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★2005年4月23日より26日の紀行文★
山之辺の道・斑鳩・西ノ京・奈良公園散策の旅 |
◆山之辺の道散策
◆23日20時50分のJR夜行バス・ドリーム奈良号にて東京駅を出発。翌24日6時5分にJR奈良駅着。
バスで来て若葉あふれる古道行く
花散りて若葉まぶしき古道かな
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内山永久寺跡の芭蕉句碑。
ここ永久寺は1113年に建立された名刹。盛時には大伽藍を誇っていたが、今ではわずかに池のみ残すだけとなった。歴史の厳しい無常か・・・・・。池の端に若き日の芭蕉句碑が静かにたたずむ。
花散るや歴史を残す池の石 |
夜都伎神社境内。 カヤ葺きの屋根も美しい小さな神社建築。
手にも乗る若葉に染まる朱の鳥居 |
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衾田陵の古道。
継体天皇の皇女、手白香皇女陵があり、柿の群生地に囲まれている。新緑に輝いていた。遠景には、大津皇子の魂が眠る二上山を望める。
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山之辺の野辺の菜の花皇子に捧げん
春の道二上山を背におい歩く
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長岳寺楼門と本堂。
新緑の若葉がみごとであった。
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◆長岳寺境内。一願成就の鐘堂近く。
ふりそそぐ青葉若葉と鐘の音 |
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神がおわす山、三輪山への道。
三輪山を目指して歩く古道かな
鶯や三輪山指して飛行機雲
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◆檜原の里。大和三山と二上山遠景。→
汗をかき息を弾ませて高台に登ると、そこは素晴らしい場所であった。大和三山が一望の下に指呼の間に望まれた。香具山・畝傍山・耳成山。遠くには、あの悲劇の皇子・大津が眠る二上山も良く見える。心地よい涼風により汗はすっかり引いてしまい、しばし佇み、声も無く見とれてしまった。
春霞 天皇の都(くに)の跡 |
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◆山之辺の野に咲く、見事なボタン二輪。 |
★山之辺の道の散策はこころ楽しいものだ、早朝の6時にJR奈良駅に到着。余り睡眠が取れず頭がはっきりしないまま天理駅え。タクシーで石上神宮へ向かう、そこが山之辺の道の始まりである。
若葉に萌える古道を歩き始めると頭がはっきりと爽やかになって来た。素晴らしい天気であった。タンポポが咲き、鶯が優しく迎えてくれる。雲雀も元気に囀っている。命が賦活されるようだ。早朝の古道には、私一人しかいない。時々土地の人に会う。「お早うございます」と言葉をかけると「良い天気で良かったですね」と返ってきた。いいですねー。
途中、長岳寺までは人に会わなかった。心行くまで山之辺の新緑を楽しんで歩いた。大神神社一の鳥居前の「森正」にて昼食。ここまで5時間の散策であった。目的の「ニュー麺」を注文する。いつ食べても美味しいものだ。満足、満足・・・・・・。
風薫る 喉こしすずし三輪の麺 |
◆斑鳩・西ノ京散策
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◆斑鳩の塔・発起寺 ⇒写真を拡大
斑鳩はうぐいす鳴くや鐘の音
山笑う古道を行くは心地よき |
発起寺や蓮華と鳥と長閑なり
春霞 蓮華畑に塔二つ
タンポポや野仏おわす大和道
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◆斑鳩の塔・法輪寺。
法輪寺は雷に被災し焼けた。現在の塔は再建されたものである。最後の宮大工と言われた、西岡常一氏の弟子が再建したと聞く。素晴らしい匠技である。
蓮華草 法輪寺に見た匠技
タンポポや気ままに歩く一人旅 |
◆法隆寺五重塔。 この寺については多くを語るまい・・・・・。
法輪寺 発起寺法隆寺に続く古道かな |
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◆西ノ京の薬師寺東塔。
いつ見ても素晴らしい塔である。伽藍の中で唯一残った天平の建造物である。上部にある「水煙」は有名である。アメリカの美術史家フェノロサは「凍れる音楽」と評した。
東塔や秋篠川の草若葉
※近くの田舎料理「草ノ戸」で食事する。
春日和 汗かき辿る田舎めし |
★斑鳩の道は太子が歩いた道である。
私は、発起寺から歩く道が好きである。JR大和路線で二つ目の大和小泉駅下車、富雄川を渡るとすぐに発起寺が眼前に入ってくる。わざと畑中の道を歩く。こころ楽しきひと時である。
蓮華が咲いていた。発起寺は蓮華畑が良く似合う。タンポポも足元を優しく迎えてくれた。法輪寺・発起寺の二塔の良く見える所で、持参した「柿の葉ずし」を開く。勿論、奈良の銘酒と共に朝食をとる。通りがかりの土地の人がニコニコ顔で声をかけてくれた。ここから少し行けば、法隆寺の塔も見えてくる。そんな、私の好きな場所である。
斑鳩は柿の葉ずしと春霞
法隆寺で百済観音に会い、西ノ京に向かう。薬師寺は、いつ訪れても活気のある寺だ。今日も活き活きと輝いていた。修学旅行の生徒が多く来ていた。
東塔が冴えわたるなり春光る
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◆奈良公園散策
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◆奈良公園・依水園の藤。
奈良公園の早朝は意外と車の騒音がうるさかった。
春の朝 奈良公園も騒がしや |
◆早朝の二月堂参道。 いつも静かな道だ。
汗拭けば若葉に鐘の二月堂 |
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奈良公園の鹿。
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風光る奈良公園で鹿を撮る |
◆東大寺大仏殿。 さすが世界遺産の建造物だ。圧倒される。
花吹雪 鴟尾(しび)も霞むや東大寺 |
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◆興福寺五重塔。
こころ和む場所である。ここは私の指定席だ。昼食を近くの「江戸川」で取る。うなぎ料理の専門割烹である。
青丹よし鰻重一献若葉冴え |
◆高畑界隈。
ここは緑に囲まれた良い環境だ。あの志賀直哉も七年位過ごした所でもある。山吹が白い土塀に咲いていた。
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◆新緑に映える浮御堂。 ⇒写真を拡大
飛火野や若葉萌えたつ雨上がり
雲去れば若葉がそそぐ浮御堂
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★奈良公園は歴史の宝庫である。奈良博物館には、世界に誇る古き仏たちがおわす。こころ行くまでお会いした。
飛火野の新緑は、すばらしいの一言であった。鹿達も優しく私を迎えてくれ、のんびりとした時間が過ぎてゆく・・・・・・。
春うらら鹿にはやらぬ蕨もち
大和路の旅は、本当にこころ楽しい旅だ・・・・・・・・・・・・。
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