隔物灸について

  無痕灸(無瘢痕灸、間接灸、温灸ともいう)の一種。皮膚と艾の間に生姜、大蒜、味噌、塩などを介在させ、温熱(湿熱、乾熱)や介在物の含有成分による作用等を期待する灸法。

1.生姜(ショウガ)灸

 伝統的な手法では、生姜の根を2〜3〜5mm前後の厚さに輪切りする。7〜9mmの厚さに輪切りして使用することもある。厚く切る場合は、楊枝や針などでいくつか穴をあけて使用する。角切りにする場合は、適当な大きさの輪切り生姜から角に作る。
艾は温灸用を用い、生姜の厚さに合わせて艾柱の大きさやひねり具合(硬度)を加減する。切艾を用いることもある。施灸部の紅斑を目安に終了する(2〜3壮程度)。生姜は、毎回取り替える。同じ生姜を続けて使用すると、すでに水分の温度がかなり上昇しているため、すぐに熱く感じる。
大きい艾柱を用いる生姜灸では、水分の温度上昇に伴い、温感から急激に熱痛に転じ、がまんすると大きな熱傷を生じることがある。

2.大蒜(ニンニク)灸

 市販の大蒜で鱗茎の大きいものを用意し、外皮と膜を剥がして小鱗茎にする。伝統的な手法では、小鱗茎を2〜3〜5mm程度に輪切りする。厚く切る場合は、楊枝や針などでいくつか穴をあけて使用する。

3.味噌灸

 市販の味噌を用意し、直径2〜3mm、厚さ3〜5〜7mmの円形に形を整える。

4.塩灸

 施灸部位は臍(神闕)で、介在物として塩を用いる。古書には、腹痛、下痢、慢性腸炎、虚脱時の四肢の冷えなどに用いるとある。 塩を臍に盛り上げるように埋め、上面を平らにして艾柱または切艾を置き、点火する。