4.食べてはいけないものは

昔からなじんだものを

腹八分に医者いらず

 世の中に食べてはいけないものは、原則としてありません。ただ、その風土にあったものを食べることが一番体に優しく、効率よく栄養素を活用できることになります。

 日本人は穀物(米・粟・稗・麦・豆)を主食にし、大豆・小魚・海藻・旬の野菜を中心とした食生活が適しています。また「腹八分に医者いらず」とも言われているように、食べ過ぎは体によくありません。ところが、現在の流通から見ますと、国内にとどまらず世界中のものが手に入り、季節を無視して好きなものが、いつでも食べられますから、腹八分にとどめるのは難しくなっています。

 食品を消化吸収するために必要な酵素は、遺伝によって親から受け継がれます。ですから、日本人が昔から食べていた物、馴染んできた物に対しては、よく消化吸収できますが、それ以外の食べたことのないような物に対しては消化が不十分なのです。

 例えば、日本人が南国の果物パパイヤやマンゴーなどを分解する酵素を持っていないために、これらがアレルギーの原因となることがあります。また、お酒を分解する酵素を持っていない親の子供にお酒が弱い場合が多いことや、牛乳についても日本人のような農耕民族では、牛乳の中の乳糖を分解する酵素が少ないので、十分に消化吸収されないといったことも理解すべきでしょう。先祖代々、牛乳を飲み続けてきた民族と違って、乳糖不耐性であることが多く、お腹をこわしやすいのです。暴飲暴食を慎むのはもちろんのこと、日本人の体質に合った本来の食生活を心がけましょう。