3.私たちに合った食生活とは
穀物菜食が人間本来の適応食
旬のものを丸ごと"が理想
私たちの生命維持に欠くことのできない食物は、太陽・空気・水・大地など、大自然からの産物です。
したがって、自然の法則にかなった食物こそ、健康な心身を保持していくためには、欠かすことのできないものなのです。農薬や食品添加物などの化学物質を使用したものや、白米などの食物を精白して部分的に摂取し続けることは、体によいわけがありません。
ここで三つの言葉をご紹介します。
[適応食]動物にはそれぞれ歯の形、腸の長さなどに、その適応食が表れています。私たちに合った食生活を考えてみましょう。成人の歯32本のうち、20本は臼歯です。また前後・左右と自在に動く下顎の運動から見てもわかるように、人間は穀物菜食に適しています。腸は肉食動物よりも長くてヒダが多く、絨毛も発達しています。特に日本人は欧米人に比べ腸が長く、肉食よりも菜食に適しています。
また、口内で最初に分泌される消化酵素の一つにプチアリン(アミラーゼ)がありますが、これは糖質を分解する酵素であり、肉食動物の口内消化液には分泌されないものです。このように、私たち人間の本来の適応食は、歯の形、腸の長さなどから考えても穀物と菜食であると考えられます。
[身土不二]自分の生まれ育った土地で生産された旬の食物は、長年培ってきた体質に適し、健康上一番よい。そのような食物を摂りましょう、ということです。食品売り場では、年中通して同じものが並んでいますが、はしりを摂るよりも、出盛り期のものを使用するのが望ましいのです。
[一物全体食]食物は、栄養のバランス上、全体食が理想です。米は精白しない玄米を、大根は葉の部分も捨てずに、小魚は頭から丸ごと食べれば、よりバランスのとれた栄養をとることができます。自然の恵みを余すことなく、まるごと摂取して初めて食物は生かされるのです。