知熱灸について

 

用いる艾柱のサイズは、小さいもので半米粒大〜米粒大、大きいものでは小豆大〜大豆大であり、子供では糸状大を用いることもある。

 温感の合図があれば艾柱を取り除き、局所の紅斑を認めた時点で終了する。艾柱が、ほぼ70〜80%燃焼した時点で除去・消火することから艾柱の燃焼率に応じて7分灸、8分灸ともいわれる。

 半米粒大〜米粒大を用いる場合の手法には、温感の合図があれば母指と示指で艾柱をつかみ取って除去・消火する方法と、艾柱を指頭で押しつぶして消火する二方法がある(図の左)。
艾柱が大きい場合は、温感の合図があれば母指・示指または中指を加えた3指で底面近くの燃えていない部分を挟むようにつかみ取って除去し、消火する(図の右上)。ピンセットで挟んで除去したり(図の右下)、綿花等で両方から挟むようにつかみとって除去する方法も行われる。

 大きい艾柱の使用では、とりわけ事前に手法の特徴をよく説明し、温感があればすぐに合図するように伝える。合図の遅れが大きな熱傷の発生に連なったり、あわてて艾柱をつぶし、思わぬ事故を起こしたりするので十分に注意する。極端に温度感覚が低下または消失している者では、他の安全な方法を選択する。