◆朝日新聞より転載 [患者を生きる・バックナンバー] |
|
シリーズ 患者を生きる |
|
<患者を生きる-7> 投書編・・・・
|
|
◆アルコール依存との関係についての質問です。 回答者は成増厚生病院(東京都板橋区)の新貝(しんがい)憲利院長です。 総合病院で普段から多くのうつ病の患者さんと接していますが、アルコールに対する依存の度合いが高い人が多いような気がしています。 <解答> 治療でもアルコールは大敵です。酒を飲んでいると薬の効きが悪くなったり、病状を更に悪化させたりして、治りにくくなってしまいます。 このような対処の仕方により、本人がアルコール問題の治療が必要だと気付き、自らの意思で医療機関を受診するようになれば回復への大きな一歩となります。
◆復職へのステップ 回復度に合わせて 回答者は「うつ・気分障害協会」代表で保健師の山口律子さんです。 IT関連企業で働く30代の息子が、うつ病で休職しました。1年後、通院先の精神科医から復職にゴーサインが出たので会社に相談しました。 <解答> 復職の判断基準としては10時間程度(通勤時間プラス勤務時間)の外出ができること、80%程度の職業能力の回復、精神的ストレスに対処できることなどが求められます。半日のリハビリ出勤だからといって半日分の体力で復帰するのではなく、8時間は働けるまで回復してから始めることが大切です。 会社は、病院やリハビリ施設ではありません。働くための健康管理は、本人・家族が自分たちできちんとできることが前提です。復帰に向けての基礎体力作りや、現在服用している薬が業務に与える影響について知り、眠気や集中力の低下などの症状をきちんとコントロールできることが求められます。 また、各都道府県にある障害者職業センターなどの職業能力判定や適職判定を受けることで、自分の職業能力の回復度や適性がわかります。復職判定やリハビリ出勤の際に、客観的なデータで会社側と交渉することもできます。 ご相談のケースでは、産業医や保健師に相談し、上司との仲介役をお願いしてみてはいかがでしょうか。それでもうまくいかない場合は、障害者職業センターや労働局の労働相談をお勧めします。 |