<脉状診の臨床>  

 「伝統鍼灸治療学」 上下巻

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 「あとがき」より

 いつの間にか、私の鍼灸臨床も40年以上が過ぎてしまった。
 昭和43年(1968)2月に、故福島弘道先生にお会いしこの道に入る覚悟を決めたものである。今から思えば私は幸運であった。鍼灸医学の正統である「経絡治療」の世界に最初から入る事が出来たのであるから・・・・・。
 当時、弘道先生は東洋はり医学会会長であり、会員は全国に500名近く所属する経絡治療の一大集団であり、それを見事にまとめ率いていたのである。私はそこで、経絡治療のイロハから修行できたのである。特に、伝統的鍼灸医学の中核になる「脉状診」の重要性につき学ぶ事が出来たのは大きかった。勿論、今から思えば不十分な内容ではあつたが・・・・・。

 漢方鍼医会を立ち上げたのは平成4年(1992)10月である。正式には翌年の3月に設立したのであるが、そのきっかけになったのは池田政一氏の講義であった。氏は講義の中で、今の経絡治療には「病理」の考え方が無いと言い切ったのである。これには正直驚いた。病理とは、端的に言えば「病証」のことであると理解している。漢方鍼医会の初期3〜4年間は、池田氏から鍼灸における「病理」を徹底的に研修したものだ。池田氏には本当に感謝している。

 私は、難経医学こそ伝統鍼灸の中核になる臨床指導書であると思っている。故八木素萌氏には難経講義を何回お願いしたか・・・・。八木氏の真摯な講義により、難経医学の真意が何なのか少しずつ理解されてきた。本当に有り難かった。

 伝統鍼灸の真髄は「素問霊枢」にある。特に「素問医学」の理解こそがカギとなるものと考えていた。故島田隆司氏は、素問研究に一生を捧げられた指導者である。私は、「素問」と「酒」を陰に陽に島田氏からご指導いただいた。私にとっては、本当に得難い先達であつた。中でも、素問第62「調経論」の研修は私の鍼灸臨床の核になっている。

 故井上雅文氏は、理工科系的で少し誤解されやすい性格の人だ。しかし、井上氏の中国・金元明時代に確立された「人迎気口診」の臨床研究は実に素晴らしいものだ。私は全く魅了されてしまった。この「人迎気口診」こそ、伝統鍼灸医学の真髄であると心底思っている。臨床実績も確かなものである。まだまだ研究の余地は大いに残されてはいるが。

 今回発行した「伝統鍼灸治療学」上下巻二冊は、私の鍼灸臨床40年以上に及ぶ集大成である。聊か重複する内容もあるが、脉状診と病証を基本に置いた臨床実践の著作である。私がこの道に入り、真摯に実践してきたものを記録し残した著作でもあるのだ。

 

 

 

自 序

 鍼灸医学の価値は、東洋の伝統を踏まえた臨床学術の継承と発展にあると私は思っている。それは、東洋の風土に培って体系されてきた全人的調整医学であり、決して解剖学的修繕医学や手術中心・薬中心の医学などではない。その為、日本の伝統鍼灸医学は以下の内容を包含するものとしている。
1.古代中国の医学思想を基礎とした臨床医学である事。
2.日本の風土に培われ発展し構築された臨床医学である事。
3.身土不二を基礎とした全人的調整を目的とした臨床医学である事。
4.人間の手指等による体表観察を重視した臨床医学である事。

 『素問』第62調経論は、古典医学を臨床実践する上でも大変に重要な篇である。調経論には、精気の虚が病気だという事や四病型の基本病証論だけではなく、虚実補瀉・気血・経脈・邪についての考え方も述べられているが、ここでは五蔵の精気不足・有余に対する病証と補瀉について考えてみる。
 調経論にては肺の精気は気であるとし、これが有余・不足したときはどのように考えていたのか。有余するということは肺気が鬱して喘咳、逆気しのぼせる。いわゆる肺熱上気となる。不足とは肺気が少なく呼吸が浅くなる病証。いわゆる少気となる。それからもう一つの病証には「魄気微泄」といって、皮膚にやや生気がなくなり肺気がわずかにもれている病証がある。
 このような有余・不足・魄気微泄の病証に対して、調経論ではどのような鍼手法を行っていたのか。有余、いわゆる上気の病証に対しては経脈を軽く瀉す手法。不足、少気の病証は軽く経脈を補う手法。魄気微泄の病証に対しては、鍼先を皮膚に軽く接触するだけの手法を主張している。
d特に「魄気微泄」の病証は日常臨床にて多く扱う病症である。ここ数年は気候不順で寒暖の差が激しい日を繰り返している。来院する患者も、陽気虚の病証を訴える者が多い。これと言ったはっきりとした病症を現してはいないが、原気不足や倦怠感が取れない、身体が中々温まらない等々を訴える患者が多く来院している。
 この様な病症こそ肺気虚による「魄気微泄」の状態を現していると思う。この様な病証は、『難経』76難にある衛気の手法で対処すべきである。

 漢方における病証の基本は寒熱虚実論にあると考えている。どこの経脈に熱があり冷えがあるのか、臓にも熱が有り冷えがある。腑は必ず熱かといえばそうではなく冷えもある。
 四診法で捉えた寒熱が気の停滞によるものなのか、血の量が少なくなった為か、津液のアンバランス、たとえば食事の不摂生や薬を飲みすぎた為なのか・・・。臨床現場では気血津液の過不足が問題となるのだ。
 また、漢方には奔豚だとか反胃だとか色々な病証があるが、現す病証にはその裏側に病理が隠されている。その病理の大本は、気血津液の虚実や過不足・停滞こそが決め手となるのだ。
 伝統鍼灸の光を消さずに後世につなぐ為にも、この様な研修方法を着実に進めていくことが今後とも重要になろう。

 今回発行した脉状診の臨床「伝統鍼灸治療学」上下巻は、私の鍼灸臨床40年を通した集大成として、鍼灸医学の中核である脉状診の臨床実践書として編集したものである。臨床の座右に置き参考にしていただければ幸いである。

   2016年3月15日

上巻目次

≪第一章≫ 基礎理論
【1】古典鍼灸の基本概論
1.古典の生理学   2.古典の基本理論   3.陽気、陰気   4.五蔵の生理・病理
5.五蔵の陽気陰気と生理   6.各証の病理について  7.他蔵と協調する五蔵の生理病理
【2】素問霊枢における気の考察
1.気の分類   2.気の生理と病理   3.気の診断学的意義  4.気の治療上での応用
5.「内経」における気の分類
【3】陰陽虚実について
1.はじめに   2.陰陽   3.気血栄衛   4.虚実
【4】体表観察と臨床
1.はじめに   2.目的   3.臨床応用の診察範囲   4.気血津液の具体的触覚と病証
5.臨床応用と運用   6.体表観察の実際   7.結語
【5】陽気陰気と臨床
1.五蔵の生理作用   2.古典の病理学   3.陽気陰気の臨床考察
◇脉診に於ける陽気陰気の実際
◇病症の実際
<参考資料>陽虚証、陰虚証の基本病症
【6】経穴についての資料
1.名称   2.数   3.分類   4.経穴の臨床的意義   5.経穴の取穴方法
【7】臨床実践と用鍼
1.初めての体験   2.毫鍼の修練について   3.鍼師神戸源蔵氏のはり
4.小里勝之氏の鍼管と鍼の修練   5.古代の九鍼について   6.最後に一言
【8】気血の指頭感覚
1.「黄帝内経」「難経」に於ける気論   2.臨床の場に於ける気血   3.気血と深浅
4.気血と寒熱   5.気血と左右   6.気血と上下   7.気血と経穴   8.気血と経絡
9.最後に
【9】難経の特質と全体構成
1.難経について   2.難経の特質について   3.難経の全体構成   4.難経の主な註解書
<資料>難経の全内容一覧
【10】難経69.75難について
1.難経69難   2.難経75難
【11】素問第62編「調経論」の考察
1.精気の虚について   2.陰虚の重要性   3.調経論について
【12】漢方はり治療の治療体系
1.治療体系の骨子   2.漢方はり治療と精気   3.精気神論と腎・心・脾胃と精気
4.陽気陰気と病気の本質   5.心腎と三焦
<参考資料>精気の図
6.陽虚・陰実・陽実の臨床応用   7.津液(水)の調整と寒熱の臨床   8.陰虚について
9.漢方はり治療と虚実   10.漢方はり治療における虚実の理解
<参考資料>証の基本病証

≪第二章≫ 脉診と脉状診
【1】脉診の基礎概論
1.「素問」三部九候論の脉診法   2.「素問」脉要精微論の脉診   3.人迎脉候診
4.難経の脉診法
【2】臨床脉診の修得について
1.はじめに   2.脉診文献の多様性と臨床脉診   3.鍼灸臨床における病理
4.浮沈脉の脉証と病理   5.脉状診と脉差診(虚実診)   6.まとめ
【3】胃の気脉診と五臓六腑
1.胃の気脉診について   2.五臓六腑の概略
【4】15脉状と脉状の文献
1.15脉状の特徴   2.15脉状の文献
<資料-1>中脉論・胃気論についての文献
<資料-2>四時・五臓正脉論の文献 ◇五蔵平脉の文献表
<資料-3>祖脉・28脉状分類の文献
【5】七脉状の臨床考察
1.浮脉   2.沈脉   3.遅脉   4.数脉   5.滑脉   6.しょく脉   7.弦脉
【6】脉診概論と基本脉状
1.はじめに   2.脉状診と四時の旺脉   3.五臓の正脉   4.病脉と祖脉
【7】脉状診について
1.脉差診(虚実脉)と脉状診   2.祖脉の臨床的意義   3.脉状と脉証
4.病理の基本、陰虚について   5.素問第62調経論の病証   6.七脉状論と寒熱論
【8】脉状と脉証、虚脉・実脉の考察
1.証の基本と病理   2.脉状と脉証   3.虚脉の考察   4.虚脉の臨床考察
5.実脉の考察   6.実脉の臨床考察
【9】七脉状と脉証の臨床考察
1.浮脉の臨床考察   2.沈脉の臨床考察   3.遅脉について   4.数脉について
5.滑脉について   6.しょく脉について   7.弦脉について
<参考資料>滑脉・?脉・弦脉の文献
【10】脉状と脉証の臨床的意義
1.脉状と脉証の意味   2.七脉状と寒熱論
【11】各部の脉状と病理考察
1.浮虚の脉証   2.浮実の脉証   3.沈虚の脉証   4.沈実の脉証   5.遅脉の病証
6.数脉の病証   7.滑脉の脉証   8.しょく脉の脉証   9.弦脉の脉証

≪第三章≫ 人迎気口診
【1】脉診の変遷と人迎気口脉診
【2】人迎気口診の病証
1.虚労虚寒(虚労表寒)   2.虚労寒湿   3.労倦湿症(労倦湿熱)   4.気虚寒湿
5.気虚虚寒(気虚表寒)   6労倦虚風   7.血虚湿症(血虚湿熱)   8.血虚虚風
【3】人迎気口診の歴代文献
【4】人迎気口診の臨床資料
1.人迎気口脉診法の基本   ◇人迎気口診の脉証と病証<表1>
2.人迎気口脉診の取り方
3.内傷病証と外傷病証(選経論の基本)
@「三因極一病証方論」の内傷外傷
A「三因極一病証方論」による邪の侵襲と内傷病の伝変
B臨床病証(虚証)の選経基本
C虚証の病証経過による四段階(滑?脉の順逆病証)と選経
◇虚証病証の選経基本表<表2>
◇燥証病証の選経基本表<表3>
◇燥証について
4.主病証と滑脉・しょく脉  ◇主病証と滑脉・?脉の関係表<表4>
◇病理解説
@滑脉に順応する主病証  A?脉に順応する主病証
B実脉病証(風熱,傷寒実熱、傷寒)の順脉病証表 <表5>
◇急性風邪(肺虚陽実証)・風熱の選経選穴
C虚脉病証の滑脉・しょく脉の順逆病証表<表6>
5.人迎気口診の選穴
6.実証(外傷病証)の病証経過と選経選穴
陽実・陰実病証の選経基本表<表7>
7.三焦、三焦経の基本選穴<表8>   8.病邪脉による選穴の基本<表9>
9季節の気(時邪)の選経選穴表<表10>
◇気口人迎の病証表<表11>
◇五臓の正脉・大過脉・不及脉と五悪、五役、五主<表12>
10.八会穴について
11.脉証と背兪穴、募穴の選穴
@外傷病証が主病証の選穴→募穴
A内傷病証が主病証の選穴→兪穴
12.傷寒の治療
@傷寒とは   A治療   Bその後の治療は「傷寒」の選経選穴で行う
C傷寒病が改善されない場合の経過
13.人迎気口診の腹証<表13>
14.難経49,50,68難の選経選穴の基本<表14>
15.脉証と脉状・症状の関係表<表15>
<臨床資料>臨床病症と基本脉証・主証との関係表
<臨床資料>臨床カルテ

≪第四章≫選経選穴論 
【1】選穴論について
1.病気の根本は精気の虚にあり   2.選穴の意味   3.経穴について
4.臨床選穴論   <参考>素問における五味論の文献
【2】選穴の基本文献
1.はじめに   2.「難経」の選経選穴論に関する諸難   3.穴性論に関する諸難と選穴の関係
4.陰陽剛柔選穴論に関する諸難   5.「難経」医学の選穴原理
6.経脈と経穴の法則性   7.五兪穴病証   8.素問における五味論の文献
9.五味論の選穴応用
【3】古典の選経選穴資料
1.相生関係の選経選穴   2.気血津液論の選穴   3.瀉火補水の選経選穴
4.剛柔による相剋型の選経選穴   5.五邪に対する選穴
6.胃気と四時の旺脉、病脉による選穴   7.その他の選穴
【5】難経の選経選穴論
1.45難について   2.49.69難について   3.50難について   4.33,64難について
5.63,65,68難について   6.62,66難について   7.69,79難について
8.67難について   9.73難について   10.70,74難について   11.75難について
12.77難について
【6】素難医学の陰陽五行論
1.素問   2.霊枢   3.難経
【7】陰陽剛柔選穴
1.運気学説   2.生旺墓と三才   3.難経三十三難   4.気血津液論と剛柔論
5.相剋の生理と剛柔の病理   6.証と剛柔   7.考察
<参考>池田太喜男氏の資料
【8】下合穴の臨床応用
1.はじめに   2.臨床実践に於ける選穴の意義   3.下合穴の考察
4.症例報告   5.まとめ
<臨床資料>交会穴一覧

≪第五章≫臨床手法論 
【1】難経刺法論
1.七十難   2.七十一難   3.七十二難   4.七十四難   5.七十六難
6.七十八難   7.七十九難   8.八十難
【2】衛気営気の臨床手法
1.はじめに   2.営衛とは   3.営衛と手法との関係   4.難経医学における営衛の手法
5.営衛手法の具体的手順   6.営衛手法の一応用例   7.その他   8.終わりに
【3】古典にみる衛気営気の手法
1.難経七十難   2.難経七十一難
<資料-1>難経七十一難、衛気営気の基本的手法
<資料-2>難経七十六難
<資料-3>八木素萌氏の難経補瀉論に関して
【4】気血津液と手法
1.基本刺鍼の重要性   2.自然体   3.押手の構え方   4.刺手の構え方
5.気血津液と手法   6.衛気営気の手法   7.補の手   8.標治法としての営衛の考え方
<参考資料-1> <参考資料-2> <参考資料-3>
<資料>鍼灸医学の参考図書
1.鍼灸医学(臨床)の基礎   2.東洋医学・論説篇   3.「黄帝内経」と「難経」等の古典解説書
4.「古典」の復刻本・翻訳本・解説本   5.「鍼灸」と「診断」の基礎知識
6.「経絡」と「経穴」   7.「中国医学の古典」読解の必須アイテム   8.一般教養書
9.医学史と東洋医学   10.読んでおきたい雑誌   11.持っておきたい辞書
◇◆ちょっと一言(証、病理、本治法などなど・・・)

◆上巻の「コラム」一覧
1.生命力強化を目指す鍼灸治療
2.総按・単按について
3.恬憺虚無ナレバ眞氣之ニ從イ、精神内ヲ守リ病安ンゾ從イ來ラン
4.臨床で使用する「はり」について
5.透熱灸について
6.守破離
7.生旺墓とは
8.鍼灸師の医学の主張
9.滑伯仁の脉診
10.体温は健康のバロメーター
11.お灸療法について
12.陽遁・陰遁とは
13.樋口一葉の肩こり
14.疲労私考
15.魄気微泄と衛気の手法
16.陽気を賦活する陽経からの選経選穴
17.湿熱灸について

 

◇下巻目次

≪第六章≫病理と病証 
【1】鍼灸病証学
1.病証学とは何か   2.虚実について   3.気血について   4.陰虚、陽虚
5.陰血虚・陽血虚と陰気虚・陽気虚(虚労と労倦)
【2】湿について
1.湿   2.寒湿   3.湿熱
【3】心包と三焦
1.心包の位置と象   2.三焦の位置と象   3.三焦の生理
【4】病理と脉証
1.病理の重要性   2.陰虚・陽虚と寒熱
<資料1>基本証の病理・病証・脉証・治法表-1   基本証の病理・病証・脉証・治法表-2
3.伝統鍼灸医学の流れ   4.臨床と気血栄衛
<資料-2>人体の気の構造
<資料-3>陽気の循環
<資料-4>陽気の発散と停滞
【5】八綱理論の大要
1.はじめに   2.八綱理論とは   3.八綱理論の運用
【6】虚証について
1.虚証   2.陰虚   3.陰虚の病証   4.陽虚について   5.湿症について
【7】臨床虚実論の考察
1.はじめに   2.虚実の定義   3.精気の虚   4.病理の虚   5.病理の実
6.病症の虚実
【8】表裏の臨床応用
1.はじめに   2.気の病位と病症「外感病」   3.血の病位と病症   4.まとめ
【9】陽気陰気と寒熱
1.陽気陰気と病気の本質   2.陽気陰気の基本   3.精気の図   4.心腎と三焦
5.陽気陰気の再論   6.陰虚について   7.陽気・陰実・陽実の臨床応用
8.津液(水)の調整と寒熱の臨床   9.まとめ
【10】津液・気・寒熱の病証
1.津液の病証   2.気の病証   3.寒熱の病証   4.まとめ
【11】気血津液の病証
1.気の臨床病証   2.血の臨床病証   3.津液の臨床病証
【12】血の病証
1.血について   2.血の病理と病症   3.血の臨床病証
<参考>気血栄衛と臨床
【13】気血津液の具体的触覚
1.気血津液の具体的触覚と病証   2.臨床応用と運用
<参考>@汗について A手足厥冷と煩熱について
【14】基本病症と証の考察
1.睡眠   2.食欲   3.大便   4.便秘   5.下痢   6.小便   7.微熱
8.せき   9.痰   10.月経   11.血圧
【15】虚証・実証病証の考察
1.虚証病証
<気の病証>虚労・虚寒・寒湿・気虚・気鬱
<血の病証>労倦・血虚・虚風・湿症・血鬱
<燥証>虚燥・風燥・労燥・湿燥・痰燥・表燥・気燥・血燥
2.実証病証
<風証>風熱・風寒・風湿・労風・傷寒実熱・傷寒・虚冷・実積・血積・食積・積聚
【16】基本病証の文献資料
1.虚証について
<陰虚>虚労・労倦・血虚・虚燥
<陽虚>気虚・気鬱・血鬱
2.実証について   3.風証について   4.労証について
<参考資料-1>労倦・虚労・神(心)労
5.燥証・熱証について   <資料-2>痰飲病・水気病・湿病
6.寒証・冷証について
<寒証>傷寒・虚寒・寒湿
<冷証>虚冷・冷寒・冷労
7.湿証について

≪第七章≫病証考察と症例 
【1】泌尿器病証の考察
1.はじめに   2.浮腫と小便不利   3.排尿異常   4.夜間排尿、小便閉、尿失禁
5.まとめ
【2】循環器病証の考察
1.はじめに   2.血圧について   3.証について   4.病理について   5.心臓疾患
6.賁豚気・征仲・驚気   7.臨床上の注意と選穴   8.まとめ
【3】冷え病証の考察
1.古典文献での冷えの捉え方   2.血と冷え病証   3.気と冷え病証
4.?血と冷え病証
<参考資料>冷え性の分類→虚実
【4】風証の病証考察
1.風と「かぜ」について   2.感傷中と風邪の衛気営血への侵襲   3.五臓・胃と風論
4.横田観風氏における「風」の考え方   5.風証の病症と病証
6.外風病証・内風病証
<外風病証>風熱・風寒
<内風病証>虚風・風湿・風燥
【5】寒熱の病証考察
1.はじめに   2.寒熱の病理考察   3.寒熱の重要点   4.湿邪   5.熱邪と燥邪
6.臨床応用   7.手足厥冷   8.寒証・熱証   9.寒熱と経絡・蔵府の関係   10.まとめ
【6】下合穴の病証考察
1.はじめに   2.臨床実践に於ける選穴の意義   3.下合穴の考察   4.臨床実践
5.症例報告   6.まとめ
【7】八綱理論の臨床考察(陰陽・寒熱を主として)
1.八綱について   2.寒熱の重要点   3.表裏の重要点   4.虚実の意義   
5.陰証と陽証   6.陰虚と陽虚   7.表裏について追加   8.寒証と熱証
9.食欲について   10.不眠症について
【8】疲労・痛み・風邪症候群と証
1.疲労を主訴とする病証   2.痛みを主訴とする病証・腰痛   3.風邪症候群
【9】諸病症の病理考察
1.肩こり症   2.不眠症   3.自律神経失調症(神経症)   4.食欲不振
5.冷え症   6.頭痛と頭重   7.便秘と下痢   8.腰痛症   9.肩関節痛(五十肩)
【10】顔面神経麻痺の症例
1.はじめに   2.病因と病理   3.蔵府経絡について   4.症例
◇知熱大灸について
5.考察
【11】高血圧病症の症例
1.はじめに   2.高血圧病症の整理   3.伝統鍼灸の治病理論   4.症例
5.まとめ
【12】アトピー性皮膚炎の症例
1.全身に赤黒い湿疹が・・・   2.病因は冷えにある 

≪第八章≫医考
【1】日本漢方医学と漢方はり治療
1.伝統医学の成立「黄帝内経」について   2.中国伝統医学の基本的文献
3.臨床理論について   4.「医心方」編纂と日本における医学研修
5.宋王朝の成立と日本漢方医学への影響   6.金元明時代の医学革新
7.田代三喜、曲直瀬道三の登場
【2】伝統医学について
1.医学のはじまり   2.鍼灸技術の発生   3.伝統医学への始動 「左伝」
4.伝統医学の誕生   5.伝統医学の成立 「黄帝内経」について
6.薬物治療への道 「神農本草経」   7.伝統医学への体系 「難経」
8.臨床医学の確立 「傷寒論」出版
【3】脉診法変遷の論考
1.はじめに   2.難経の脉診   3.内経の三大脉論   4.脉診の目的
5.脉診法の発見   6.寸口脉診について   7.六部定位脉診法の成立に対する考察
8.経脈の成立   9.素問・霊枢・難経の成立   10.九鍼十二原論と素問の三部九候論
11.扁鵲学派について   12.素問の三部九候脉診   13.素問に於ける尺寸脉診
【4】陰陽五行思想と三焦<命門学説と相火論、三焦・三焦経の考察>
1.はじめに   2.陰陽五行について   3.君火と相火について   4.心と腎の交流
<参考-1>三焦の相火
<参考-2>上焦・中焦・下焦の生理
5.命門学説   6.命門学説の臨床応用   7.まとめ
<参考>三焦の原気を賦活する選経選穴
【5】<随想>伝統鍼灸医学との出会い
1.故福島弘道先生との出合い   2.東洋はり医学会に入会   3.「経絡鍼療」を編集
4.故島田隆司氏との出合い   5.池田政一氏との出合いと「古典の学び方」
6.鍼灸の臨床に病理を   7.東洋はり医学会を退会   8.漢方鍼医会を創設
9.学会誌「漢方鍼医」を編集   10.おわりに、「漢方鍼医」をめざす
【6】吉益東洞の医学理論
【7】内藤希哲<五経一貫説を主張>
【8】緒方洪庵
<資料>扶氏医戒之略
【9】お脉拝見と病症考察
1.足利尊氏   2.杉田玄白   3.夏目漱石   4.正岡子規

≪第九章≫参考資料
【1】鍼灸病証学について (井上雅文)
1.病証学とは何か   2.病証学の基本概念   3.病因と病証の機序
4.陰虚と陽虚   5.まとめ
<参考>病証と脉証
【2】心包三焦論と鍼灸臨床 (池田政一)
1.古典医学の考察(命火と気血営衛の生成)   2.証と三焦との臨床的関係
3.経絡と五臓の生理、心熱の病症   4.脉診法とは、脉状診について
5.寒熱と三焦、陽気の治療   6.水気の治療について   
7.三焦の原気(原穴・土穴)の選穴   8.三焦経の選穴
【3】尺皮診について (八木素萌)
1.「難経」の尺皮診に関する記述   2.「健康な人の皮膚」と「病弱な人の皮膚」
3.「血脈を診る」と言う場合の「血脈」について   4.「尺皮診」に緊密な関係があるもの
5.「病因」が「寒」である   6.「尺皮診」に「五臓」という意味合い
7.尺皮の状態を示しているもの
【4】難経医学と経絡治療 (八木素萌)
1.鍼灸における証   2.六部定位比較脉診と脉状診   3.虚実と補瀉
4.「難経」謎解きの旅   5.「難経」の位置付け   6.「難経」の読解と臨床
7.終わりに
【5】啓迪集弁引 (曲直瀬道三編「切紙」より)
【6】治病には必ず本を求めよ (張介賓「類経」より)
【7】基本証の病理・脉証・腹証・病証 (福島賢治)
1.基本証について
2.病理と病証?
◇陰虚証  @腎虚陰虚証 A脾虚陰虚証 B肝虚陰虚証 C肝虚肺燥証(肺の陰虚証)
◇陽虚証  @肺虚陽虚証 A脾虚陽虚証 B肝虚陽虚証 C腎虚陽虚証
◇陽実証  @肺虚陽実証 A脾虚陽実証
◇陰実証  @肺虚肝実証 A脾虚肝実証
○陰盛について
3.最後に(臨床研究について)

◆あとがき

◆下巻の「コラム」一覧
18.旺相死囚休とは
19.漢方医学の治病理論
20.下腹部を「小腹・少腹」とする古典文献
21.テキ儻不羈ということ
22.インターネット上の医学古典文献リンク
23.新しき古典主義
24.日本伝統鍼灸大学創設の夢
25.病気とは?
26.末期胃がん患者の一言
27.島田隆司先生の功績
28.知熱大灸について
29.健康ドリンクの作り方
30.道元禅師の教えに学ぶ
31.円皮鍼とマグレイン
32.灸療法の伝来
33.知熱灸について
34.追悼・八木素萌先生
35.追悼・弘道先生
36.医は意なり
37.伝統を受け継ぐと言う事
38.皮内鍼について