苦茶で、ただ足音とのリズムだけで曲を作っていた。
 音の正体はすぐにわかった。
 モンスター、ロッカー。
 バッタのような外見で(でも確か別の昆虫)、音楽好きなモンスターらしい。
 特に害のあるモンスターではない。だが、
「――――」
 彼女はロッカーの前に立つ。手は柄にかかり、すぐに抜ける体勢。
 ロッカーは彼女の意図を察知し、さらに激しくバイオリンをかき鳴らす。
 即興の曲はすぐさにクライマックスに達し、一際高く大きな音をたてて、終わる。

 ―――チャッ、チャッ、……

 ロッカーの足音は変わらぬリズムを刻む。

 ―――チャッ、チャッ、チャッ、……

 バイオリンを弾く姿勢から、バイオリンで殴る体勢に移る。
 クリスフィーナはレイピアをまだ抜かない。

 ―――チャッ、チャッ、チャッ、チャッ、…………

 

 ―――――ザッ!

 先に動いたのは、やはりロッカーだった。
 バイオリンを振り上げ、力任せに振り下ろす。
「―――っ」
 ぎりぎりまで動かなかったクリスフィーナが一歩下がり、その一撃を躱す。
 剣を抜く。
 一歩引き、力を溜めた体勢から伸びるように、半ば以上跳ねるようにレイピアを突き出した。
 ぎぎっ、とロッカーが返したバイオリンの弦とレイピアの腹が擦れて、不快な音を響かせた。
 互いの一撃は失敗し、鍔迫り合いのようにレイピアとバイオリンが押し合う。
(! やばっ――)
 力ではロッカーに分があった。彼女は強く押され、たたらを踏んだ。
 バランスを取り戻した時には、ロッカーの第二撃が来ていた。
 必死にガードで受け止める、が、彼女の軽い体は2メートル宙を舞った。
「痛っ……」
 受け止めたときに左腕と頬、倒れた時に背中を打った。特に受け止めた左腕は痺れていた。
 立ち上がらなくては―――距離を取るように離れながらなんとか身体を起こす。
 ロッカーはさらに攻撃してこようと近づき、バイオリンを振りかぶる。

 ―――ぶん

 これはなんとか躱した。
「はぁっ!」
 レイピアを横薙ぎに振るう。飛びのいたロッカーの外骨格を浅く切り裂く。
 ロッカーは傷をつけられたことに怯んだ様子を見せた。
 それにつけこむように攻撃を重ねる。しかし、どれも浅い。
 徐々に焦りが出る。
 焦れば負け、それはわかっているのに。
「―――!?」
 気づいたときには、バイオリンが迫っていた。

 ―――カウンター!

 がっ、と音がして横っ面を思いっきり叩かれた。
 視界が大きく揺れて、一瞬気が遠くなる。意地を以って意識を保った。
 頭を揺さぶられて、ぐらぐらする。
 二度目のダウンはきつかった。
(立たなきゃ……っ)
 視界の端がぐにゃりと曲がる。立とうと地についた右腕がひどく頼りない。
「―――っ!」
 気合で、立ち上がる。跳びあがる。
 一歩後ろに跳ぶ。胃液が逆流するような感覚は無視する。
 もう一歩後ろに跳ぶ。意志の力で以って平衡感覚を取り戻す。
「…………」
 ぎりっ、と奥歯を噛む。思ったよりも分が悪かった。
 甘く見ていたのは事実。
 しかしこの程度のモンスターに勝てなければならないのも事実。
 守られるだけの存在にはなりたくない。
 自分の身は自分で守りたい。
 そんな意地があった。
「…………」
 二回のクリーンヒットのせいで、もう体力に余裕は無かった。
 あと一合で限界だろう。
「…………」
 すっ、と剣を構える。
 クリスプレートではなく、三つ年上の幼馴染に教えてもらった剣技。

 ―――チャッ、チャッ、チャッ……

 ロッカーはリズムを刻む。

 ―――たらり
 ふと頬を伝う液体。汗かと思えば、血だった。
 頭に怪我をしているらしい。
 まあ、いいか。
 あっさりと無視する。
 流血よりも、左腕の痺れのほうが気になる。

 

 ―――まあ、

 気になるとか、

 そういう段じゃないけれど―――

 

 ―――チャッ、チャッ、チャッ……ざっ

 三度目の交錯。
 ロッカーは相変わらず単純で暴力的にバイオリンを振り下ろす。
 クリスフィーナはこれに対して逆に踏み込んだ。
 ダッキング―――思いっきり姿勢を低くしての回避行動。

 ―――ぶん

 紙一重で頭上をかすめるバイオリン。
 瞬間、凶器の通過にうなじの毛が逆立った。
 しかし、躱した!
 踏み込んだ足に力を込めて、レイピアを―――
「!?」
 ―――力が入らない。
 中途半端な姿勢のまま固まる。
 足に力が入りさえすれば、まだ間に合う。
(まだ間にあうのにっ!)

 

『―――ヒール!!』

 

(え?)
 と、思う暇も無く、急に力の戻った身体を制御する。
 そして、伸び上がるように、跳ねるような渾身の力を込めた刺突。
 ―――牙突。
 東洋の伝来の刺突技。幼馴染が遊びで教えてくれた技だった。
「はっ!!」
 溜まりに溜まった気合が、炸裂した―――

 

 

 

「…………」
 地面に仰向けになると、青空が目の前一杯に広がった。
 はぁーっ、と脱力しながら盛大な溜め息を吐いた。
 実は剣技には自信があった。
 クリスプレートとやりあったり、12歳のころまで、三つ年上の本格的な剣の手解きを受けていた幼馴染から剣を教えてもらっていたりしていた。
 ただそれだけだったけれど、自信はあったのだ。
 本当に、ただそれだけたっだのだけれど。
「あの〜……だいじょうぶ〜ですか〜〜〜?」
 横から、心配そうだけど、どうしてものんびりした声がした。
「あ、はい。平気です」
 上体を起こして、答える。
 実際、外傷は全く無かった。
 多少疲労はあったが、これもほとんどが精神的なものだ。
「それならよかったです〜〜♪」
 α波が出そうなくらいほんわかした口調である。
 見ると、白のスカートにケープ、あとピンク色のセミロング。
 服装と、先ほどの『癒し』でわかる。
 聖堂のアコライトと呼ばれる職業の人だ。
「〜〜〜♪」
 アコライトの人は、日向ぼっこのようにぽーっとしている。
(えーっと……とりあえず)
「ありがとうございました」
 まだお礼を言ってなかった。
「いえいえ〜〜♪」
 やっぱりほわほわと返される。
 なんだかこっちまでほわほわとしてきそう。
 それからしばらく話をした。
 アコライトの人はレネという名前で、たまたま“お散歩”していたという。
 見かけによらず戦いに強いのかな? と思い、訊くと、
「いえいえ、そんなことはないんですよ〜〜」
 あせあせ、といった様子で答えた。本当らしい。

 

 そんな風に少しの時間、レネさんとお話をした。
 今までどんな冒険をしたのか、アコライトとはどういう職業か、どうしてアコライトになったのか、知り合いにはどんな職業の人がいるのか、それはどんな人か……エトセトラ、エトセトラ。
 しばらく人とまともな会話をしてなかったせいか、よく喋っていた。
 レネさんはお話好きなようで、快く答えてくれた。
 その中で、
「人のために尽くすことが好きなんです」
 という言葉が胸に残った。

 

 それでは。ばいばい。
 レネさんと別れて、また一人プロンテラを目指す。
 なんとなく目指していた首都だったが、目的ができた。
 アコライトになろう。
 あんな風に、癒せたらいいな。
 人のため、ということにこれほど魅力を感じたことは無かった。
 慈善でも偽善でも、いいな、と思った。
 私は、アコライトになろう。

 クリスフィーナはそう決めた。

 

 

 

 数日後、彼女は服事への転職試練を無事遂げ、聖堂の神父を訪ねた。
「アコライトへの転職を認めます。おめでとう」
「ありがとうございます」
 神父の言葉を受け、慎ましく頭をたれる。
『おめでとう〜』
 周囲に控えていたアコライトたちが祝福を浴びせる。
 クリスフィーナは驚きと少し戸惑いと嬉しさの笑顔で応えた。

 ―――レネさんのように。

 それが一つの彼女の目標になっていた。

 

 

 

 


<あとがき>

 あらためてみると、なんだか物凄くこっぱずかしい気がしますです、ハイ。
 一応、事実+設定による創作なのですが、現在はコカ君もレネさんも消えてます(涙)
 唯一、人様のキャラで動いてるのは(名前は出てきてないですが)、「幼馴染」という設定を持つフィーナ=コトフォードことふなさん。
 ありがたやありがたや(?)

 このSSは元々「Break the Low」の「RagnarokOnline Frontier(RoF)」の投稿用に書き始めたもので、ほんとは東図書館に絡むまでを書きたかったのですが、その辺を考えるとどうも難しすぎるというか、動機がイマイチすぎるので(あせ)
 RoFに投稿するときには、半島メンバーの名前を伏せるかどうかを悩んでいます。
(今はもう稼動してないキャラですしね^^;)
 ちょい役のコカさんはともかく、レネさん(この場合S_Reneさん)は、実際本気でクリフィをINTヒーラーにしようと思った動機になった人なので、どうしたものかー、と。

 あとこれはRoF向けに一言。
 今回は「クリスプレート」というキャラがいるため、全くクリフィと略さず「クリスフィーナ」と呼称していますが、他のSSでは問題なく「クリフィ」と略してください。
 私も書いてて「クリフィ」と何度略そうとしたか……(笑)

 最後に。
 久々にSSを書きました。やっぱり粗いとか下手だなぁとか思います。
 そういうのでもいいので感想がありましたら、お願いします。
 あと、なんかリクエストとか(ぉぃ)
 それでは、感想はMSNやメール、BBSにて、お願いしますー。

 

 


<おまけ>

「ああ、制服の支給があるから、あそこの部屋に行きたまえ」
「わかりました」
 神父に言われ、指差された先の部屋に向かい、部屋に入るとシスターが居た。
「新しく服事になった人ね。おめでとう」
「ありがとうございます」
「それじゃあ、制服だけど……、身長は?」
「えっと、確か155cmよりちょっと上ぐらいだったと思います」
「そう、じゃ155cmで……」
 といって、渡されたアコライトの制服を着替え室で着てみる。
「う……?」
 違和感、というかこれは……
「どうかしら?」
「えーっと……」
「なに?」
「……胸が、きついです……」
「…………」
「…………」
「……160cmのにしましょうか」
「はい……」
 ……シスターの視線が痛かった。