基本用語〔10〕 経 穴(けいけつ) |
ツボを表す用語として、兪穴(輸穴ともいう)・経穴・気穴・孔穴などがあります。意味するところがそれぞれ微妙に違っています。その中で一番適当なのが「兪穴」です。「ゆけつ」と読んでいますが、「しゅけつ」と読むのが正しいと思います。 兪穴のことを、古典では「神気の出入りするところ」、「脈気の発するところ」などと表現していますが、現在の私たちにはつかみどころがありません。分かり易くいえば、兪穴は体表上の異常点、反応点です。 その特徴の一部を示してみましょう。 兪穴は経穴・奇穴・阿是穴の三種類に分けられます。 だから、経穴をベースにすると経脈の数は十四脈(十四経)になります。現在は三六一穴に増えています。 奇穴(あるいは「経外奇穴」) 経脈に所属しないで兪穴で、奇効があるので奇穴と呼ばれています。唐代の『千金方』という医書には奇穴が一八七穴が記録されています。位置は定まっています。また、何病にはどこの兪穴と固定していますから、応用性はありません。紐を使って計測したり、竹を跨がせて測ったり、変った兪穴の取り方があります。 経穴書 経穴学の最初のテキストは『明堂経』(漢代?)といわれていますが、早い次期に散佚しました。これをもとに編纂した『甲乙経』(晋)が現存最古の経穴書とみなされています。 唐代の『千金方』『外台秘要方』という医書の兪穴部分も、宋代に国家事業で作られた『銅人兪穴針灸図経』という経穴書も、『明堂経』が基礎になっています。これらの書から『明堂経』のおおよその姿をうかがうことができます。兪穴学の発展には欠かせない重要なテキストですが、本格的な研究が遅れています。 |