食品添加物の話

 

 飽食の時代と言われて久しい現在、一人暮らしにはとっても便利なコンビニをはじめとして、スーパーなどでも多くのお弁当やお惣菜が売られています。しかし、そのお弁当やお惣菜の多くにはいわゆる”食品添加物”が使われています。果たして体に悪影響はないのか?”食品添加物”の基礎知識と上手なつき合い方を御紹介します。

 

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・食品添加物の種類と問題点など

種類

添加物名

問題点など

甘味料 サッカリンナトリウム アイスクリーム類、菓子、醤油などに使用。発ガン促進物質との報告あり。
ステビア 妊娠障害を起こすとの指摘がある。
甘草 漢方薬にも使われているが、多量に摂取すると血行障害を起こすと言われる。
強化剤(栄養強化剤)   ビタミン、アミノ酸など危険性のないものばかりで、表示が免除されているが、過剰摂取は危険であり、表示を望む声もある。
結着剤 リン酸塩  
香料   添加量は少ないが、動物実験で悪影響が確認されたものもある。一括名表示が認められているため、安全なものを選ぶのは難しい。
糊料(増粘剤) カラギーナン 発ガン促進物質。天然添加物でも安全性は不明。
殺菌料 次亜塩素酸ナトリウム 野菜、果物の殺菌、漂白に使用。人の致死量は小さじ1杯程度。
酸化防止剤 ブチルヒドロキシアニソール パーム原料油などに限って使用認可。発ガン性が指摘されているが、最終的に含有しなことが条件。
酸味料 クエン酸 安全性は高い。
着色料 赤色2号 アメリカでは動物実験で発ガン性が認められている。妊娠率低下の報告も。
赤色3号 菓子類に使用。動物実験で赤血球が減少したという報告があり、ドイツでは使用禁止。
赤色102号 貧血を起こさせる可能性あり。
赤色104号 かまぼこ、でんぶなどに使用。海外では使用禁止だが、日本では認められている。変異原生あり。
赤色106号 変異原生を持っている。
青色1号 菓子や清涼飲料水などに多く使用。発ガン性が疑われ、ヨーロッパ諸国では使用禁止。
黄色4号 発ガン性が疑われている。
黄色5号 発ガン性が危険視されている。
カラメル色素 天然着色料だが、変異原生がある。
調味料 L-グルタミン酸ナトリウム 多量に摂取すると、中華料理店症候群(味覚障害)になる危険性。
乳化剤   毒性の低いものが多く、一括名表示が認められる。
発色剤 亜硝酸ナトリウム ハム、ソーセージに使用。最低致死量0.18g。強い変異原生を持っている。胃中で強発ガン物質になる。
漂白剤 過酸化水素 数の子に使用。発ガン性が認められているが、最終的に残留しないことを条件に使用。
次亜硫酸ナトリウム かんぴょう、コンニャク粉になどに使用。毒性データがほとんどない。
品質改良剤 臭素酸カリウム パン(イーストフード)に使用。発ガン性があるが、分解または除去することを条件に使用。
pH調整剤   危険性は低く、一括名表示が認められているが、ほとんどのコンビニ弁当に使用されている。
防カビ剤 オルトフェニルフェノール 動物実験では膀胱ガン、腎障害を確認。柑橘類に使用されるポストハーベスト農薬。
チアベンダゾール 人の致死量は20〜30g。柑橘類にワックスと混ぜて噴霧される。催奇形性あり。
膨張剤   大量に摂取しない限り安全性は高いが、使用基準がないため、多量に添加されている可能性もある。
保存料(防腐剤) ソルビン酸カリウム コンビニ弁当によく使用される。動物実験では腎臓の重量増加などの影響が認められている。強い変異原生も持っている。
安息香酸ナトリウム キャビア、マーガリン、清涼飲料水、シロップ、醤油に限り使用を認められる。強い変異原生を持っている。
次亜硫酸ナトリウム かんぴょう、コンニャク粉になどに使用。毒性データがほとんどない。

 コンビニのお弁当などを食べたことがある方なら、見覚えのある名前が一つや二つはあるのではないでしょうか?ある実験では、コンビニ弁当と手作り弁当(コンビニ弁当と同じ物を出来るだけ食品添加物を使用せずに作ったもの)を常温で放置し、その変化を比較したところ、一部のコンビニ弁当では5日目になっても外観に変化が見られなかった(手作りのものは3〜4日でカビが発生)と言う。

 つまり、食品添加物のために腐敗が遅れたり、見た目で腐敗が分からなくなっているということである。このようなものを食べて、本当に人体に影響がないと言えるのだろうか?上の表を見て分かるように、諸外国に比べ、日本の基準は甘いと言わざるを得ないだろう。このような状態では、自分の身は自分で守るしかない。とは言っても、神経質になり過ぎて過剰に反応するのも逆に問題なので、正しい知識を身につけて、賢くつき合いたいものです。

 

・添加物を避ける方法

添加物名

対処法

亜硝酸ナトリウム 茹でるとお湯に溶け出す。発色剤を使用していないハムやソーセージもあるので、そういうものを選びたい。”合成保存料や着色料は使用していません”と謳っていても、発色剤を使用しているものがあるので、見落としのないように。
臭素酸カリウム(イーストフード) 熱を加えると変化するので、パンは出来るだけトーストにして食べたい。探せばイーストフードを使用していないものもあります。
ソルビン酸カリウム ある程度はお湯に溶け出すので、かまぼこ、ちくわ、はんぺんなどの魚肉製品はお湯に通して食べたい。
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム(かんすい) インスタントラーメンは、麺を茹でるお湯とスープに使うお湯は別にしたい。

参考文献/雑誌「Quark」1996年11月号(講談社)

 以前、割り箸にも防カビ剤が塗られていて、お湯に溶け出すという話を聞いたことがあります。そんな割り箸でカップラーメンを食べるようなことは避けた方が良いかもしれません。

 

 さらに詳しいことを知りたい方には、下記がお薦めです。

   渡辺雄二著 「コンビニエンスストア 食べ物安全通信簿」(光出版)

   渡辺雄二著 「食卓の化学毒物事典」

 

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