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リグニン製品「リグノスーパー」                                                                     

リグニン接着剤


石油に代わる植物資源リグニン

 リグニンは、パルプ工場(製紙工場)でセルロース繊維から分離されて出てくる物質です。植物の構造において、リグニンはセルロース繊維の間をセメントのように埋めて強度を保持しています。植物体の中でバインダーの役割を果たしているリグニン、工業的に接着剤やプラスチックの原料として利用できます。
 しかし、これまで、リグニンはあまり知られていませんでした。工業的には、バインダー等の用途で僅かに利用されてきただけです。
 何故でしょうか?最大の理由は、リグニンの利用技術が遅れているからです。これまでの化学工業は、ほとんど石油のみに頼りすぎて、植物資源の利用研究が決定的に遅れているのです。
 中国、東南アジアでは、経済発展により紙の生産量が急増しました。しかし、リグニンはほとんど未利用のままです。その潜在量は、中国だけで年間約1000万トンになります。もし、世界中のリグニンを有効利用すれば、石油の消費量を、目に見えて減らすことができます。
 リグニンは、石油に代わる、再生可能な貴重な資源です。


植物中のリグニン

 木や草、大部分の植物で、リグニンはセルロースの次に多く含まれる物質です。セルロースが植物繊維として骨格を成しており、リグニンはその間を埋めるセメントの役割を果たしています。
 リグニンは、私たちが口にする食物にも含まれており、日常的に体内に取り入れられています。人体に全く無害な物質です。


期待されるイネ科植物リグニン

 木材をほとんど唯一の製紙原料としている日本、欧米と異なり、中国では、製紙原料に稲ワラ・麦ワラ・さとうきびのしぼりかす・アシ・竹などイネ科植物を使用しています。
 当社はここに、パルプ廃液活用の新たな有用性を見出しました。というのは、イネ科植物リグニンが木材等のほかの植物リグニンと異なる特殊な化学構造を持っていて、接着剤や合成樹脂の原料として利用が期待できたのです。
 イネ科植物リグニンの化学構造は、フェノール樹脂の主原料であるフェノールと非常によく似ています。フェノール樹脂は、石油化学系の代表的合成樹脂で、プラスチック、接着剤、塗料など幅広い分野で利用されています。
 当社は、イネ科植物リグニンをフェノールに替えて、フェノール樹脂に匹敵する樹脂製品の開発をめざしました。


リグニン接着剤の開発

 当社は、会社設立時からイネ科植物リグニンを主原料とする接着剤の開発に取り組み、特許取得しています。(日本特許第336189号、中国特許第115997号)
 2002年には、中国接着剤工場で試験生産に成功、更に、その接着剤を使用したボードの試験生産に成功しました。


リグニン接着剤の用途
 
 リグニン接着剤は、木質系ボード、合板などの用途に適しています。

[例1] 中密度繊維板(MDF)
 2002年に、中国黒竜江省ボード工場で試験生産に成功しました。
性能は、下表のとおり。
性能
曲げ強さ(N/mm2 30
ホルムアルデヒド
放出量(mg/l)
0.1以下(検出限界)
    *試験方法はJIS A 5906(中質繊維板)に準拠

[例2] 合板
 テーブルテストで、リグニン接着剤を使用した合板を試作、性能は下表のとおり。       
性能
圧縮せん断強さ(N/mm2 20
煮沸繰り返し試験、接着強さ 7.2
ホルムアルデヒド
放出量(mg/l)
0.1以下(検出限界)
     *試験方法は、JAS(普通合板)に準拠


リグニン接着剤実用化に向けて


 試験生産の成功により、リグニン接着剤の製造技術は確立しました。
 また、従来の石油化学系接着剤と比較して、ホルムアルデヒドを発生しない、コストが低いなど様々な優位性が実証されました。
 リグニン接着剤は、本格生産の段階に来ています。今後、本格設備の導入、量産体制の確立、販売事業の開始を進めていきます。
 リグニン接着剤実用化早期実現に向けて、全力で取り組んでいます。


リグニン製品「 リグノスーパー」

  リグニン接着剤に先立ち、リグニン製品「リグノスーパー」を発売開始しました。
 リグニン接着剤は製紙黒液(主成分リグニン)を化学変化させ合成樹脂化したものですが、「リグノスーパー」は製紙黒液を化学変化させずそのまま粉末化したものです。リグニンはそのままでも優れたバインダー効果を発揮します。 詳しくは、「リグノスーパー」のページをご覧ください。  →リグノスーパー